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(17)合成品デアザフラビンの真実【画像の加工はダメ】

結論)デアザフラビン(TND1128)の宣伝サイトでは論文誌を加工した画像の添付が確認されます。

デアザフラビン(TND1128)の情報・販売サイトには興味深い情報が色々と書いてあります。

以下のリストは
とあるサイトでデアザフラビン(TND1128)の研究成果として公表している情報ですが、もう一度おさらいすると

■培養ヒト由来神経芽細胞のミトコンドリア活性試験 
       → 論文あり(正確には神経細胞の成長促進)

■マウス脳の培養海馬細胞のATP賦活による活性試験 → 論文あり

■低酸素条件下でのマウスの自発運動能力試験     論文不明

■マウスのd-ROMs(酸化ストレス度)、BAP(抗酸化力)、BAP/d-ROMs(潜在的抗酸化力)試験 → 論文あり

■脳虚血モデルラットの脳細胞保護作用試験    → 論文不明

■SIRT1(脱アセチル化酵素)の活性作用試験    → 論文不明

■NMN(国産研究用試薬)との線虫寿命延長比較試験    → 論文不明

■NMN(国産研究用試薬)とのCa濃度制御作用比較試験 → 論文あり

でした。根拠となる論文がはっきりしている情報は8項目中4項目でした。
打率5割です!!
(本来は10割 根拠資料がないと困るんです。私の検索方法が悪いのか。)

線虫の寿命延長試験は非常に簡単な実験なので、あえて論文にするほどのことではないと判断されたのかもしれません。
ですが、他のデータはどうしても論文を見つけることが出来ませんでした。

もしかすると学会発表はされているかも知れません。

もう一つの可能性は、海外などの他の研究者の論文データを引用しているかも知れません。

そうなるとデアザフラビンTND1128が公表される前の論文の引用ですとデアザフラビン(TND1128)の研究ではない可能性があり、TND1128とは異なる構造デアザフラビンの結果かも知れません。

ここはしっかりしておかないと、過去のデアザフラビンの論文成果をつまみ食いしてデアザフラビン(TND1128)の効果として公表されてしまう危険性もあります。

※そもそも薬機法の観点からこのような論文データを製品と一緒には公開できませんので気をつけて下さい。この企業さんはこのデータと製品を同一ページに掲載していました。

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あと、もう一つ気になっていた情報ですが、

■ 5デアザフラビン(TND1128)はNMNの上位互換.
5-デアザフラビンは、フラビン(ビタミンB2)から、第5位にあるアザ基(窒素N元素)をデアザ置換(炭素C元 素に)したものです。このデアザ置換により、ビタミンB 2骨格である5-デアザフラビンが、ビタミンB3骨格であ るNMN/NAD + と類似の機能を発揮することになりま す。

とありました。
「NMNの上位互換」という単語は、工学系で使われる単語のようです。ですが、医学薬学用語としてはあまり使われないと思います。

かつ、「上位互換=より優れたものにとって代わる」
という意味だとすると、だいぶオーバーなリップサービスかと思います。

もともと生体内で働いてる因子(NMN)はそこに存在するだけで大きな意味があると考えます。

「5-デアザフラビンが、ビタミンB3骨格であ るNMN/NAD + と類似の機能を発揮することになります。」というメカニズムについては、なぜデアザフラビンがNMNと類似の機能を示すと言えるのか良く分かりませんので、これからしっかりと調べて、追って意見を述べさせていただきます。

ですが、すくなくとも現行のデアザフラビン(TND1128)に関する3つの基礎研究論文の結果からは「上位互換」といったような理論は導き出すことができないと思います。

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論文画像についでですが、

かなりのデアザフラビン販売サイトで、デアザフラビン(TND1128)の論文誌の表紙や論文そのものの画像がそのまま、もしくは加工されたものが掲載されています。

論文はいったん掲載されると、その権利(版権)は論文を掲載した雑誌出版社のものになります。なので、このような商品販売のサイトなどに勝手に論文の画像を使用することは出来ません。

これは企業が無知なのか、コンプライアンス、モラルが低下しているのかと勘繰られても仕方ないです。また論文の著者の先生もこのような画像を発見したら削除依頼を出すべきです。

私も過去に自分の論文画像が宣伝広告に使用されているのを見つけて削除を依頼したことがあります。

質の高い論文誌に掲載されているサプリメントは沢山あります。でも論文画像の加工データが出回らないのはこの理由によります。


もし、このことを許したら、健康食品の販売サイトは論文の画像だらけの世界になりそうですね。

※メーカーが論文の版権を買い取っている可能性もありますので、ここではあくまで一般論として述べさせていただきます。

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(18)合成品デアザフラビンの真実【ヨーロッパで薬に!?】

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(1) 合成品デアザフラビンの真実


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