(1)合成品デアザフラビンの真実
デアザフラビン(TND1128)は、
「新規化学合成品であり食品としての安全性が充分に担保されていません。」
「製品をミトコンドリア活性があると標榜すると薬機法違反になります。」
「最強クラスのミトコンドリア活性、NMNに比較してミトコンドリア活性が数十倍と標榜すると景品表示法等に抵触するおそれがあります。」
デアザフラビン(TND1128)とは??
最近ネットでデアザフラビンという健康食品を目にする機会が増えました。職業柄、その商品の説明を見ていて色々な疑問点が出てきましたのでnoteで書いていこうと思います。
タイトルをあえて「合成品デアザフラビン」とつけたのは、このデアザフラビン(TND1128)が世に出たきっかけが日本のある科学者がさまざまなデアザフラビンの類縁体を化学合成していたことから端を発したからです。
2024年年末現在でデアザフラビン(TND1128)について分かっていることは
■ 研究の歴史は浅く、研究者も限られているため「以前から世界中で研究」はされておりません。
■ 信頼できるデータは細胞の論文1報、マウス論文2報のみで科学的根拠(エビデンス)は非常に弱いです。(2024.12現在)
■ サーチュイン活性がある科学的根拠は見つかっていません。
■ 世界最強のミトコンドリア活性物質ではありません。
■ マウスに皮下注射、腹腔内注射をした実験で、サプリメントとしての「NMNの30倍、40倍」という科学的根拠はありません。
■ 「NMNの上位互換」という科学的根拠はありません。
■ NMNが代謝されてから効果があるのに対して、デアザフラビンTND1128はミトコンドリアに直接働くといった科学的根拠はありません。
■ 数百もの候補物質の中から評価を経て選ばれた最強物質であるといった科学的根拠は見つかっていません。(※特許に若干それらしき記載があります)
■ 新規化学合成品として、製造工程、品質管理の適格性、化学合成品としての安全性を示す情報は公開されていません。
■ 新規化学合成品であり、食経験がなく、食品としての安全性情報が十分にありません。
■ NMN、コエンザイムQ10、5-ALAは人体、自然界に広く存在していますが、デアザフラビン(TND1128)は新規化学合成品です。
■ メタン産生菌に存在し、ビタミンBに類似しているといった情報は、デアザフラビン(TND1128)の効果や安全性を担保するものではありません。
■ デアザフラビンの類縁体は、抗腫瘍(直接的な細胞傷害)作用、酵素阻害作用の研究が進められているため、デアザフラビン(TND1128)が正常細胞に何らかの有害な作用を示す可能性は否定できません。
■ 安全性を示す「ヒト120日長期試験」は倫理的に不備がある状態で実施された可能性があります。
■ 研究用試薬(CAS No.59997-14-7)に類似もしくは、新規食品添加物に該当するもので、日本の各種法令(法律)に照らして食品と認められたものではありません。
■ 脂溶性であり、過剰摂取、連続摂取により体内に蓄積する可能性があります。
■ 化学合成がGMP基準で行われている情報はありません。あくまでもカプセル化、製品パッケージを食品GMPで行っているだけです。
■ カロリンスカ研究所で開発研究されている実体は公表されていません。
■ 本来公開されるべきヨーロッパの臨床研究の情報がまだみあたりません。
■ 薬物性肝障害誘発の可能性が否定できず、もし重篤な肝障害とデアザフラビン(TND1128)との因果関係が認められた場合、販売者、メーカーに多大な賠償責任が発生するおそれがあります。
■ 医師が書いた書籍を使って商品の販売活動をすると薬機法違反(バイブル商法)になります。
■ 販売サイト、SNSにある宣伝文句の中に、薬機法、景品表示法などの法律に違反する可能性が高いものが多数あります。
以下のタイトルをクリックすればこれらについてまとめた記事に飛ぶようにリンクを貼りました。
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【目次】
(1) 合成品デアザフラビンの真実
(2) 合成品デアザフラビンの真実【長い歴史?】
(3) 合成品デアザフラビンの真実【3つの論文】
(4) 合成品デアザフラビンの真実【論文のトリック?】
(5) 合成品デアザフラビンの真実【カロリンスカ研究所】
(6) 合成品デアザフラビンの真実【サーチュインと特許】
(7) 合成品デアザフラビンの真実【特許技術は本当?】
(8)合成品デアザフラビンの真実【ケミテラス社】
(9)合成品デアザフラビンの真実【ここまでのまとめ】
(10)合成品デアザフラビンの真実【ミトコンドリア活性】
(11)合成品デアザフラビンの真実【化学合成は安全?】
(12)合成品デアザフラビンの真実【バイブル商法?】
(13)合成品デアザフラビンの真実【エビデンス不足?】
(14)合成品デアザフラビンの真実【食経験がない!?】
(15)合成品デアザフラビンの真実【売り抜けろ!?】
(16)合成品デアザフラビンの真実【未承認化合物ですね】
(17)合成品デアザフラビンの真実【画像の加工はダメ】
(18)合成品デアザフラビンの真実【ヨーロッパで薬に!?】
(19)合成品デアザフラビンの真実【臨床試験と倫理】
(20)合成品デアザフラビンの真実【上位互換とは?】
(21)合成品デアザフラビンの真実【試薬としてのTND1128】
(22)合成品デアザフラビンの真実【ナイショ話】
(23)合成品デアザフラビンの真実【カスタマイズする】
(24)合成品デアザフラビンの真実【抗がん剤としての研究】
(25)合成品デアザフラビンの真実【ニセモノ】
(26)合成品デアザフラビンの真実【摂取量が多い?】
(27)合成品デアザフラビンの真実【薬機法違反?電話してみた!】
(28)合成品デアザフラビンの真実【NMNを超えた?】
(29)合成品デアザフラビンの真実【副作用ある?】
(30)合成品デアザフラビンの真実【学問領域】
あくまでも薬機法、レギュラトリーサイエンス、エビデンスベースドメディスン(ニュートリション)、ヘルシンキ宣言などの観点から
「デアザフラビンにまつわる情報の真偽を問う」ものであり、消費者、患者様に正しい情報を提供する目的のため特定の研究者や企業を誹謗中傷する意図はありません。
法律違反ともとられかねない販売者の宣伝にはメーカーも困っていることと思います。
もし私の書いたことに間違いのご指摘があれば、それを確認でき次第、謝罪と共に修正、削除なども真摯に行っていきたいと思います。
自分の目でファクトチェックをしっかりとしましょう。
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(2) 合成品デアザフラビンの真実【長い歴史?】