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(11)合成品デアザフラビンの真実【化学合成は安全?】
結論)デアザフラビンTND1128は法令(GMP)を順守して安全に化学合成されているといった情報はみつかりません。
これまでの論文、特許情報から、サプリメントで販売されているデアザフラビンTND1128は化学合成で製造されていることに間違いはないと思います。
ちなみに、「化学合成品=食品に適さない」訳ではありません。
ビタミンCなどは合成品が多く出回っています。
要は、各種法令(法律)を守って製造されているか、作られた合成品は本当に安全か。という点が重要な訳です。このことは別ページで詳しく解説します。
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デアザフラビンの合成法については、特許明細の中にその一例として
「ジオキサン(50ml)にp-トルエンスルホン酸(60mg,0.32mmol)と6モノ置換アミノ-3-メチルウラシル(1)(2.84mmol)を加え、更に、2-ヒドロキシメチレンテストステロン(6)(1.0g,3.16mmol)を加えた後、アルゴン雰囲気下で封管中12時間加熱する。反応後、これをカラムクロマトグラフィー(Fuji Silysia 230~400mesh;溶出液:酢酸エチル:エタノール=12:1又は酢酸エチルのみ)で分離精製し、粉末結晶を得る。更に、再結晶は酢酸エチルとn-ヘキサンの混合溶液より行なえる。」
とあります。
太字で示しましたが、かなり人体に有害な試薬、溶媒を使用しています。
一方である会社のHPでこのような文言を見つけました。
5-デアザフラビンTND1128は、アミノ酸代謝産物の尿素を主要原料に、化学合成された物質で、熱に強く、劣化しにくい安定性に優れた長期常温保存が得意な成分です。
となると、デアザフラビンTND1128は特許明細に書かれた方法とは違う方法で合成されている可能性もあります。
実際の合成方法は分かりませんが、デアザフラビンTND1128の化学構造式がこちらになります。(Webから拾いました)
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この構造式について言葉で説明するのは難しいですが、要するに「フラビン」と呼ばれる基本構造があって、そのうちの一つの構造式がTND1128というものです。
ですから、合成反応の条件を変えていけば、色々な種類のフラビン(デアザフラビン)を合成することができます。
前にも「構造活性相関」という言葉を使いましたが、「色々な化合物の構造によって薬理活性が異なる」という創薬の基本的な考え方があります。
炭素(C)、酸素(O)などが付いているか、抜けているかなどほんの少しの違いで、薬理活性や毒性が大きく変わります。
なので私は口を酸っぱくして「ビタミンBに似ているからと言って安全とは限らない」と言っている訳です。
ちなみにここにあるNMNとデアザフラビンの2つの構造式を並べて、似ている部分を赤丸で示していますが、、、、どうでしょうか?構造活性相関の研究者であれば「まるで別物」と考えるのが妥当かと思います。
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薬害で多くの犠牲者を出した「サリドマイド」という薬は、「アミノ酸から合成された安全な睡眠薬」として発売されました。当然、アミノ酸から合成されたからといって安全ではない訳です。
私たちはこのような過去の悲しい教訓からも学ばなければなりません。
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そもそも、どこかの工場でデアザフラビンTND1128が化学合成されているとして、その工場が厳密に化学反応を行えているか、別の合成品が混ざって出来ていないか、合成に使用したさまざまな有害な試薬が残存していないか、など品質に関する膨大な管理とデータの蓄積が求められます。
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デアザフラビンTND1128の安全性を担保する第一段階として、ここが非常に大事です。これについてメーカーとしては求めに応じで開示できる準備が必要です。
ちなみに、デアザフラビンの宣伝サイトでは
「製造工場について(GMP認定工場)
5デアザフラビンPure MAXは、「XXXXXXXXXXXXX」を製造委託先として指名しており、日本国内の厳しい品質水準をクリアしたGMP認定工場で、丁寧に製造しています。品質の高いサプリの購入を希望する際は、GMP適合認定工場で徹底管理のもと製造された製品を選ぶことが重要です。」
といった文言が出てきますが、これはデアザフラビン製品のカプセル化、パッケージなどを食品GMP認定工場で実施していると説明しているだけで、デアザフラビンTND1128がどこでどのように製造され、品質が担保されているかは分かりません。
しかし、GMPという単語を使って、「デアザフラビンは、安全で安心な製造を行っていますよ。」との印象を強く与える宣伝が非常に多く目につきます。
あまりにも消費者に誤解を与えるような宣伝だとメーカーも困惑していると思います。
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【追記】
といろいろ調べているうちに、ちゃんと「デアザフラビンTND1128は化学合成してますよ」とこのサイトに出てきていました。
なるほど最もらしいことが書いてあります。
が、そこに書かれていることがどこまで真実か?ということが重要です。
たとえば、5-ALAでしたらこのように具体的に製造管理が開示されています。
おそらく、工場見学、その他質問などにも対応してくれるでしょう。
デアザフラビンの合成についてはまだここまで開示されていません。
新規化学合成品だけに早めの情報開示をお願いします。
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【メールで聞いてみた】
とある医薬品原料を開発しているメーカーに「デアザフラビンTND1128のようなものを安全に合成して、ヒトの口に入れても大丈夫となるまで、どのくらいかかりますか?」と問い合わせてみました。
すると
「標題の件、弊社では技術的には問題なく合成することは可能ですが、(中略)レギュレーションの観点から、この合成品を食品分野へ上市することに関しましても、前例の承認状況から推察致しますと、医薬品原料とほぼ同レベルの安全性試験に関する資料を求められますため、製品開発には長い年月と多大な経費を要すると思います。さらに、もし医薬品にするとなると、、、、(後略)」
という返答でした。私の考えていたこととさほど変わらない専門業者さんの意見でした。
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(12)合成品デアザフラビンの真実【バイブル商法?】
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(1) 合成品デアザフラビンの真実