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(9)合成品デアザフラビンの真実【ここまでのまとめ】

ここまでは、デアザフラビン(TND1128)にまつわる論文、特許、広告宣伝について考えてきました。思ったより情報量が多く、論文、特許はもう少しじっくり読むと分かってくることも多いと思います。

ですが、ここでいったんここまでの情報を簡単にまとめをしたいと思います。

・デアザフラビンは、菌類から発見されていますが、だからといって薬効があったり、食品として安全とはなりません。

・デアザフラビンは、ビタミンBに構造が良く似ていますが、だからといって薬効があったり、食品として安全とはなりません。

・デアザフラビン(TND1128)の特許、論文は2020年頃から出始めているため、研究の歴史は浅く、研究開発メンバーも限られています。

・デアザフラビン(TND1128)の論文は細胞実験1本とマウス実験2本の計3本です。(2024年12月現在)

・デアザフラビン(TND1128)のマウス実験は、皮下注射もしくは腹腔内注射で行われています。

・デアザフラビン(TND1128)のミトコンドリア活性のマウス実験では、細胞内のカルシウム量の調節、ATP産生で測定していますが、この実験系だけで「びっくりするほどミトコンドリア活性を増強する」とは言い難いと思います。

・デアザフラビン(TND1128)の細胞、マウス実験ではβNMNと比較されていますが、この実験系の結果だけで、「βNMNよりも○○倍もミトコンドリア活性が高い」と言って販売するには無理があります。

・デアザフラビン(TND1128)がサーチュインを活性化させるという学術論文はまだ見当たりません。

・実験で使用したデアザフラビン(TND1128)は化学合成品で、サプリメントで販売されているものも化学合成品である可能性が極めて高いです。

・デアザフラビン(TND1128)の合成方法、合成工場、新規化学物質の食品として耐えうるだけの安全性情報は公表されていません。

・カロリンスカ研究所の先生が開発研究に携わったとありますが、その研究内容の実態がまだ明らかになっていません。

・ナノコートに関する製剤技術がデアザフラビン(TND1128)の宣伝で使用されていますが、この宣伝と特許内容とは関係性がハッキリしません。

だいたいこのような感じです。

ちなみに、論文、特許そのものやそれらに関わった先生たちは何の問題もありません。いたってよく見かける普通の論文、特許です。

開発メーカー、販売者側には正確な情報発信による営業活動が求められます。

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(10)合成品デアザフラビンの真実【ミトコンドリア活性】

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(1) 合成品デアザフラビンの真実


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