(30)合成品デアザフラビンの真実【学問領域】
そもそも、デアザフラビン(TND1128)はどのようにして生体に作用するのでしょうか?
広告文にはいろいろなことが書かれています。
「5-デアザフラビン(F420)は、NAD+、NDAP+に次ぐ、三番目の存在として 自然界での存在が報告されている。」
これは、いわゆるデアザフラビンといっても補酵素F420の説明で、デアザフラビン(TND1128)とは似て非なるものですが、要するにNMN(NAD+、NDAP+)のような働きをする。
と言っているようです。
「教科書にも書いてある」とネットで宣伝してましたが、その教科書を書いた生物学の先生があまりにもかわいそうです。
ちなみにビタミンB2の注射薬のインタビューフォームには、
作用機序:フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)は FMN とともに各種フラビン酵素の補酵素として細胞内の酸化還元系やミトコンドリアにおける電子伝達系に働き、糖質、脂質、たん白質等の生体内代謝に広く関与し、重要な役割を果たしている。
とあります。「これなら安いビタミンB2を摂取すればいいじゃん!」とツッコミたくなりますが。
いや、本当に改めて「ビタミンB群のサプリ飲んでおこうかな?」と思いました。
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いわゆる「フラビン骨格」を持つ物質の生体利用については、いろいろな角度から論じられていますが、基本的にはミトコンドリアの電子伝達系、酸化還元に何らかの関与をしている。(以下のHP参照)
といったことのようです。
(ですが、デアザフラビンTND1128は新規合成品なのでこのような働きがあるという根拠はありません。むしろ細胞毒性のある抗がん剤として研究されてきました。)
これは、学問領域でいうと「生物学」、「生化学」の領域です。
私の専門は生物、生化学ではありません。
ですので、同じ細胞実験を扱う学問でも、正直「ミトコンドリア、電子伝達系、フラビン」ということについて、今回もいろいろ勉強したのですが、調べれば調べるほど分かりませんでした。
「確か大学1、2年の時の教養科目で勉強したなぁ」という気持ちになって先にすすめません。
そこで、知り合いの微生物の先生にデアザフラビン(TND1128)とミトコンドリアのことについて聞いたのですが、「良く分かりません。」とのことでした。
この先生は、微生物といっても「枯草菌」が専門です。
次に分子生物学の先生に聞きに行ったのですが、やはり「良く分りません。」とのことでした。
この先生は、DNAの放射線障害が専門です。
学者の世界でも、専門が少しでも違うととたんに分からなくなってしまいます。
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そう考えるとデアザフラビン(TND1128)を開発されたNagamatsu先生は本当に天才です。有機合成、構造活性相関、薬理スクリーニング、ミトコンドリア機能の知識を総動員してこれを「夢の抗老化物質」として開発されたのですから。ノーベル賞候補と言われるゆえんですね。
一方で、広告宣伝(YouTube等)で、一般人と思われる方が、デアザフラビン(TND1128)の作用メカニズムについて一生懸命説明されているのを見ます。
その時に思うことは
「この人たちは、天才的な才能と努力と知識でデアザフラビン(TND1128)の作用メカニズムを理解できたのだろうな。本当にすごいな。」
です。
私はというと、いろいろな論文を読んだり、専門家に聞いたりしたのですが、今のところ正直さっぱり分かりません。
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このnoteも30ページ目になりました。デアザフラビン(TND1128)について考察したいことの8割方は書けましたが、
ここで一旦休憩したいと思います。
少し考えを整理したいのと本業が忙しことが理由です。
note30ページ目の最後にデアザフラビン(TND1128)に関わっている方々へお願いがあります。
【メーカーさんへ】
メーカーとして製造、研究開発、販売において法令順守を徹底して、全ての責任を負うつもりでお仕事をされてください。
【販売者さんへ】
薬機法、景品表示法、健康増進法をよく勉強して、これらの法律にに抵触しないよう充分に気を付けて販売活動をしてください。
【お医者さんへ】
患者さんの権利、利益を最優先しての治療行為をぜひお願いいたします。
デアザフラビンと因果関係があると思われる副作用をみつけたら、すみやかにメーカーと行政への報告をお願いします。
【消費者、患者さんへ】
さまざまな情報があふれている時代です。情報のリテラシーが求められています。最後は自己責任になってしまうので、できるだけ正確な情報を探して専門家に相談しながら取捨選択をしてください。
■実るほど頭を垂れる稲穂かな■
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(番外編)合成品デアザフラビンの真実【通報しました!!】
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(1) 合成品デアザフラビンの真実