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アメリカに移住して怖くなくなったもの4選
お化け
日本にいた頃、夜道がなんとなく怖かった。布団から足を出すのも嫌だったし、旅館なんか泊まった日には暗闇が妙に不気味に感じた。なぜなら、日本のお化けはジメジメとした雰囲気の中で、ボソボソ日本語を話すからだ。
しかし、アメリカに来てからというもの、まったくお化けが怖くない。なぜなら、仮にアメリカでお化けに遭遇したとしても、そのお化けがインド英語のアクセントで話していたり、陽気なアメリカ人の霊だったりするのを想像すると、一気にジメジメ感がなくなるからだ。むしろ "What’s up!?" なんて元気に話しかけられそうで、もはやホラーというよりコメディである。
……まあ、そんなことより夜道は銃とか犯罪の方が怖い。笑
人とぶつかること、嫌な顔をされること
これ、日本からアメリカに移住した人にとって最大のカルチャーショックかもしれない。
日本では人とぶつかることは極力避けるし、嫌な顔をされる場面にも遭遇しにくい。社会全体が、不快なコミュニケーションから人を隔離するようになっている。
しかし、アメリカでは普通に店員さんが八つ当たりしてくるし、人々の文化の違いが大きすぎて「やめて」とハッキリ言わなきゃいけないことが多い。
今でも忘れられないのが、焼肉屋でBrisket(安い肉)を頼んだのに、なぜか和牛ステーキ(5倍の値段)が出てきたとき。「違います」と伝えたら、店員が逆ギレしてメニューをテーブルに叩きつけてきた。もうこうなると逆に笑ってしまう。
休むこと
アメリカは人の不機嫌さや疲れに対して、すごく寛容な社会だ。その分、疲れたら素直に休んでいい空気がある。
これは働く側にとってめちゃくちゃ楽。日本の接客業の人たちも、座っていいし、そこまで丁寧に優しくしなくてもいいんじゃないかと思う。機嫌が乗らなかったらテキトーでいい。
みんな、頑張りすぎだよ。お疲れ様すぎる。
薬物
アメリカでは、薬物はもはや特別なものではない。裏社会や芸能人だけでなく、普通の人たちがアルコール感覚で使っている。
例えばRave(EDMのコンサート的なもの)に行くと、体感では半分くらいの人が何らかのものでハイになっている。
最初は、ドラッグをやっている人の近くにいるのが怖かった。「急にラリって暴れたらどうしよう」とか「何か理解不能な行動を起こされたらどうしよう」と思っていた。でも、実際にそういう場にいても、薬をやっている人が誰なのかすら分からないことが多い。
警察でさえ、個人使用レベルの薬物にはほとんど関与しない。通報したところで相手にされない。むしろ、銃の事件の方が多すぎて、「誰にも迷惑かけてないならドラッグなんてどうでもいいのでは?」とすら思うようになった。
結論
日本にいた頃に怖かったものの多くは、アメリカでは意外と怖くなくなった。でも代わりに、別のもっとリアルな恐怖がある。
そう、やっぱり一番怖いのは……銃。POW POW