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展覧会『150年』に行ってきた
東池袋で開催されていた展覧会『150年』に行ってきた!
※ネタバレ防止に最後ちょっとだけ有料あります※
きっかけ
Xで流れてきて「おもしろそ~」ってなって行くことに決めました。
「取り壊しになる東池袋一帯の家々の壁をぶち抜き、縦横無尽にそれぞれの時間を巡る」という謳い文句、わくわくしちゃうよね。
「異世界ダンジョン感」「家の中で遭難できる」「リアルホラーゲーム」という感想で興味がわかないはずがない。
余談ですが、日帰りスノボの帰り夜行バスで見かける→翌日にGOだったので、久々に都会の文化資本への接続のよさを嚙み締めました…都会ってすげえや。
展覧会概要
コンセプトは「異時間観旅行」。
再開発によって取り壊しが決定している東池袋の一区画の建築群。広大な敷地に密集する全6棟の、それぞれ築年数の異なる建築群に大穴をあけた上で、独自の仮設通路を貫通させる。パラレル状の道、鑑賞導線によってバラバラの建築は壊されながら結び合わされて、ひとつの展覧会『150年』となる。
私は知らなかったのですが、2022年に「惑星ザムザ」という展覧会を手掛けた二方が企画されたそう。会期は2025/01/18~1/27 の10日間のみ。13歳以下入場禁止。
行ってみて感想。ぞわぞわした~。
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二日目の1/19(日) 14時30分ごろに到着。少し並んでいて、20分ほど待ちました。
誓約書を書き、いざ中へ!
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最初の部屋はガランドウ。まさに廃墟で、一気に世界観に引きずり込まれました。
そこからぶち抜かれた壁を繋いだ仮設足場を渡りながら家々を巡るのですが、もう迷う迷う!今いる場所が全然わからん。建物はそれぞれ広さも間取りも階数も異なるので、「こっちいった?」「ここ見たよね??」となりながらひたすらうろうろしました。
一緒に行った人が地図に強かったので何とかなったけど、一人だったら絶対全部見れなかった…(笑)他のお客さんたちも迷っている人多くて、わかるよ〜〜〜って勝手に共感しまくりました。(会場内はスタッフが回っていて困ったら声をかけてくれたので救済措置はある)
家ごとに違う臭いがして、土足で他人の家に踏み入ってる感じにずっとぞわぞわしていました。畳を靴履いたまま歩くのとか嫌すぎて。
行く前は人の家に勝手に侵入することに非日常のわくわくを感じると思っていたんですが、実際はこんなに居心地が悪いのだなと身をもって知りました。
廃墟というには人の生活が残りすぎていたからかな、罪悪感が凄かったです。
ただ取り壊し予定の建物内を探索するだけではなく、ところどころに配置された現代アート作品を鑑賞することもできます。
全6棟の建物に約18部屋があり、それぞれ担当者が作品を展示している形式。テーマは共通で「150年」とのことで、作家さん毎の150年の解釈の仕方、表現があり面白かったです。「こういうことかな〜?」と話しながら勝手に考察するのが楽しい。
以下、自分的お気に入り作品メモ。
白い霧の家 -Houxo Que
家全体に白い霧がかかっており、うすらと視界がぼやかされる。人工的な甘ったるい匂いが充満し、階下からは男のうめき声や得体のしれないお経のような音が聞こえる。
一番不気味で、白昼夢に迷い込んだような感覚になる家でした。
砂が敷かれた青い部屋を抜けて屋根裏に上ると、まるでドアかのように巨大なLCDが置かれていて、どこか異界に繋がっていそうなSF感。
子供部屋だったようで、キティちゃんのポスターやリラックマのぬいぐるみなどがそのまま残っているのがなんともホラーチック。なんで子供部屋って怖く感じるんだろうね。
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紫の立体物 -宮原嵩広
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コンクリむき出しの洒落た内装の部屋のド真ん中にたたずむ謎の立体物。
木のようにも見えるし、羽化する寸前のサナギにも思えた。毒々しい鮮やかな紫の液体がどこからか漏れているようで、穿った床に水たまりを作っている様が異様。
率直な感想は「なんだこれ気持ち悪い」んだけど、コンクリ内装と大きな窓から差し込む光とが相まってなんだか神秘的に思った。人類滅亡後に残った人工建築物と未知の生物、的な世界観。
細い管 -?
建物内を巡っていると、透明な細い管が何本も家々をまたいで張り巡らされているのが目に付く。よくよく見てみると水が伝っているっぽい。
どこを繋いでいるんだろーとなんとなく目で追っかけていると、トイレのタンクや水のたまったシンク、窓のサッシにある小さい植木鉢なんかに繋がっていた。なんかかわいくて好き。
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建物全体を周って、1時間30分くらいでした。
展覧会のコンセプトも、敷地内探索も、置かれている作品も、どれも面白かった!
私は年に数回美術館に行く程度の人間で、こういった空間含めての展示はあまり行ったことがなかったのでとても新鮮でした。こういうのをインスタレーションと呼ぶのね。
おそらく現代美術に与する展覧会だったと思うんだけど、アート素養に拙い私でも気軽に楽しめたのが嬉しかったです。
作品を読み解くうえで必要な文脈や背景にあたる部分が、「150年」という私にもわかる時間だったのが大きかったと思う。
見終わった後、入口でもらったリーフレットに記載されていた''150年「前」や「後」ではなく、ただの時間量としての「150年」を集める''というフレーズがすっと腹に落ちたんですよね。
まさに150年という時間量を全身で感じる展覧会だったなーと思います。
現代美術、今年はもっと挑戦してみたいな。
最後に4階建ての屋上に出て、建物群の全体像が見渡せるって構成もよかった。あんなに迷わされたとこはこうなってたのか!
地下室
最後に「合言葉を3つ集めたら入れる地下室」がありました。
写真公開が運営の意図と違ったら嫌なのでネタバレ防止にここから有料。気になる方だけどうぞ。
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