マブラヴは無印からプレイすべきかオルタネイティブからプレイすべきか※ネタバレなし
マブラヴファンの間にはとある論争がある。それがマブラヴは無印(エクストラ編)からプレイすべきか、オルタネイティブ編からでいいかという論争である。
マブラヴは3部作であり、エクストラ編に始まりアンリミテッド編までが無印に収録されており、最後のオルタネイティブ編だけは別で販売している。
この記事では、これからマブラヴをプレイする人に向けて、ネタバレなしでこの論争の答えを書いていくので、もし今マブラヴが気になっている人はぜひ参考にしてほしい。
最初に書いておくと私は「マブラヴは無印からプレイすべきのタカ派」である。現在はオルタネイティブからでいい派との戦争準備を進めているので同志よ集まれ。
まず大前提としてマブラヴは名作中の名作である。不朽の名作である。あなたはそんな名作をプレイするときに100%楽しみたいとは思わないだろうか?確かにマブラヴはオルタネイティブだけでプレイしても名作だろう。いや、オルタネイティブだけでも不朽の名作になりうる。それほどの作品である。
ではそんなマブラヴがどうしてこのようにオルタネイティブだけでいいと言われてしまうのか。原因を2つ挙げ、それぞれ反論していく。
まず一つ目はエクストラ編(無印の最初)があまり面白くないという点である。エクストラ編は主人公白銀武とそれを取り巻くヒロインたちのどたばたラブコメディといった感じで、その発売年からくる絵柄の古さや、ノリの古さ、単純に恋愛小説としてのクオリティなどはほかの作品と比べてしまうとどうしても劣っていると言わざるを得ないと思う。
ただ個人的なことを言わせてもらえるのであれば、私はこのエクストラ編は楽しめた。それはマブラヴをプレイする前からいくつかほかのノベルゲーム、ギャルゲームをプレイしていて、古い作品に耐性があったかからかもしれないし、シンプルにヒロイン(鑑純夏)のキャラクターが最初から結構ツボだったからかもしれない。しかしそれでも、無印からプレイすべき過激派の私でも、マブラヴがエクストラ編だけでも名作かと言われれば、それはNOと言わざるを得ない。
オルタネイティブからプレイすべき派としてはそんなエクストラ編を無理してやらずとも面白いオルタネイティブからプレイして、ただでさえプレイ時間やノベルゲームという敷居の高いマブラヴのハードルを下げて、少しでも多くの人にプレイしてほしいのだろう。その気持ちはわかる。
が、
マブラヴはノベルゲームであり、文脈がある。マブラヴオルタネイティブで起きたことには因果関係があり、エクストラ編やアンリミテッド編で起きたことがオルタネイティブへと繋がっていくのである。つまりそのような繋がりを無視してオルタネイティブを読んでしまった場合、製作者が意図した伏線や構築してきたそれぞれのキャラクターの関係性というものがまったく読み取れなくなってしまう。仮にエクストラ編を楽しめなかったとしてもそのおかげでオルタネイティブ編を何倍も理解し、楽しめるのであればエクストラ編をプレイすべきとは思わないだろうか?(というか序盤が面白くないから途中からでいいという論理がよく分からない)
この意見は確かにマブラヴのハードルを上げていて、ageからすればハードルを下げて、マブラヴが売れてほしいと思っているかもしれない。しかし私はage関係者ではないのでageのことを思ってマブラヴを勧めることはできない。ただこれからマブラヴをプレイしようと思っている人だけを考えてマブラヴを勧めるのであれば、やはり無印からプレイすべきという回答になってしまう。
二つ目はマブラヴのプレイ時間の長さである。マブラヴは無印からプレイしたときのプレイ時間は約70時間である(エロゲー批評空間の中央値より)。時間に追われる現代人にとってこの70時間はあまりに長い。しかしオルタネイティブだけであれば40時間になる。つまりオルタネイティブからプレイすれば約半分のプレイ時間で済むということだ。
確かに最近はタイパという言葉も広く世間に浸透し、時間効率を重んじる人が多い傾向にあると思う。かく言う私も趣味の筋トレは1時間以内に収まるようにしたり、料理も時間のかからない最低限の調理だけにしたりなど、普段の生活においては効率的に時間を使うことを考えて生活している。
そしてマブラヴが名作たる所以の80%はオルタネイティブに詰まっているといってもいい。つまり、単純に計算すれば30時間で20%程度を使い、40時間で80%を体験できる。なんと効率的なことだろうかそれでいいじゃないか。
が、
私から言わせればそんなに時間に追われているならマブラヴをプレイしていないで、勉強なり仕事なり部活なり今ある課題を頑張れ!である。受験2週間前に映画を見るだろうか?大会前に旅行に行くだろうか?確かにマブラヴは名作である。不朽の名作である。しかし、そんなにも時間がないときにプレイするようなものでもないと思う。ちゃんと時間を作って、他ではできない体験をしたいと思った時にこそ、マブラヴをプレイしてほしいと思う。
あと一つ目の話とかぶってしまうけどやはりマブラヴは続き物なので、如何にオルタネイティブ編にマブラヴの80%が詰まっていようと、20%がなければこの80%はあってないようなものなので単純な時間効率だけでは考えることはできないこともお忘れなく。
少し視点を変えてみよう。もしあなたが友人や恋人などに自分の好きな漫画やアニメ、小説などを勧めるときにどのように勧めるだろう。マブラヴをオルタネイティブ編から勧めるということをほかの例で例えてみた。
例えばONE PIECEを2年後から勧めるだろうか?
HUNTER×HUNTERを蟻編だけ勧めるだろうか?
WHITE ALUBUM2をclosing chapterから勧めるだろうか?
なんらかのアニメを二期から見ることを勧めるだろうか?
お笑いはフリなしで笑えるだろうか?
いかにめちゃくちゃなことを言っているか少しでも伝われば幸いである。
マブラヴの1週目は人生で一度きり、一度読んでしまえばもう二度と初見の気持ちは味わうことができないのである。もしオルタネイティブ編からプレイしてエクストラ編を知りたいと思い、最初からプレイしても決してエクストラ編から通してプレイしたときの感動というものは味わうことができないのである。それを踏まえてマブラヴをどこからプレイするかは考えてほしい