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どんなスキルを習得すべきか

どんなスキルを習得すべきかは教えてくれない

学校を卒業し、エンジニアとして数年立つと目の前の仕事はこなせるようになります。その時に次へのステップアップのためにどのようなことをすればよいのかといった悩みを持つ方が多いかと思います。私自身も30歳前後の頃、どんなスキルを身に着け、どのような方向にキャリアを積んでいけばよいのかがわからなくなってしまい、周りで活躍する人(厳密は活躍しているように見える人?)を見て、只々焦っていました。
ここではどんなスキルを身につければよいのか、どのような方向性でキャリア選択すればよいのかについて述べます。

過去の偉人や成功者たちは、とりあえず「後先考えず、やりたいことをやれ」といいます。例えばですが、Apple創業者であるスティーブ・ジョブズは2005年の米国スタンフォードの卒業式でスピーチを行っており、その中でこのような一節があります。
<原文>
you can’t connect the dots looking forward;
you can only connect them looking backwards.
So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.
You have to trust in something — your gut, destiny, life, karma, whatever.
This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life.
<訳>
前方からでは点と点を結べない。
後ろ向きにしかつなげられないのです。
だから、自分の未来で点と点がどうにかつながることを信じなければなりません。
直感、運命、人生、カルマなど、何かを信じなければならないのです。
このアプローチは私を失望させたことはありませんし、私の人生に大きな違いをもたらしてくれました。

 スティーブ ・ジョブズ・スタンフォード大・卒業式スピーチ・2005年

起業家であるホリエモンこと堀江貴文さんも近畿大学の2015年の卒業スピーチでこのように述べています。
「未来を恐れず、過去に執着せず、今を生きろ」

堀江貴文のスピーチ「情報を集めて行動せよ」@近畿大学

この二人のフレーズは、彼らのカリスマ性もあってとても心が揺さぶられるフレーズであり、また言い方に違いがあるものの端的に「誰も未来のことはわからない。目の前のことに全力を尽くせ」といっています。

しかしながら「何かをやればいいのだろうけど、んじゃ結局何をやればいいのか」という問題には答えてくれません。。。

どんなスキルを習得すべきかの指針

そこでここでは、興味がある(ある程度好きであるもしくは嫌いでなない)ことを前提にそのスキルを習得するに値するかを判断するポイントを記載したいと思います。  ただしここでいうスキルは、長期的な目線になってキャリアの軸となるようなものを意図しています。

①そのスキルは、習得するのに時間がかかるか
そのスキルが、習得するのに時間がかかることが一つ重要となります。
えっ、逆じゃないのと思うかもしれませんが、学べば学ぶほど深みがあり、結果習得するのに時間がかかるスキル・分野を選択して勉強すべきだと思います。習得に時間がかかるのがどうして良いのかというと、習得にかかるコストがそのまま参入障壁となるためです。「えっ、今そんなの勉強しているの、大変じゃない?!」と思われるもののほうが、参入してくる人が少ないため、そのスキルの付加価値が下がりにくくなります。例えばクラウド・ベンダーが提供するSaaSのサービスやパッケージソフトウェアは、非常に使いやすくなっているため、習得することは容易です。ですが、他の人も簡単に習得できてしまうため、自身の付加価値が上がらず、おすすめできません。
特に若いエンジニアの方には、キャリアの先がまだ長いため、3~5年後を見据える形で参入障壁の高いスキル習得をあえて挑戦するのがよいと思います。
習得までの時間がかかるスキルとしては、例えばデータ・サイエンス(AI)、量子コンピュータ・アルゴリズムなどがあります。

そのスキル分野は進歩しているか
ここでの「進歩しているか」の意味は、その分野でエポックメイキングな論文が発表され、新しい手法などが生まれているかという観点になります。このメリットには2つの理由があります。
一つは純粋に技術発展がある分野は、皆が注目している分野であるため、ビジネス的に今後広がる可能性が高く、個人として経済的なメリットに預かれる可能性が高くなります。
もう一つは個人の”飽き”に対する処方箋となることです。興味があって好きで始めた分野であっても、何年も、変化なく、同じことをやっていると人は飽きてしまいます。一つの例としてメインフレームをあげたいと思います。メインフレームは、未だに大手の金融機関の勘定系システムなどで利用されており、メインフレームは、エンジニアがかきめ細かく環境設定できることから技術的には大変奥深いものになっており、その観点では、非常にやりがいのある分野といえます。しかしながらメインフレームは何十年前にシステムとしてほぼ完成しており、アーキテクチャが大きく変化することはありません。そのためメインフレームへの理解が深まり、何年かすると、個人として飽きてきてしまうといったリスクがあります。
 
③  マーケットが拡大するか
②でも言及しましたが、習得するべきスキルのマーケットが拡大することは、個人の活躍の場が増えるという意味でとても重要です。いくらコストを費やして習得したスキルであってもマーケットから求められなければ、そのスキルを活かした仕事につくことは難しいですし、経済的メリットを得ることもできないでしょう。できれば今流行っているものではなく、将来的に流行りそうなものにチャレンジすべきです。マーケットを予測することは極めて難しいのですが、一つの指標を上げるとすればこのそのスキルを活かしたベンチャー企業が立ち上がっているかに注目するのがよいです。ベンチャー企業はその将来を買われて投資を受けている場合が多く、ベンチャー企業が存在することがそのマーケットが広がる指標の一つになると考えられます。

まとめ

「どんなスキルを習得すべきか」の指針について記載しました。
そのスキルは、習得するのに時間がかかるか
・そのスキル分野は進歩しているか
・マーケットが拡大するか





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