見出し画像

クリケットは野球と異なり、アウトを奪うのは難しい!

※有料記事ですが全て読むことが可能です。クリケット応援・普及のための資金としたいので、投げ銭していただけるとありがたいです。

野球と大きく異なり、クリケットでは「アウトを取るのが大変」です。日本人にとって馴染み深い野球と比較しながら、クリケットの「アウトが取るのが難しい」面について触れていきましょう。

クリケットでアウトが難しい4つの理由

バットが大きい

まずは物理的な理由。クリケットのバットは野球に比べて、非常に大きいです。野球のバットは公認野球規則によると、長さが83〜85cmで、最も太い部分が6.6cmに対して、クリケットのバットは競技規則によると、長さが最大で96cm、横幅4.25インチ(10.8cm)と、非常に大きなバットを使用しています。


ボールの規格は野球が重さ141.7〜148.8g、円周22.9〜23.5cmに対して、クリケットボールは、重さ156〜163g、円周22.4〜22.9cmと大きな差はないだけに、野球に比べて、クリケットの方がバットに当てやすいのが明確です。

何回空振りしても問題なし!

そして、クリケットでは、何回空振りしても問題ありません

これは、野球を見慣れている人にとっては、首を傾げてしまうのかもしれません。クリケットには野球のようなボールカウントがないので、三振自体が存在しません。要するに3回空振してもアウトにはなりません。

ただし、バッツマンの後ろにある3本の棒である「ウィケット」を倒されてしまうと、即アウトになってしまいます。アウトになってしまうと、次のイニングまでバッティングのチャンスが巡ってこない(※)ので、ウィケットに向かってくるボールに対しては、バットで防がなければなりません。

※ワンデイ、T20の場合は、1イニングのみの試合形式のため、アウトの時点で、その試合で打撃の機会は失う。

ゴロでも走らなければアウトにならない

クリケットでは、野球とは「ゴロ」の扱いが大きく異なります。

野球では、ボールを打った時点で、必ず1塁へ走らなければなりません。クリケットでも、反対側にあるウィケットへ向かって、2人のバッツマンが走ります。野球とは異なり、ベースを一周するのではなく、2人のバッツマンが走りきった時点で、1ラン(点)が入ります。

ただ、野球とクリケットの大きな違いは、ボールを打ち損じ、反対側のウィケットへ走るのが難しい場合は、2人のバッツマンが走らない判断を取れば、アウトになりません。仮に走ると判断した場合は、走り切る前に相手選手がウィケットへ送球してしまうとアウトになりますが、クリケットでは走る必要はありません。

「必ず走る必要がない」一方で、「走る」「走らない」の判断はバッツマンの判断能力が問われます。同時に打球の行方や相手の守備を見て、2人のバッツマンは息を合わせながら、対面のウィケットに向かって走らなければなりません。

グローブは捕手のみ!野手は素手!

クリケットでは、野球と同じく、ボールがバウンドする前にキャッチすれば、相手をアウトにすることができます。

しかし、クリケットではグローブの着用を認められている選手は、野球で言う捕手に当たる「ウィケットキーパー」のみが認められています。その他のフィールダー(野手)は素手で処理をしなければなりません

クリケットのボールは非常に固くて、慣れていない人がやったら、突き指は免れないものですが、それでもフィールダー(野手)は、グローブ無しでキャッチしなければなりません。

アウトにならなければ打ち放題!

上記の通り、クリケットでは野球と比べて、アウトを取るのが非常に難しいスポーツというのが明確でしょう。

野球とは大きく異なる点ですが、クリケットには「ベース」の概念がありません。ベースがない代わりに、反対側にあるウィケットに向かって、2人のバッツマンが交差するように走ります。2人が同時に反対側にあるウィケットまで走り抜けば、1ランが加算されます。

1ランの場合、対面にいたバッティングを行っていなかったバッツマンが、次のバッティングを行います。2ランの場合は、ウィケットから行って帰ってくるため、同じバッツマンがバッティングを行い、4ラン、6ランのときも同様です。

野球では、バッターがヒットを放って、ベースに進塁したら、次のバッターの出番になりますが、クリケットではフィールド上にいる選手がアウトにならない限りは、次の選手に出番が回ってくることがありません。

要するに、バッツマンはアウトさえならなければ、フィールド上に残り続けて、延々とバッティングを行うことが可能になります。

アウトになると2度と打てない!

バッツマンは、アウトにならない限りは、延々とバッティングを行うことができますが、ではアウトになった場合はどうなるでしょうか?

アウトになった場合は、その試合ではもう二度と打てなくなります。

テストマッチのように2イニング制の場合は、次のイニングでバッティングの機会はやってきますが、ワンデイマッチ、トゥエンティ20の場合は、1イニングのみの試合形式のため、一度アウトになると、その試合ではバッティングの機会は失ってしまいます

アウトになってしまったバッツマンは、次のバッツマンの頑張りを祈るしかありません。

1人で100ラン稼げる日もあれば、0ランの日も…

クリケットでのバッツマンとは、アウトにならない限りは、延々とバッティングを行う権利はあるものの、アウトになってしまった場合は、2度と打席に入れなくなります

強力なバッツマンであれば、1人で50ラン、100ランと稼ぐことはよくありますが、早々にアウトで仕留めてしまえば、0ランで抑えることもあります。

前の試合では100ランだったのに、次の試合では6ランしか取れなかった…みたいなことは、クリケットではよく見られるものです。

国際試合などになると、インドのヴィラット・コーリ、オーストラリアのスティーヴ・スミス、パキスタンのババー・アザムなどの世界的なバッツマンは、調子が良ければ、1試合で100ランを稼ぐこともあるだけに、彼らのようなバッツマンを少ないランで仕留めることができたら、スタジアムは悲喜こもごもな雰囲気になるでしょう。

アウトは「ウィケット」と呼ばれる

クリケットでは、アウトを奪う(奪われる)と「ウィケット」と表示されます。ウィケットというのは、3本のスタンプと1本のベイルのセットのことを指しますが、別の意味でアウトを奪うと「Taking of a Wicket(ウィケットを取る)」と呼ばれています。

優れたボウラーには「ウィケットテイカー」など呼ばれることがあります。アウトを奪う(奪われる)際には、よく使われる言葉なので、注目してみると良いでしょう。

ここから先は

0字

¥ 500

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?