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【海外登山ネパール】 Naar Phu渓谷とアンナプルナ山域テント泊21日間の旅①
メラピーク以来、2年ぶりのネパールへ
昨年のラダック Kang Yatse 2 登山から帰宅後、次に登ってみたい山としてネパールのアンナプルナ山域にある Chulu Far East (6059m) の計画中。
2022年のメラピークでお世話になった山岳ガイドのパサンから「Naar Phu 渓谷内にある無名峰ピーク2に登ってみないか?」と連絡がありました。
確定していた計画もなかったこと、そして何よりも信頼するガイドであるパサンと一緒なら…と 無名峰ピーク2(6404m) への登山を即決。
昨年7月にラダックの Kang Yatse 2 を共に登頂した60歳になるピーターも参加してくれることになり、1年のトレーニング期間を経て2024年10月6日、2年ぶりのネパールへ。
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カトマンズにあるネパール最大の仏塔であり、
ユネスコ世界遺産に登録
この日は晴天で汗ばむほどの気温
懐かしい再会
いつものように、家からバスでヒースロー空港へ。
今回利用する Air India、ロンドン発デリー便が4時間の遅延に。
デリーからカトマンズへと乗り継ぎ便があり、乗り継ぎ時間にほとんど余裕がないということが判明。
祈るような気持ちで機内での8時間半を映画も観ずにソワソワと過ごすことに。
デリー空港への着陸があと20分とアナウンスがあった時点で時計を見ると、カトマンズへの乗り継ぎ時間は1時間少し…こういう時に限って私の座席は機内最後方の座席、後ろはトイレの壁。
この状況にいよいよ焦りが募り、客室乗務員に「ロンドン発の便が4時間遅れたために、カトマンズ便への乗り継ぎ時間にあまり余裕がないのですが、乗り継ぎ便も Air India なのでどうにか間に合うでしょうか?」
この「どうにか間に合うでしょうか?」という曖昧な質問をたどたどしい英語で焦りながらしている自分に「あぁ、こういう大事な時の英語力のなさよ…」と内心すこし落ち込みながら「大丈夫!間に合いますよ」という返事を期待しながらたずねました。
すると、「まず、無理ですね。間に合いません。遅い便を再度予約していただくか、今日はもうホテルに泊まって、明日の便で出発ということになりますね!」と満面の笑顔。
顔から血の気がサーッとひくのを感じながら、私は腹を括って、とりあえず急いで乗り換えゲートまで突っ走しろう!と心に決めました。
空港でよく見かける光景ー
モーレツに出発ゲート目指して走っている人を見るたびに「うわぁ、頑張って~」と他人事だったのが、自分がこうなるとは…とザックの重さとカトマンズ行きのゲートまでの遠さに気絶しそうになりながら猛烈ダッシュでギリギリ搭乗することができました。
カトマンズ空港では2年ぶりの再会となるパサンが迎えに来てくれており、前回もお世話になったカトマンズゲストハウスへ。
そこではスリランカ旅行からそのままネパールにひと足先に到着していたピーターと1年ぶりに再会。
ピーターは4月の日本旅行で買ったという浮世絵がプリントされたユニクロのTシャツを私に見せながら「これ、ええやろ!クールやろ」と興奮気味に言うと「スージー(私の呼び名です)、久しぶりやなぁ!元気そうやん」と言いながら再会を喜び合いました。
ピーク2(6404m)への登山許可が下りない!?
翌朝、私たちはパサンと共にネパール山岳協会へピーク2の登山許可証を受け取りに行くことになっていたのですが、事態が急転、なんとピーク2への許可が直前で許可されないと連絡が入りました。
未だに事の成り行きや詳細は完全には把握できていないのですが、「中央政府からは許可が下りていたが、地方政府(ピーク2が位置する地域を管轄する政府機関)から許可が下りなくなった」とのことでした。
急遽、ピーターと私そしてパサンは鞄から地図を取り出し、許可なしで登れる山でどこら辺りの山を登るかの話し合いとなりました。
方面としてはアンナプルナ山域へ。
Naar Phu 渓谷の奥、標高4080mの Phu まで行き、Naar を通過して Kang La 峠を越えマナンへのルート。
登山としては Kang La 峠近くにあるネパール山岳協会のトレーニング地にキャンプを設営して5000m峰をいくつか、その日の気分で私たちの登りたい山に登ろうということになりました。
1年前から6000m峰に登ることを念頭に準備をしてきたので、落胆しなかったと言えば嘘になりますが、私たちがコントロールできる事案ではないのだからと気持ちを早々に切り替え、全行程テント泊21日間の登山旅を楽しむことにしました。
明日からの登山に備え、ゴッドハンドの持ち主であるニルのマッサージ予約を急いでとり、カトマンズ滞在の際には毎回訪れているZEN SPAへ。
ニルと2年ぶりの再会を抱き合って喜び、「貴女の施術を受けるだけのために航空券払う価値があるなぁ。幸せ~」とマッサージ台の上で至福の1時間を過ごしました。
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いよいよ出発!
時差ボケで1時間ごとに目が覚め、4時に起床。
今回はピーターと私、山岳ガイドのパサン、料理を担ってくれるダンナッグ、キッチン助手兼ポーターのテンディとチェワン、ロバでの輸送を担ってくれるパスカルの7名と7頭のロバの一行となります。
初日はカトマンズからマイクロバスでベシサハールへ。
ネパールのお祭りであるダサインの真っ只中、カトマンズから地元に帰省する人々で渋滞につぐ渋滞…やっとベシサハールに着いた頃には、車酔いでふらふら、日もすっかり暮れていました。
ロッジでササッと夕食を済ませ、シャシャッと顔を洗い耳栓をしてベッドに倒れ込み、気がつくと朝になっていました。
翌日はダラパ二へ。
ここからは道路が悪路となるのでマイクロバスからジープに乗り換えて出発。
やっぱりこれはジープでないといかんわな…と思わず納得するような岩道や川を通り、命の危険を感じる崖っぷちを何度も対向車とすれ違い、なんとも生きた心地のしない5時間を経て、今日のキャンプ地であるダラパ二へ無事到着。
まずは荷物をジープから下ろしてテントを設営。
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ひと通りの設営が完了し、ほっと一息。
皆で椅子に座って辺りの山景色を愛でながらお茶を飲んでいた時です。ピーターが「あれってもしかして橋!?」と山の上のほうを見ながら指さします。
ピーターの指さす方を見ると、なんとなく山と山を繋いでいる細い線のようなものが空中に見えました。
そしてパサンが地元の人に情報収集に行ったところ、山の上にある村は Nachai という村で橋の高さ412m、長さ約1kmの東南アジアで4番目に高い橋(この部分については少し信憑性に欠けるかもしれません)だということがわかりました。
なんだか、見上げる距離からしてかなり険しい登りが想像できました。が、せっかくだから登ってみよう!
ピーター、パサン、私の3人はウキウキ遠足気分で出発しました。
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橋の下を覗いてしまう
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やっと橋を渡りきったと安堵の笑顔を浮かべる私。
顔を上げて前方を見ると…なんと、橋の出口ゲートには鍵がかかり、小さな伝言板に[こちらは通行止めです。引き返すように]と書かれています。
思わず「えーっ!」っと情けない声。
また引き返すって…コントみたいやなぁと3人で笑いながら来た道を引き返しました。
帰り道、村に1軒の小さなお店に寄って、「楽しかった今日という日に乾杯しよう!」とピーターがビールを奢ってくれることに。
ビールがあまり飲めない私はおちょこサイズのグラスにビールを注いでもらい乾杯。
初めて飲む‘ゴルカ’というネパールビール。
飲んだ瞬間、喉を通る炭酸がなんとも心地良く、疲れた身体に染み渡り、生まれて初めて「ビールって美味しいんだな」と2杯目をおかわりし、ふわふわした気分でてキャンプ地へと山を下って行きました。
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解体された羊の肉が
テント泊、初日で風邪を引きこんでしまうという失態…この日から咳と鼻水が止まらなくなるという事態に。
ゆっくりですが、[ごりまる母さん山登り]を綴っていきたいと思います。
宜しければこれから少しの間、お付き合いください。