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「在り方」にこだわったProcriar、理想と現実の間を痛感する苦い敗戦

・筆者:札野(#41)

・試合結果
Criacao Shinjuku Procriar 0(0-1,0-1)2 EDO ALL UNITED

・得点者
前半36分 EDO ALL UNITED
後半39分 EDO ALL UNITED

今節の相手は、現在8連勝で東京都1部首位を走るEDO ALL UNITED。
今季、目標に掲げた「関東リーグ昇格」を果たすために、行く末を占う大事な6月3連戦のうち、最難関の強敵に挑む。
EDO ALL UNITEDは、2020年に元サッカー日本代表で、現在も様々なイノベーションを起こしているシリアルアントレプレナー 本田圭佑氏が発起人として設立されたチーム。今節の会場名も「ZOZOPARK HONDA Football Area」と、完全なるアウェーに乗り込んだProcriar。

前節、1部で長年上位の成績を残し続けている強豪アローレ八王子を撃破し、暫定的に5位まで順位を上げたProcriarにとっては、昇格争いに食い込むためにも、なんとか一矢報いたい上位陣との直接対決だ。
そして、サッカー面だけではなく仕事や家族、友人、恋人など全てに101%以上の熱量を込めて日々向き合うことを大事にしているProcriarにとって「サッカー」を手段として、日々寄り添ってくださる方々へ豊かさと感動を届けるためにも、是が非でも勝ちたい試合である。

今節の試合前には、チーム随一のモチベーターである#17中山から今節にかける想いとその理由を募るチーム内企画が催された。
前々節では、その熱い想いをエンジンに3得点の大活躍を魅せた#17中山は、Criacao Shinjuku Procriarを語る上でピッチ内外ともに欠かせない選手の一人である。#17中山らしい熱の籠もった企画で、今節に懸ける各々の想いを伝え合い望む一戦。

強い浜風と小雨がピッチを濡らす中、第10節開始の笛がProcriarボールで吹かれた。

今節のスタメン

序盤は、お互いに相手の状況を探り合うかのようなオープンな展開が続く。Procriarは首位相手でも動じず、時間帯によって明確に試合の運び方を判断する1部リーグでの戦い方が板についてきた。

前半2分、#12公文のゴールキックを前線で身体を張り受けた#10奥野が、#7芥川に一度落とし再び前向きで受け、ファーストシュートを放つもクロスバーを大きく超えていった。
今季、まだ得点こそないものの玄人好みのプレーで、Procriarの攻撃を支える#10奥野の意気込みが見えるプレーだ。

自分よりもフィジカルで勝る相手にも決して屈しない#10奥野

前半16分、今度は#12公文が自陣ビルドアップで、フリーになり前線へ駆け上がった#20野沢をターゲットにロングフィードで攻撃の糸口を探る。そのロングフィードに反応した#10奥野、#7芥川、#5吉田がセカンドボールを回収し右サイドで攻撃を展開するも、高い身体能力と組織的な守備力でゴール前を固めるEDO ALL UNITEDの牙城を崩せない。

逆に、ゴールに迫るProcriarの縦パスをカットしたEDO ALL UNITEDは、攻撃に人数をかけていたProcriarへロングカウンターで追撃を開始。
プロの舞台や大学、高校年代のトップレベルで実力を磨いた強者揃いのEDO ALL UNITEDの攻撃は、一瞬で相手ゴールへ襲い掛かるスピードと迫力、そしてしっかりと獲物を仕留める決定力を誇る。

EDO ALL UNITEDのゴール前でボールを奪われた瞬間は、まだ数的有利を維持していたProcriarディフェンス陣だったが次の瞬間には、両サイドにEDO ALL UNITEDの選手が加勢し、あっという間に数的不利な状況でペナルティエリアに侵入を許す。

しかし#2近藤が最後に身体を投げ出しシュートをブロック。
前節の古巣アローレ戦でも見せた#2近藤の高い対人能力は、今節もProcriarの守備を支える。

Procriarの守備の要#2近藤

続く前半18分、立て続きのEDO ALL UNITEDの攻撃に耐えた#20野沢のクリアボールを、#17中山がハーフライン付近で拾い、反撃を仕掛ける。

ドリブルで前進する#17中山

果敢にゴールへドリブルで仕掛ける#17中山だったが、圧倒的な走力を誇るEDO ALL UNITEDの帰陣に遭い、ゴールまで運ばせてもらえずシャットアウト。チャンスが訪れても、一筋縄ではいかない東京都1部の厳しさを痛感するProcriar。個人の能力で劣る上位陣に対する攻撃時のクオリティを高めていくことが今後の課題として浮かび上がってくる。

両者譲らず一進一退の攻防が続く中、試合の流れを変えたのは前半36分のEDO ALL UNITEDのコーナーキック。インカーブでProcriar ディフェンス陣の届かないニアのスペースに蹴り込まれたボールに走り込んだ相手オフェンスが頭で合わせ、ファーサイドネットに流し込んだ。

0-1。Procriarにとっては痛い先制弾を浴び、前半を折り返す。


EDO ALL UNITEDのボールで始まった後半。前半と同様に、#10奥野、#7中山、#11本田が組織的な守備でボールを追いかける。この前線から守備の連携や奪いに行くタイミングなどは、直近数試合で急成長を見せチームを助けることが増えてきた。

抜群の得点力だけでなく、前線の守備でも存在感を見せる#11本田

後半17分、なんとしても攻勢に転じたいProcriarは#9鈴木を投入、立て続けに後半27分には#19戸部、#8小坂と攻撃的な選手をピッチに送る。特に、怪我による離脱から復帰した#9鈴木には、一層の期待が高まる。

怪我からの起死回生が期待される#9鈴木

ただ、前半とは異なった守備陣形で好調だったProcriarの右サイドからの崩しも封じられ始め、なかなか突破口が見つからない難しい展開に。

それでも、#6佐々木#14滝澤の鋭い予測と献身的な身体を張った守備で、幾度と襲い掛かってくるEDO ALL UNITEDの攻撃をシャットアウト。厳しい守備の時間を耐え忍ぶ。
今シーズンの彼らの守備的貢献は、数字では測れないが間違いなくチームの好調を支える要因の一つだ。

守備の要#6佐々木、#14滝澤

試合展開が硬直しつつ迎えた後半39分、相手GKのロングスローに抜け出した相手FWが速攻で、Procriarゴールに迫る。#6佐々木が数的不利の中、身体を張り相手FWの攻撃を阻止するも、ファールの判定となりEDO ALL UNITEDのフリーキックを与えてしまう。
今度は、ファーサイドに走り込んだ相手オフェンスがしっかり頭で捉え、ゴールに叩き込まれ、0-2に。
またしてもセットプレーでの失点を許したProcriar。厳しい展開に追い込まれる。

それでも諦めないProcriar。後半45分には、#19戸部が右サイドから突破し、なんとか前線へ運ぶ。そのこぼれ球を#5吉田から#8小坂へスルーパス。わずかにボールが伸び、相手ディフェンスにクリアされるがコーナーキックを獲得。おそらくこれがラストチャンス。
#18西川の左脚から放たれたボールは、弧を描いてEDO ALL UNITEDゴールへ迫る。そこに#6佐々木#10奥野が飛び込むが、わずかにタイミングが合わず枠に収めきれない。

最後まで、あと一歩ゴールへ及ばず、試合終了のホイッスル。
首位相手に、流れの中で失点はしていないものの決定力の違いを見せつけられる敗戦となった。

今節は、Procriarにとって自分達よりも強度が高く、活動の頻度が多いチームに対してどう対峙していくか、どう乗り越えていくかが問われる一節となった。
今季、Procriarの掲げるVISIONのうち
「サッカーと仕事に101%で向き合い・繋げる」「東京でNo.1のアマチュアサッカーチームになる」という面で、この問いは避けて通れない。
今シーズンも折り返しを過ぎ、ここから関東昇格を目指すその他強豪とのより熾烈な争いが続く。
改めて、日々の在り方や一瞬一瞬を大事にして「サッカーと仕事」に取り組むことが求められるなかで、今までよりも更に成長していかなければならない。


Criacao Shinjuku Procriarの挑戦は、続く。
「サッカーを通じて世の中に感動を創造し続ける存在」であり続けるために。



-Appendix-



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#CriacaoShinjukuProcriar



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