負けに不思議の負けなし。自分へベクトルを向け直して立ち上がろう。
・筆者:佐々木(#6)
・試合結果
Criacao Shinjuku Procriar 1(0-2,1-0)2 FC.BANDELIE
・試合経過
前半26分 FC.BANDELIE
前半30分 FC.BANDELIE
後半6分 得点(オウンゴール)
前節、開幕8連勝のEDO ALL UNITED相手に0-2と敗戦したプロクリアル。
セットプレー2発の失点であり、勝ちを拾えるチャンスがあったことが、自分達の心の底に慢心を生んでいたのかもしれない。
今節の相手は今季より1部へ昇格して来たFC.BANDELIE。開幕以来苦しい戦いが続いていたが、前節初勝利をあげ勢いに乗っているチームだ。
同じ昇格組として、関東昇格という目標の達成に向けて、負けられない一戦は終始難しいゲームとなった。
気温は35℃近く、WBGTも基準値ギリギリの30.9という数値のもと開催されたゲームは、ジリジリと両チームの体力を奪う。
立ち上がりから、相手の背後を果敢に狙うプロクリアル。今節負傷から4試合ぶりにスタメン復帰した#9鈴木を中心に、#11本田、#10奥野の両WGがチャンスを創り出す。
日頃のトレーニングの積み重ねから、走力という部分で相手を上回れるとの自負があったからこそ、攻撃の圧を強め続けた。
対するBANDELIEは、4-4-2のブロックを構築し、ライン間に侵入する縦パスや相手のミスを見逃さず、効果的なカウンターからシュートに繋げる。
最初に決定機を迎えたのはプロクリアル。
左サイドの高い位置で#18西川がボールを奪うと#5吉田とのワンツーからペナルティエリア内へ侵入。マイナスに届けたクロスは#11本田とは僅かに合わないもののこぼれ球を拾った#9鈴木が#7芥川へ優しく落とす、ゴール前の絶好機ではあったがシュートはミートせず枠の外へ。
一進一退の攻防が続き、先制点がどちらに転ぶかわからない状況の中、プロクリアルは自陣でのビルドアップを相手に良い形で奪われてカウンターを受ける。
一度はGKの#12公文がゴール前でセーブをするも、そのこぼれ球を拾われ、逆サイドのフリーな選手へ届けられると、あえなく失点。
嫌な時間帯に先制を許す格好となった。
4分後にも中盤で同じような形で奪われてカウンター。
この日はいつもの5バックではなく、4バックで臨んでいたプロクリアルは被カウンター時のリスク管理が整っておらず、両SBが高い位置を取るその背後を突かれる形となり2失点目。
1失点目、2失点目ともに、相手に前向きでのボール奪取を許し、カウンターの勢いを諸に受ける格好となってしまった。
暑さによる疲労か、それとも慢心か。いつもよりカウンター時の戻りも遅く、得意の全員が身体を張った守備が鳴りを潜めた。
それでも、今節久しぶりのスタメンとなった#19戸部と不動のボランチ#5吉田を中心にボールを動かそうとし続けるプロクリアル。
右SBの#20野沢が右サイドを何度も上下動し、クロスに繋げるもなかなか得点には結びつかない。
しかし、2点ビハインドからの焦りからか難易度の高いパスを選択し奪われる場面が目立つように。
BANDELIEは、より奪ってカウンターにシフトしカウンター時の圧力を強める。
互いにチャンスは創り出すものの、前半はそのまま終了。
「1点ずつ返していくしかないから、焦らずボールを動かして相手を揺さぶり続けよう」
「切り替えや球際など、当たり前のことを全力でやろう」
お互いがお互いに言い聞かせるかのようにハーフタイム時のベンチではそのような声掛けが続いた。
後半からプロクリアルは#14滝澤を投入し3-4-3へシステムを変更。
誰がどの相手を捕まえるのかの役割を明確にし、後半へ挑んだ。
後半もプロクリアルがボールを握り続ける展開となるが、決定機がなかなか生み出せず、時間だけがすぎていく。
ボールを相手のブロック前で回してるだけで、ブロックを崩すようなボールホルダーの仕掛けや、受け手のアクションが中々出せなかったことが要因か。
それでも、少しずつ相手を押し込み始めサイドからのクロスの数が増え始めた時間帯に待望の得点。
左サイドからのCKをショートで素早く始めた#11本田から受けたボールを、#6佐々木がゴールに向かうようなクロス。
相手が処理を誤りオウンゴールという形で得点が入る。
相手の切替が止まった瞬間を見逃さなかったナイスプレーにより一点差に迫るプロクリアルは追加点を果敢に狙う。
#17中山、#8小坂、#15三重野を次々と投入し、攻撃の圧を高める。
時折カウンターを受けるも、#2近藤、#14滝澤、#6佐々木の3CBがゴール前を固めチャンスを創らせない。
刻一刻とタイムアップの笛が近づく中で、誰1人として諦めずに走り続けるプロクリアル。
しかし、ギアを上げるのが遅すぎたか。
チャンスは生み出すものの、クロスバーや相手の好守により同点弾を奪えずタイムアップ。今季初の連敗を喫する形となった。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
プロ野球の野村克也元監督の名言を表すような結果。
6月の上位陣との対決は思わぬ大勝やギリギリの勝ちを拾えたことで自信に繋がっていたかに見えていた。勝ちが続いた時に、ディティールにどれだけ拘れていただろうか。慢心はなかったか?なんとなくトレーニングを積み重ねてはいなかったか?どこか受け身の日々を過ごしていなかっただろうか?
我々は、日々の過程にとことん拘る組織を目指しているはずだ。
本気で、自分たちが言う“101%”でこの1戦に臨めていたのだろうか。
今シーズン初の2連敗。
今、我々がどう在るべきか、個人としてどう在りたいかが問われている。
ここでの立ち振る舞いが今シーズンを左右すると言っても過言ではない。
前を向いて、顔を上げて、ここから一歩ずつ積み上げていくしかない。
できることをとことん伸ばし、できないことを改善していく。そこから目を背けない。楽をしない。結果を出したいなら、それを続けるしかない。
リーグ戦17節のうち10試合を消化した。
残り7試合。全て全力で勝ちに行く。
そのための準備をする。
筆者としても、もっとチームを引っ張らないといけないと感じた試合だった。
もっと圧倒的なパフォーマンスをしなくてはならないし、周りをもっと巻き込んで勝ちに執着する組織を創らないといけない。
今一度、自分自身にベクトルを向け直してやり続けなければならない。
“過程”に拘るからこそ、“結果”が重要なことはチームの全員が認識している。
この敗戦をきっかけに、チームが上昇気流に乗った。
そんな振り返りをシーズン後にできるように、今日からまた日々と全力で向き合って、自分と仲間の可能性を信じて突き進もう。