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ゼロイチ法務 Volume8
今回は、組織にまつわる法律です!
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「人を雇う」とは?
後ほど整理しますが、一般に、人を雇うとは、社員として働く形態、派遣として働く形態、アルバイトとして働く形態、業務委託として働く形態など様々な形態を一括りに話されています。
一方、法律上、人を「雇う」とは、労働契約(雇用契約)を締結することを指します。これが意味するところは、会社が個人が労働契約を締結する場合には、労働基準法、労働契約法その他の労働関連法規による規制が適用されます。
どのような形態で人を雇うかで、法律上規制内容が変わってくるので注意が必要です!
人を組織に迎え入れるパターン
ここからは、人を組織に迎え入れるパターンを以下に整理しました。
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大きく、労働関連法制が適用される領域と、民法などのその他規制が適用される領域があります。
労働関連法制が適用される領域であれば、種々の規制に抵触しないよう留意する必要が出てきます。
契約社員の利用
会社の初期段階においては、どんな人が組織にマッチするかわかりませんし、活躍してくれるかもわかりません。また、一度雇用契約を締結してしまうと、日本の労働法制ではすぐに辞めてもらうことも難しいのが現状です。したがって、いきなり期間の定めのないフルタイム正社員として雇入れを行うことは避けるべきかと思います。そんな時には、契約社員として、有期での労働契約という方法があります。
但し、契約社員の場合は、就労期間内での解雇などが困難であるため、契約期間の設計には留意が必要です。また、通常、契約社員の場合で、何度も更新を続けており、無期契約と同様の地位になっている場合には、無期契約に転換してしまう可能性があります。
業務委託の利用
また、社員として労働契約を締結し、雇用という形態で働いてもらう場合には、前述の通り労働法制などの規制を受けてしまいます。もっとも、会社が有する指揮命令権などが重要ではなく一定自律的に働いてもらう場合には、あえて雇用という洗濯を取らずとも、業務委託などの形態で迎え入れることも検討の余地があります。
なお、形式的には、業務委託契約を締結した場合であっても、その実態からして、労働契約であると判断されてしまうと、結局労働法制の適用を受けてしまうので注意が必要です。労働法制は労働者の保護を図っているので、労働法制の適用を受けない業務委託を利用してその規制をかいくぐることは妥当ではないということになります。
まとめ
今日は、人を組織に迎え入れる際の形態をまとめました。巷で言われている名称が必ずしも法律上正しく使われていない感覚がありますが、きちんと認識した上で活用してきましょう。
過去のログ
ゼロイチからアーリーのための法 Volume1|Takahiro Matsunaga
ゼロイチのための法律の教科書Volume2|Takahiro Matsunaga
Takahiro Matsunaga - ゼロイチのための法律の教科書Volume3
ゼロイチ法務 Volume4|Takahiro Matsunaga
ゼロイチ法務 Volume5|Takahiro Matsunaga
ゼロイチ法務 Volume6|Takahiro Matsunaga
ゼロイチ法務 Volume7|Takhiaro Matsunaga
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なお、永遠のアップデート版なので、今後の実践や、気づきによって適宜加筆修正をしていく予定です!
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