あれから二年 #4
火災保険は、家を購入した時、銀行の担当さんに勧められるがままに大手の会社の保険に加入した。
近くの代理店に行って手続きをして、そのときの受付の方がすごく陽気だった。
「この保険ね~、ちょっと金額高いけど、幅広いトラブルに対応してるから。入っておいて絶対後悔しないよ。あ!でもね、テポドンとかのミサイルだけは対応してないんだけどね。」
と言いながら、花梨のホットティーを出してくれたのを覚えている。
被災した翌日、何度も代理店に電話をしてもつながらず、店まで行ったけれどやっておらず。
二日目も、電話はつながらず。
どうしようかな~困った。
なんとなく銀行の担当さんに電話してみることに。
「保険屋さん、今、電話がパンクしてるみたいなんですよ。明日あたりお店を開けるって言ってました。私のほうからも、連絡してもらうよう言ってみますね」
と言われ、お!なんかラッキーかも?と思ってた。
電話を切ってから思ったのは。
もうわからないことは、周りに聞こう。恥ずかしくない。助けてほしいって、素直に言おう。
そう決めたら、なんか気持ちが楽になって、爽快になったのでした。
その電話の翌日。
代理店に行ったら、受付にはあの陽気な方がいて。
「たくさんの方から問い合わせがあったり、来てくれるんだけどパンクしちゃって・・・。あなたも大変だったね」
と、私の額の汗を見て、代理店の名前が入ったタオルをいただきました。
ひとまず、駐車場に散乱したリアガラスの破片を掃除していいか
今後の手続きの仕方について、を聞くことに。
「上に電話してみるわね。ボスがいるから」
ボス??
太陽にほえろみたいな渋い方なのかな・・・
葉巻とか吸うのかな??怖い人かな?
頭のなかは、ボスの想像。
「ボスがね、駐車場は掃除していいって。あと、今後についてはボスから説明したいから、あとで電話しますっていうから、電話番号教えて?」
電話番号を伝えてから、陽気な方に
必ず電話してくれますか?って聞いたら、もちろん!ボスは有言実行な人だから大丈夫。安心してね。
なんか元気になった。
あの陽気な方といたら、毎日楽しいかもな~
と思いながら帰宅してすぐ、電話がきた。
ボスだった。
張りのある若い声で、明るいトーンだった。
「お店からの帰りですか?すみません。かけなおしましょうか?」
いえ、もう帰宅しました。
それからお話した時の対応は、とても丁寧で親切で
あ~、この保険会社で良かった。って安心できたのでした。