あれから二年。#2
「俺の家にお前の友達をよぶなーーーー!!!」
・・・なんだろう、これ。
なんかすっごい違和感。
いつもの義父と違って、目が座っていて、顔つきがきつい。
それにこの家は、夫と私が買った家。
義父が帰ってくる家だけど、義父の家じゃない。業者さんは友達じゃないし。
おかしいよ。
私の頭のなかは、警報ブザーが鳴り響いて、目の前真っ白になっていた。
どうする?
病院?精神科?連れていく??
いや、今じゃない。
アタマガマワラナイ。
・・・電気の業者さんが玄関先にいて、家に入ってこようとしたので、私はサンダルを履いて玄関のドアを開けた。
義父は自室にこもってしばらく出てこなかった。
「天井、だいぶ水が入って弱くなってますね。風通しよくして、乾燥させてから通電させたほうがいいです。リビングの電気だけはブレーカーを落としておいたほうがいいです」
そんなアドバイスもしっかり聞けないほどに、私は弱ってしまっていた。
(このタイミングで。一気に認知症が入って進んでしまったら。マジで私、過労死しちゃう)
次のシーリング電気を設置するための配線を繋げなおしてもらっているのをボーっと眺めながら考えていました。
・・・
火災保険は、何度も担当さんと話し合いをして疑問点や不安なところを聞いて、直しにかかった費用をすべて負担してもらえることになりました。
担当さんは自宅が被災したけれど後回しにして、ほぼ寝ていない状態で毎日対応していると言っていて、日ごとに疲れが追い打ちをかけるように目に見えてわかるようになってきました。
なるべく早く終わらせたい。
だけど、早く終わらせて、あとあと修理する箇所が増えてしまったら。
金額が見積もりより増えてしまったら、というのもあって、現状でわかるところだけ書類を作成し、様子を見ることにした。
二階で書類を作成しようと階段をのぼっていたら。
夫が義父に声を荒げはじめた。
あわてて降りていって話を聞くと、
「この家は俺の家だ。勝手なことするな」と言ったと。
そして、私のことも悪く言ったと。
人の苦労も知らないで、偉そうなことをいうな!ここは親父が買った家じゃない!
夫が怒りを義父にぶつけていた。
あぁだめだ。もうだれか助けてほしい・・・
私は仕事が多忙を極めていて疲れているうえに、書類作成のための情報収集をしたり、罹災証明の手続き、火災保険の手続き、屋根を直してくれる業者さんとの話し合い、車の直しでディーラーとの話し合い、残暑がきつくて眠れない毎日
そこに義父の件。
夫にも半分くらいは協力してもらいたかったけれど、
なにより義父の様子がおかしいことを少しは知っていたのなら、義父と話をしてどうしたらいいか、少しくらい解決する道を作ってほしかった。
疲れている。仕事が忙しいと言って、この当時は聞く耳がなかった。