塔ノ岳から 息をのむほど美しい富士山
雪が深くて思ったよりも年寄りには応えた塔ノ岳での新年会登山。
登った日はガスがかかりさっぱりの景色、ただのしゃぶしゃぶ飲み会でした。けれども小屋のおやじさんも「俺が小屋番やり始めたころから毎年のご常連だからねゆっくりしていって。」なんていわれると、酒を飲んで夜景のことなど忘れて過ごしてしまいました。
翌日も目が覚めて窓を見ると真っ白。
今日もダメか、凍った雪の中を下るだけか、などとテンションが下がっていました。
朝食の用意をしながらふと窓を見ると西側はガスが抜けて富士山が見えています。慌ててスマホを持って小屋を出ました。
日の出まで20分はあるので、このままガスが湧かずにいると日の出で色がピンク色になると期待していたのですが、やはりガスが湧き出し、見えなくなりました。
10分ほどでコーヒーとクロワッサン、アップルパイを食べて日の出数分前に再び小屋を出て日の出を待っていました。
気温はマイナス5℃、何も見えないとただただ寒いばかりです。
ところが日の出の2分ほど前に再びガスが薄くなって富士山が現れました。
素晴らしいことに東の空もガスが抜けて日の出を見ることができました。
日の出を拝みながら写真などを撮って、再び西側を振り返ると、しっかりと富士山が見えているではないですか。
息をのむ美しさです。
さらによく見ると右側に南アルプスの3000m峰がずらりと並んでいることにも気づき、驚きの景色となりました。
聖岳から北岳までほぼほぼ見えます。真っ白です。
塔ノ岳の下にあるユーシン渓谷も真っ白で雪が残ったままです。
ガスと雲海と富士山、南アルプス、滅多に見られません。
徐々にガスが薄くなり、西の方向はかなりクリアになってきました。
丹沢の最高峰蛭ヶ岳もしっかりと見えています。
そしてうっすらと八ヶ岳も見えています。
ガスが湧いていなければ富士山の真下に山中湖がきれいに見えるはずですが、さすがに見えません。けれどもむしろ見えない方が美しいようにも見えますね。
富士山って本当に美しいですね。
富士山好きにはたまらない景色となりました。
さて十分に景色を堪能したのちは下山です。小屋から荷物を引き上げて下山準備。再びアイゼンを装着し、最後に富士山をもう一度眺めました。
ピンク色に染まっていた富士山はすっかりと白色に変わっていました。
宙に浮かんだように見え、これもまた美しい。
今回の雪は30年以上毎年忘年会や新年会で登っている中でも最大量の積雪だったと思います。
おまけにガスが湧いて東京の夜景が見えないで飲み食いだけでしたが、朝のわずかな時間だけの絶景に満足しました。
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