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働けなくなったときの保障と保険

就業不能保険を勧められてふと思い出したのでまとめる。

就業不能保険は人気商品のため、高額なプランを売りつけられることも多々ある。そこでまず必要保障額を知り、いくらの保険に入るのが適正なのかを考えてみる。

健康保険の傷病手当金

これは会社員の特権。国民健康保険には無い制度。健康保険の被保険者のみが対象で、病気やケガで休業している場合に最大1年6か月までお金がもらえる。

入院は必須ではなく、医師の指示により自宅療養する場合も対象。

また、無課税である。

傷病手当金の支給を受けるには

  • 申請は事業主(会社)が行う

  • 申請書類は以下の書類を毎月提出する必要がある

    • 支給申請書(被保険者)

    • 支給申請書(事業主)

    • 医師の意見書

退職中から傷病手当金を受給していた場合、退職後も受給継続できる場合がある。受給開始せずに退職してしまうと受給できなくなるので注意。

連続して3日以上休業(有給休暇、公休日も含む)した後、休業4日目から給付される。

傷病手当金はいくらもらえるのか

支給開始日の属する月以前の直近12か月の標準報酬月額の平均が32万円(月収30万円)の場合、1日あたりの支給額は、

320,000 ÷ 30 = 10,670 (10円未満四捨五入)
10,670 × $${2 \over 3}$$ = 7,113 (1円未満四捨五入)

傷病手当金支給額の算出式

ここから月収を逆算する。31日ある月の場合、

7,113 × 31 = 220,503

ある1か月の傷病手当金

ここから住民税(約2万円?)と社会保険料(約5万円?)を控除すると、1か月の収入は約15万円となった。

なお、1年6か月経過後は障害年金が制度として利用できる場合がある。

健康保険の高額療養費制度

1か月あたりの支払った医療費が自己負担限度額を超えた場合、超えた分が払い戻しされる制度である。対象は健康保険の範囲内に限られる(入院時の食事代、差額ベッド代、先進医療などは適用外)。

自己負担限度額は、80,100円 + (総医療費 − 267,000円) × 1%

70歳未満、標準報酬月額28万円以上53万円未満の場合

総医療費 = 300,000円 ÷ 3% = 1,000,000円
自己負担限度額 = 80,100円 + (1,000,000円 - 267,000円) × 1% = 87,430円
払戻額 = 300,000円 - 87,430円 = 212,570円

窓口で支払った金額が30万円(3割負担)の場合

がんで入院した場合も当然対象だが、保険適用外の先進医療費用は対象外。

就業不能保険による必要保障額の算出

生活費から傷病手当金15万円を引いた金額が、そのまま必要保障額である。
一般的には10万円のプランで十分といったところか。

就業不能保険は、商品によっては入院が条件であったり、精神疾患は対象外あるいは保険料が高額になるなどの特徴を持つものが多いため、約款やパンフレットをよく読んで自分にピッタリの保険を見つけ出す必要がある。

まとめ

  • 病気やケガを理由に会社を退職してはいけない

  • 保険の目的はリスクヘッジであり、まず必要保障額を明らかにし、それを充足するようにプランニングするのが原則である

  • 保障額が過大でないか、保険加入自体が目的になっていないか留意する必要がある

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