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No.10 馬場亮河さん ~余白の可能性を探るまちづくり~

今回取材したのは、大学で持続可能なまちづくりを研究している馬場亮河さん。クリネクション副代表城田空がzoomで話を聞きました。

クリネクションはFacebookでまちづくり・地域活性情報共有グループという若者向のグループを運営しています。馬場さんはこのグループにまちづくりの活動の投稿をして下さり、今回の取材が決まりました。

馬場さんは大学の研究室と提携している山梨県富士吉田市で持続可能なまちづくりを研究してます。

まちづくりを研究するこになったきっかけや大学での研究、これからの発展など馬場さんなりのまちづくりの考え方について話をきくことが出来ました。

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きっかけ

城田:そもそも、まちづくりの活動を始めたきっかけは何だったんでしょうか?

馬場さん:高校生の頃、ベトナムに留学にボランティアをやっていて、政府のODAの現場を目の当たりにしたんです。その時に「支援する側とされる側の気持ち悪さ」を感じたのがきかっけで、

城田:「気持ち悪さ」というと?

馬場さん:自分たちが支援に行った時、現地の人の生活を見て、自分達の方が不足してるなって思ったんですよね。

城田:不足というと、具体的にはどんな内容ですかね?

馬場さん:それはたぶん豊かさとかだと思うんですけど、
もちろん、僕らの方がいいものを食べていい服を着てるんですけど。彼らには、伝統や家族、働き方っていう意味で生活の質が自分達より長けている気がして。
その時に「地域性」って面白いって感じて、人間の根底・本質は生活にあって、その生活を形成しているのが地域性・コミュニティだって思ったから今地域のことを研究しています。

城田:なるほど、なるほど。
きっかけは海外だったけど、今、あえて日本を選んで研究しているじゃないですか、それは先程言っていた「不足」を補うっていう意味合いが強いんですかね?

馬場さん:そうですね、補うというよりかは日本にポテンシャルを感じてるんですよね。日本の地方って面白いなって思ってて。
例えばご当地とかっていう文化があるじゃないですか。そういう魅力的な文化があるのに、なぜ今東京一極集中になっちゃってるのか、なぜ人は東京に行きたがるのか、それって全然持続可能じゃなくない?っていう色んな気持ちが重なって、日本の地方は今後復興する余地がある、余白があるって思って、この「余白の面白さ」に惹かれました。

城田:「余白の面白さ」、いいっすね。余白っていうこれから何か描いて、創造できる感じがいいですね。

今の活動

城田:今って具体的にどんな活動してるんでしょうか?
まちづくりを始めたきっかけになったコミュニティや文化面の研究ってどのようなものなんですかね?大学の研究室の富士吉田市の活動を教えて欲しいです。

馬場さん:そうですね。まだ、仮定段階なんですけど、文化面で言ったら富士吉田ってアートをする上でアトリエのようなものだと思っていて、それをもとにアートキャンプっていうイベントを地域のゲストハウスと提携して行ったりしています。そこで富士吉田のレトロさ、豊かさを活用してくれるアーティストを呼び込む活動をしています。

城田:なるほど。そこでさっきの余白と繋がるんですね。

馬場さん:それで、アートって分野にも持続可能だったり、まちづくりっていう事を考えるアーティストがいても面白いなって思ってて、開催したのが「creative city camp」です。

城田:まちづくり・地域活性情報共有グループ投稿して下さったイベントですね。それってどんな事をするイベントなんですか?

馬場さん:「fab cafe Tokyo」さんと一緒に行ったイベントなんですけど、このfabっていうのがテックというか「デザイン」をかなり積極的に取り入れていて、持続可能なまちづくりを考える上で大事な概念だと思ったのでイベントに取り入れました。このfabの概念を通して、これからの「まち」についてざっくばらんに話合うイベントです。

城田:面白そうですね、ちなみに前回のイベントはどんなイベントだったんですか?

馬場さん:前回は面白くて、自然系、環境に熱い研究者とテック系の研究者を集めてイベントを行ったんですけど。
それぞれが「スローシティ」と「スマートシティ」っていうまちづくりの考え方があって、どっちも言い分としては通っているんでけど、結局どっちがいいのってなった時に色々考えさせられる会だったんです。

城田:いやー、面白い!面白いですね。一見真反対の考え方同士をぶつけられる場所ってそうそうないですからね。

馬場さん:そういった、化学反応が起きるような場を作れたらって思ってます。

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今後の活動

城田:いいですね、そうなると今後の活動の目標みたいのってあったりしますか?

馬場さん:「creative city camp」のように議論する場は大切だけれども、それだけで終わっちゃうという思いを持っていて。何かやっていこう、実験していこうという思いから「park project」っていうのを企画していて富士吉田で行おうと思ってます。
内容としてまちに緑を作るというもので、こういう活動ってどこでもやってるんですけど、富士吉田でやることにどれだけの付加価値を付けることが出来るかというのを考えてまして。

城田:なるほど!確かに緑をテーマにしたまちづくりは良く聞きますもんね。ちなみに付加価値っていうのはどういった方法で付けていこうと考えてますか?

馬場さん:よりローカルにやりたいなって思っていて、それこそ商店街の事業者さんと一緒に議論しながら公園を作って行きたいです。その過程で富士吉田の素晴らしさに気付いてもうようなものにしたいと思ってます。

城田:その気付いてもらうっていうのは内側の人、富士吉田の人にってことですか?

馬場さん:そうですね、これってすごい事じゃんっていうのを富士吉田の人に気付いてもらいたいですね。

城田:やっぱりそうですよね。この前取材した五島の高校生も方向性は違いましたけど内側に向けての発信をしていて、まちづくりにおいて地域の良さを外に発信する以上に内に発信する方が大切な場合って結構多いですよね。

馬場さん:だから、どうしたら地域の人を巻き込んで堅苦しくなく楽しい感じでプロジェクトが行えるかを考えている段階ですね。

城田:なるほど、そのプロジェクト成功したらまた面白い化学反応が起きそうですね。イベントを行う時はぜひ取材させて下さい。

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この記事を書いた人・取材した人

城田 空(しろたそら)福島県いわき市出身、神奈川県横浜市在住。クリネクション副代表。趣味はボードゲームやカードゲームなど。「人と人を繋ぐソフト面でのまちづくり」を勉強中。将来は東北でまちづくりの仕事をしたいと考えている。

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