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No.24 学生団体phrase -地域と若者を結ぶ焼津の魅力が詰まったカフェ-

0.はじめに

こんにちは!CRENECTIONの葛岡えりかです。今回取材させていただいたのは静岡県の焼津で活動されている学生団体phraseの柴田真奈さんと河井未優さんです。
学生団体phraseは「焼津駅周辺に老若男女みんなが集える空間を作りたい」という思いから2018年に発足しました。焼津駅北口に地域の人同士の交流や地域の情報交換の場としての機能を持つコミュニティカフェ「むすびcafe」を運営しています。現在の所属人数は5人で週に一度むすびcafeを営業しています。


1. phraseが活動を始めたきっかけ

学生団体phrase創立メンバーの一人が「焼津駅前には居酒屋はあるのにカフェがない!」と感じ、メンバーにカフェの営業を提案し、活動をはじめました。カフェを開きたいと思い場所を探している時に、現在の大家さんが場所を提供してくださり、むすびcafeをオープンしました。創立メンバーの先輩方は既に卒業されており、団体メンバーは2023年の4月で第5期を迎えられました。

2. むすびcafeの運営について

毎週土曜日の11時から15時にむすびcafeを開き、団体メンバーが2~3人でお店を営業されています。月末には団体メンバー全員が集まってロングミーティングを行っており、この時に期間限定メニューのおむすびやデザート、味噌汁などを考えているそうです。また、phraseさんが活動している中で感じるむすびcafeの特色についてお聞きしました。

河井さん:
普通の飲食店と違ってお客様との距離が近いと思います。料理を提供するだけではなくてお客様とのコミュニケーションを大切にしているので、意識してお客様に話しかけています。

お話しすることで地元の方とのつながりができたり、地域の情報を得ることができたりするそうです。また、phraseさんとお客様のコミュニケーションは会話だけではなく、文字でも行なわれていました。むすびcafeの各テーブルには「ご来店いただきありがとうございます!」というメッセージが書かれたノートが置かれています。メッセージは毎回お店を開くときに書いており、これにお返事を書いてくれるお客様もいらっしゃるそうです。


お客様からのメッセージ

3. 地域のイベントへの参加

河井さん:新型コロナウイルスが流行するまでは焼津でイベントがあって、そこに出店していたみたいなのですが、私たちは新型コロナ流行後に入ってきたので参加したことは無いです。

2019年は『シンシア春の朝市』という飲食や雑貨等の店舗が集まる商店街のイベントに参加されていたそうです。地域のイベント以外に学祭にも参加しており、おむすびやちぢみボールを販売していました。これらのような地域と関わるイベントに参加したことで、地域とのつながりができ、地元の方が常連としてお店に来てくださるそうです。

4. 地域の方との交流

phraseが行なっている他団体とのコラボや地域の方との交流についてお聞きしました。

河井さん:私たちは焼津で活動されているめぐみ珈琲ラボ様とコラボしています。めぐみ珈琲ラボ様からはコーヒー豆の提供をしてもらっていて、コーヒーの淹れ方も教えていただきました。現在はオリジナルブレンドで酸味を抑えた『おむすびに合うコーヒー』の提供を行なっています。

『おむすびに合うコーヒー』はめぐみ珈琲ラボ様の久保山さんからの提案で実現したものです。久保山さんのコーヒーとおむすびを飲食して、おむすびに合うコーヒーのイメージを考え、それを元に久保山さんがご用意してくださった3種類のブレンドからメンバーが1番良いものを選びました。また、むすびcafeは焼津の素材にこだわったメニューを提供しています。おかかおむすびに使われているおかかは地元焼津のカツオを削って提供しています。お茶は、むすびcafeの近所にあるお茶屋の山いち様からいただいたものを使用していて、多くのお客様から美味しいと言っていただけるそうです。


『おむすびに合うコーヒー』

5. 学生だけでお店を運営することの難しさ

phraseさんの活動の特徴はむすびcafeの経営を学生のみで行なっているという点です。そのため、学生だけでお店を営業するにあたって難しいことや気をつけていることなどをお聞きしました。

河井さん:メニューの価格を自分たちで設定するときにお店の利益を考えなければならないので、それが難しいです。店の利益を考えて価格を考えているのですが、親に「高くない?」と言われてしまったこともあります。個人的にはお店の広報(宣伝)も難しいと感じています。地元の人でもむすびcafeを知らないという人はいるので、そのような方々にお店のことを知ってもらうにはどうすればいいのかなと思っています。特にお年寄りの方はInstagramをやられていないので、お年寄りの方にも届くような宣伝方法がないか考えています。

メニューの価格設定のお話を聞いていて、お店の利益を考えて経営することの難しさを感じました。また、お店の広報について私はお店の知名度を上げるためにはSNSが最も有効な手段だと考えていたので、「SNSを使用しない層にはどのように広報したらいいか」という河井さんの意見が印象に残りました。

6. コロナ渦での活動

phraseさんの活動は飲食が軸になっているため、新型コロナが流行したことで活動の幅が狭まってしまった時期があったそうです。

河井さん:私たちが通っている大学が感染のレベルによる基準を設けているので、感染が拡大していた時期は営業停止になったりテイクアウトのみの販売になったりすることがありました。

新型コロナの流行で様々な業種が打撃を受けましたが、phraseさんのお話を聞いていて、飲食店は特にその影響を受けていると感じました。お店を営業できない、地域のイベントに参加できないなどphraseさんの活動の障害となってしまっていた新型コロナですが、感染が収束したらぜひ、活動の幅を広げていってほしいです!

7. 今後取り組んでみたいこと

河井さん:むすびcafeがコミュニティカフェなので、その部分を活かして地域の人とおむすびを結んでお話しできるようなイベントを開いてみたいです。

柴田さん:お店に来ているお客様同士が会話できるような雰囲気のお店にしていきたいです。お客様とお話しするときにどうしても“お客様と私たち”という構図になってしまうので、お客様同士がお話しすることが無いんです。ですが、私はみんなでお話しする方が楽しいと思うので、お客様同士が会話しやすい空間を作りたいです。

phraseさんの活動はかなり新型コロナの影響を受けていたので、新型コロナ収束後は河井さんのおっしゃっていた「おむすびを結ぶイベント」を是非実施してphraseさんと地域の人とのつながりを増やしていってほしいです。また、柴田さんの「お客様同士がお話ししやすい雰囲気作り」はとても素晴らしいと思います。コロナ禍によって人と人とのつながりが希薄になってしまったからこそ、地元の方が交流をするコミュニティカフェという特色を活かすことができると感じました。


8. 最後に

 今回、phraseさんを取材しようと思った理由は二つあります。一つ目は、私がアルバイトをしているお店とphraseさんが運営されているむすびcafeに「地域」「おむすび」という共通点があったことです。私がアルバイトをしているお店は「地元の方とのつながり」や「地域の振興」がコンセプトになっているため、むすびcafeの「地域の方の交流の場としてのお店」という特徴にとても興味を持ちました。二つ目は、お店を学生団体で運営しているという点です。地域活性に取り組む学生や学生団体は多いですが、私は飲食店を経営しているという学生団体は珍しいと感じました。そこで、phraseさんの活動や地域との関わりなどについてお話を聞いてみたいと思い、取材させていただきました。phraseさんのお客様との関わり方やめぐみ珈琲ラボ様とのコラボのお話を聞いている中で、phraseさんの活動が地元の方との「つながり」を大切にしていると感じました。地域活性には様々な視点がありますが、私は特定の地域に寄り添った活動を経験したことがなかったのでphraseさんの"地域の方と深く関わる"活動が興味深く、私自身にとって刺激になりました。phraseさんのこれからの活動に期待しております!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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