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~番外編No.9~ 大田区の魅力を探り、再開発を導く若者ならではの発想力 -大田区若者会議-

はじめに
 日本青年館note学生記者の池田です。今回は日本青年館が主催する「首都圏まちづくり若者サミット」で登壇して頂いた大田区若者会議の方々に取材させて頂きました。
【話し手】
宮﨑 一慎さん
吉川 智也さん
【聞き手】
池田明日香(学生団体CRENECTION)

 大田区若者会議とは若者視点でのまちづくり・地域の活性化を目的として活動されている団体です。大田区に縁ある29歳以下で構成されています。大田区は23区で『面積1位』『小売店数2位』『人口3位』であるという特徴を持つ地域です。羽田空港も有する屈指の都市でありながら、魅力が伝わっていないという現状があるそうです。大田区若者会議の皆様は大田区のPRや各種プロジェクトに取り組み、大田区の魅力を日々発信されています。

活動について

→活動ではどのような取り組みをされていますか?
 大田区のPRプロジェクトをメインに活動しています。最近では例えば野菜マルシェを開きました。大田区の活性化につながる様な盛り上がるプロジェクトを行っています。
→どのような目的を持って活動しているのですか?
 大田区には経済圏や商業圏が整っているにも関わらず、そのポテンシャルを活かしきれていないことへの歯痒さを感じていることが理由です。他の地域にあるような若者会議や若者主体の団体がなかったため団体を設立しようと決めました。
 羽田空港から来たお客さんを都心だけに行かせてしまうのではなく大田区にも滞在してほしいと思っています。実は大田区は銭湯の数が23区で1位なんです!近年の銭湯ブームに乗っかって訪れてくれる人が増えたら嬉しいです。大田区は他の区に比べて遊ぶところが少ないことが課題だと思います。また、あまりよいイメージを持たれていないこともあるのでそのようなイメージを払拭したいです。

設立の背景

→どのように活動を始めましたか?
 2022年6月から活動していて設立当初はメンバー0人から始めました。現在は20人のメンバーで活動しています。大田区への想いを持っている子を集めました。なにか一つの目的に絞るのではなく大田区活性のためになにかしたい!という気持ちを軸にSNSなどでメンバーを探しました。私はたまたま大田区に引越しをしてそこで大田区にハマりました。大田区は家賃が比較的安いことも魅力の一つです。アクセスが良いのはもちろんのこと(横浜や川崎が近いです)、新幹線や飛行機にもすぐに乗れてしまうのが魅力的ですね。住んでみてたくさんの魅力に気付かされました。
→他の人からまだ知られていない魅力はありますか?
 人がめちゃくちゃ良いことですかね。下町ならではの良い雰囲気があります。
→行政との関わりにはどのようなものがありますか?
 全面バックアップという形ではないので行政との関わりはまだ薄いかもしれません。団体の信頼度や資金面、提案したプロジェクトの通りやすさなど課題はあると感じています。特に現在私たちは新空港線(蒲蒲線)の開通による大田区再開発の中心世代にいます。どんなまちにしていきたいかといったアイデアを積極的に出して市民と行政の中間の役割を担えることが理想です。

若者から見た大田区の課題

→どのような課題があると感じていますか?
 課題としてはファミリー層が出ていってしまうことで子供が少なくなっていることが挙げられます。一度他の地域にいってしまうと大田区に戻ってこない人が多いことも課題です。また、ふるさと納税の返礼品についても改善できる部分があるのではないかと考えています。遊ぶところが少ないと感じている若者も多いので複合型商業施設の建設も提案したいです。これからのまちづくりには「柔軟性」が重要であると感じています。これからの話になりますが私たちは区長選が大田区にとって転換期になるのではないかと思っています。新空港線ができたり、コロナ明けのインバウンドへの期待、多摩川スカイブリッジができたことによって他の地域の経済圏と一体になる可能性もあります。大田区民のモチベーションも上がっており期待が高まります。大田区の振興に必要な条件が全て揃っているチャンスを活かせるように様々な施策を考えたいです。

SNS発信での2つの意識

→SNS発信で意識していることは何ですか?
 大きく分けて2つの意識をもって発信しています。
 1つ目は大田区のPRとして写真などをInstagramTwitterにあげて発信しています。これは大田区の沢山のいいところをより多くの人に知ってほしいという願いを込めてプラス面での拡散として捉えています。
 2つ目は大田区の課題をツイートしたり、疑問を投げかけるという発信の仕方です。まちの課題やマイナス面を考えるには誰かが発信するべきだと考えています。SNS発信ではプラス面とマイナス面のどちらも発信するということを大事にしています。多くの人に注目してもらうことを目指して投稿しています。
→Twitter、Instagramなどのツールをどのように活用していますか?
 InstagramTwitterはメンバーの拡散に支えられている部分が多いです。また、地域のインフルエンサーの方にもリツイートや拡散をして頂けています。フォロワーさんは大田区の人が多いので違う地域の人にも知ってほしいです。発信力を高めて知らない人に知ってもらうことでさらに大田区の魅力を知ってもらいたいです。
→活動はどのように進めていますか?
 主にLINEでやりとりをしています。文字を残しておくことでメンバー全員との会話のラリーができます。メンバーみんなに情報共有ができるよう心がけています。プロジェクトを決める際には1人1票で多数決をとっています。実行するプロジェクトをアンケートで絞っていくスタイルで野菜マルシェもその一つです。

活動の影響と応援の声

→活動の成果を感じるのはどのような時ですか?
 自分たちの活動の効果は数値化できないものばかりなので人の繋がりや関わりの中で成果が見えてくるのではないかと思います。効果が見える化しにくい分、イベントに来てくださった方の声やSNSでの反応を大事にしています。大田区で活躍する若者がいることを嬉しいと感じてくださる地域の方が多いこともモチベーションに繋がります。また、他の団体の方からイベントに誘ってもらえることもモチベーションに繋がっています。
→メンバーの方からはどのような声がありますか?
 メンバーからは「やりがいを感じる」「やってて楽しい」という声をもらっています。まだまだ初期の団体だからこそ団体の成長を見ながら活動できます。団体活動をすることで人脈広がるのはもちろんのこと、地域で活動したいのに1人だとなかなかやりたいことができないという悩みを持つ方に向けて活動の場を提供することができていると感じています。

これからの展望について

→過去、現在を振り返り、これからの目標はありますか?
 過去から現在に至るまでに特に後悔はありません。発信力を高めたり影響力高めたりすることで自己満足にならないように地域に貢献していきたいと考えています。また、これからは団体の規模を大きくして区との関わりを増やしていけたらと思っています。

取材後記

 大田区若者会議様への取材を通して大田区を盛り上げたいという想いを強く感じました。市民と行政の中間的な立場から大田区のさらなる活性化を目指して活動されていることが印象的でした。
 今回取材をさせて頂くにあたり羽田空港を訪れ、洗練された空気感に圧倒されました。取材の中でも話題にあがっていた多摩川スカイブリッジには昨年の2月に開催されていたディスカバーウォークというイベントで訪れたことがあったのでその時のことが思い返されました。羽田〜川崎まで徒歩10分で行けてしまうので気軽に訪れることができ、お散歩コースにも最適だと感じます。「行かないと分からないまちの魅力がある」という言葉に、取材中何度も共感しました。まだまだ多くの人に知られていない魅力を秘めた大田区に、この記事を読んでくださった皆様にもぜひ足を運んでいただきたいです。

【取材した人】
池田明日香(いけだあすか):神奈川県在住の大学一年生

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