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はじめて本屋さんのオンラインショップで本を買ったらすごくよかった話

アマゾンへの依存を減らしたいとかねてから思っていたのだけど、アカウント登録を一からやるのって面倒だし、巨大企業ならではの配送料無料が魅力で、オンラインで本を買うときはこれまでアマゾン一択だった。

でもコロナ禍を利用して書店に巨額の寄付をしたり(一見良い話、でも本当の目的は節税)

便利さの犠牲になっている労働者のニュースに触れるたび、心を痛めていた。

アマゾンが悪いというより、巨大企業に富が集中するモデルが単純に好きではないので、心のどこかでいつも「できればアマゾンで買いたくない」と思っていた。

そこへ、チャンスは何気なくやってきた。

買おうと思っていた本がアマゾンで品切れ、入荷時期も未定、となっていたのだ。

そういえば地元奈良でオンラインショップの存在をアピールしている本屋さんがあったことを思い出し、サイトをクリックしてみたら、探していた本があっさり見つかった。

「とほん」リンク https://www.to-hon.com

煩雑な会員登録も必要なく、送り先の住所、氏名、連絡先を記入するだけだった。送料もいろいろなパターンを選べて、最安のクリックポスト(ポスト投函)で250円ほど。

実際に本屋さんに行って本を吟味する楽しみは得られないけれど、交通費より全然安い。

発送も迅速で、発送までにも「本を確保できました」など、丁寧にメールが送られてきた。

届けられた本は味気ないアマゾンの包装とは違い、お店のスタンプが押された柔らかい紙質の茶封筒に入っていた。

さらに「とほんのおまけ」という小冊子がついていて、お店のある大和郡山の最近の様子などが描かれていた。読むとほっこりした気持ちになって、なんとも良かった。

ところで、「とほん」の店主さんはとても放ったらかしが上手な人だと思っている。

お客さんがゆっくり本を選べるように、存在感を消すのがすごく上手い。

でも決してよくいる「不機嫌そうな店主」ではなく、こちらから話しかけたときなどはすごく丁寧に応対してくれる。

あたたかさと、放ったらかしのバランス感覚が絶妙。

そして、こじんまりとした店舗にも関わらず、私にとってどストライクな品揃えであることが多いからか、勝手に仲間意識のようなものを感じて、安心して本をレジに持っていくことができる。

「この人にならタイトルを見られても安心」という変な安心感、お分かりいただけるだろうか。笑

営業妨害かもしれないけど、「買わなくても安心」という安心感もある。

小さな空間でじーっと見つめられたり意識を向けられたりすると、買わなきゃというプレッシャーが生じやすいけれど、それも無い。

大和郡山名物の金魚がちゃんとケアされてて、綺麗な水槽の中を優雅に泳いでいるのも良い。

コロナ禍で思いがけず知った、本屋のオンラインショップで本を買う喜び。

でも実際に本屋さんを訪れ、いろんな本の冒頭をつまみ食いした上で「これぞ」という運命の一冊を持ち帰る喜びには代えられない。

早くお財布と携帯とヨレヨレの布バッグだけ持って、本屋さんへ行きたいな〜と首を長くして待つ日々。



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