人工内耳を装着したラグビー選手の翻訳記事 その3

ラグビーは体をぶつけあう機会の多いスポーツです。
聴覚障害者に接する機会がある方で人工内耳を装着した状態でラグビーができるのか?
と疑問を持たれる方も、もしかしたらいらっしゃるのではと思います。
個人的にも気になり、人工内耳装用者で果たしてラグビー選手としてプレーできるのか?すでに活躍されている選手がいないか探ってみました。

探ってみたところ、人工内耳を装着している選手が複数人いることがわかりました。
このうち、Jordie Ounsley選手は現在、ラグビー選手としてのキャリアは終えていますが、過去にイングランド女子代表(U18、セブンズ)になり、エクセター・チーフスの女子チームの選手としてプレーしていました。
男性では、Mordgan Mitchell選手が人工内耳装用者としてプロラグビー選手になっていました。
Morgan Mitchell選手は2021-2022年は釜石シーウェイブスでプレーしていました。実質、トップリーグ初の聴覚障害者のラグビー選手になるのではないでしょうか。
同時にNZLでもマイター10カップ(国内州別対抗リーグ、2023年時点ではBunning NPC)の試合に出場した最初の聴覚障害者のラグビー選手でもあります。現在はメジャーリーグラグビー(アメリカ)でプレーしています。

第3回では2023年の2nd World Deaf Rugby Sevens ChampionShipに出場したオーストラリアの2選手について取り上げた2023年夏ごろの記事を翻訳していきます。
(Wade Atherton選手・Nikita Campbell選手)
その中でWade Atherton選手は人工内耳を装着したラグビー選手で2011年に初めてオーストラリアのデフラグビーオーストラリア代表(日本遠征-15人制)に選出され、2023年の 世界大会にも出場しています。

元記事には大会の写真が掲載されているのでサムネイルから閲覧いただければと思います。

※翻訳はDeepL・Google翻訳などを使用し、筆者が適宜文を書き直しています。そのうえで日本語が怪しい部分がありましたら指摘ください。頑張って修正します。


デフラグビーワールドカップでのプレーが選手たちに力を与えたが、彼らはさらなる支援を望んでいる

要点
-デフラグビー選手、ニキータ・キャンベルはワールドカップ出場に十分なサポートがなかったと語る
- 今年初め、オーストラリアの男女チームは、この大会で銀メダルと銅メダルを獲得した。
- 聴覚技術の発展により、より多くの聴覚障害者がコンタクトスポーツをプレーできるようになった

難聴を抱えながら生活するニキータ・キャンベル(Nikita Campbell)は、母国でラグビーをプレーする機会が訪れるとは思ってもみませんでした。

しかし、今年、オーストラリアの女子デフラグビー7人制チームでプレーし、アルゼンチンで開催されたワールドカップで銅メダルを獲得したことで、すべてが変わりました。

「それは信じられないような経験で、一生に一度のチャンスであり、自分がそれを成し遂げられるとは思っていませんでした。」

ニュー・サウス・ウェールズ州中西部のオレンジ出身の26歳の彼女は、ラグビー・オーストラリア(RA・・・オーストラリアラグビー協会)が次世代の障害者プレーヤーを支援するためにより多くのことをしてくれるよう望んでいます。

「運営組織からの認知やサポートは、あまりありませんでした」とキャンベルは言いました。

男女代表の選手たちは、RAから限られた資金しか提供されなかったため、保険や飛行機、用具の費用を賄うために、ワールドカップまでの数ヶ月間、資金集めに奔走しました。

キャンベルは、障害を持つ人々がこのスポーツに参加できるよう、ラグビー界はもっと努力しなければならないと語りました。

「デフラグビーが発展していくのを見てみたいと思っています。それはなぜなら聴覚障害のある選手たちに囲まれてプレーすることは、とても素晴らしい経験だったからです。」

「私たちは、友情を築くことができること、ろう者のコミュニティの一部になれること、このような素晴らしい出来事の一部になれることを知ってほしいのです。」

そして、彼女はラグビー・オーストラリアにコメントを求めた。

・試合での成長

ニューカッスルの選手、ウェイド・アサートン(Wade Atherton)は、2011年に初めてオーストラリアのデフラグビーチームの代表となりました。

彼は、このチームが障害を持つ選手に対する見方を変える上で重要な役割を果たしたと語りました。

「私が若い頃は障害を持った人がラグビーをやることが簡単なことではなかったし、代表チームに入ったときは、それを隠そうとしていました。若い世代は、障害を持つ選手に対して、より包括的で寛大です」とアサートンは言います。

「私は今、それについて昔と比べてはるかにオープンに話せています。聴覚障害者ラグビーチームとは、別の世界との繋がりであり、それは隠す必要はなく、誇りに思えるものです。」

アサートン氏は生まれつき耳が聞こえず、内耳の機能を模倣した小型の電子機器である人工内耳を装着しています。

彼は、このスポーツに対する認知度の高まりと聴覚技術の向上が、参加者の増加につながったと語った。

「子供の頃は、みんなが母に、頭の中に装置があるから接触スポーツは『絶対にダメだ』と警告していました。」

『かなり強い衝撃を受ければ、ひどい大怪我になる可能性がある。』

「しかし、時が経つにつれて、そのようなリスクはかなり軽減されたため、ここ2・3年で私達は大きな成長を遂げることができています。」

・チームメイトとの信頼関係

ニキータ・キャンベルは生まれつき聴覚に障害があり、両耳補聴器を使用しています。

しかし、デフラグビーでは選手が試合中に補聴器を装用することが許されていないため、キャンベルによると、神経をすり減らす経験になることがあると言います。

「聴者ラグビーでは補聴器をつけてプレーするので、補聴器なしでプレーするのは新鮮で恐ろしい経験でした。」

「聴者ラグビーのラインアウトでは、カウントダウンやコールがあるのが普通ですが、聴覚障害者のフットボールでは、リフティングする相手を認識して、相手が何をしようとしているのかを理解するだけです。」

そのため、「チームメイトを信頼する」方法を学ぶには、トレーニングが非常に重要になります。

「コミュニケーションをとるのは本当に難しいので、トレーニングがとても重要です。話すことや聞くこと以外にも、コミュニケーションをとる方法はいろいろあります。」とキャンベルは言います。

「チームと自分自身を信頼し、その過程で一緒にうまくプレーできることが分かり、本当に満足のいくものになりました。」

アサートンは、これによってチーム間に特別なつながりが生み出されたと語りました。

「私にとって、とても大きな意味がありました。私はラグビーをたくさんプレーしてきましたし、ある程度のサポートを受けています」と彼は言います。

「それでも、周りの選手が全員聴覚障害者だと、自分が受け入れられ、家族のように感じるため、気分が高揚します。」

・筆者注記

これを受けてか、2023年後半以降、オーストラリアデフラグビー協会のホームページが一新され、情報量も増えてきています。また、寄付のリンクも追加れ、SNSでの発信にも力を入れるようになりました。
2024年の南アフリカ遠征では7人制ラグビーではイングランドに及ばなかったものの10人制ラグビーでは全勝しています。

オーストラリアデフラグビー協会のホームページ:
Home (australiandeafrugby.com.au)

インスタグラム:
https://www.instagram.com/deafrugbyaustralia?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=ZDNlZDc0MzIxNw==


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