チリのラグビー事情について調べてみる
Hola! (スペイン語でこんにちは!) 今回のチリのラグビー事情・ラグビー代表について調べてみました。
1.チリについて
チリは南米の太平洋側に位置する国です。
要はアルゼンチンから山を越えた所にある国ですね。有名どころだとイースター島のモアイ像がチリにあります。
人口は全体で1900万人、このうちサンティアゴ周辺で700万と全体の1/3が都心部に集中しています。
また、サンティアゴから半径500km以内のエリアで半数以上の人口が集中している状況で人口と都市事情は日本に近いものがあるかもしれません。
後述するラグビーチームも大半がサンティアゴとその周辺に集中しているのが現状です。
一般的な人の収入でいうと1.4万USD(GDP/人口、GNIから大体の数値)と年収は150-200万円程度が平均になります。ラグビーチームの選手もそれと同じくらいではないかと推測されます。(SLARが月5-35万程度らしいのでそれくらいでしょう)
2.チリラグビー代表について
チリのラグビー協会は上のサムネイルで概要が分かります。英語版ですが、スペイン語版のwikiもあり、そちらの方がより詳しく書かれています。
ロス・コンドレスという愛称を持ち、南米ではアルゼンチン・ウルグアイに次いで3番目のチームという位置づけです。
また、格付けにおいてはティア3-1に分類されています。アジアだと香港・韓国・マレーシアと同格になります。
ただ、直近で力をつけてきており、ティア2の国代表と好試合を続けています。
2015年まではたまにTier2相手に勝つ程度だったのが、2021年に入ってからアルゼンチンXV、カナダ・ロシアを連続で撃破しています。
2022年7月9日・16日にアメリカ合衆国代表と、ラグビーワールドカップ2023のアメリカ予選2位枠を懸けてホーム&アウェー方式で試合することが決まっています。ラグビーW杯の初出場に向けて力をつけている状況です。
アメリカに勝ってアメリカ予選2位でラグビーW杯出場を決めた場合、日本と同じD組に入ることになります。隣国アルゼンチンとも戦うのでかなり熱い展開になりそうですね。
2-a. チリのラグビー代表の選手構成
英語版とスペイン語版のwikiで選手構成の表記が異なるので、両方掲載します。
ここでは英語版をベースに解説します。
全体で28人が11月のロシア戦に登録されましたが、28人中22人がSelknamという南米の国家間で試合をやるプロリーグ(SLAR)のチリのチームに所属しています。
残りの6人ですが、3人がスペインのクラブチーム(いずれもトップティア)、1人がアメリカのメジャーリーグラグビー、1人がフランス(ProD2→2022年からNationale1に降格)、1人が地元のチームPWCCの選手となっています。
以前、取り上げたポルトガルのチームと比較してみるとProD2所属の選手が少ない分やや劣る印象をぬぐえないですが、SLARでの対戦を経て底上げがなされているのではないかと思われます。
2-b. SLARとSelknam
ここでは軽く触れる形にします。
SLARは南米の国のラグビー協会がプロチームを立ち上げ、国家間で試合をやるリーグです。分類的にはグローバルラピッドラグビーやヨーロッパカップに近いと思います。
その中でチリはSelknamというチームを結成しており、国内リーグの中から選抜した選手で戦わせています。2020年はcovid-19の影響で中止になったものの、2021年は6チーム中3位と世界ランキング通りの結果になっています。
なお、2位はPeñarol Rugby(ウルグアイのチーム)、1位はハグアレスです。
もっと興味がある人はそれぞれ調べてみると良いと思います。スペイン語(ブラジルはポルトガル語)で検索する方が情報が多い可能性は十分にあります。
3.チリの国内リーグについて
チリのラグビー事情・ニュースについては上のサイトからあれこれ調べることができます。
国内のラグビーリーグに関していうと、Div1(TOP8)とDiv2(Primera)に分かれています。主にTOP8のチームから代表やSelkhamのメンバーに選ばれているようです。
TOP8のチームのニュースはこちらのサイトから一通り見れます。
現状、2021年12月段階で首位を走っているのがCOBS、2位につけているのがOld Macks(wikiではOld Mackayans)で、代表にも多く選ばれている傾向があります。ただ、日本のように2チームから半数選ばれるわけでもなく8チームから全体的に選ばれている傾向が見て取れます。
ただ、過去の優勝回数においてはUniversidad CatólicaとOLD boysが20回、18回という状態です。直近だと、優勝チームは頻繁に入れ替わっているようです。強豪が固定されないという事情もレベルが高まっている証拠なのかもしれません。
また、下部リーグとの入れ替えなどの影響で古豪が下部リーグ(Primera)にいることもあります。(ex:Stade Francais)
〇TOP8のチーム
COBS(Santiago)
Old Macks(Viña del Mar)
Old Boys(Santiago)
OLD Reds(Santiago)
OLD Johns(Concepción)
PWCC(Santiago)
Universidad Católica(Santiago、Las Condes)
Sporting RC(Viña del Mar)
〇TNC Primeraのチーム
Stade Francais(Santiago)
Los Troncos(Concepción)
Alumni(Santiago)
Old Georgians(Santiago)
Old Locks(Santiago)
DOBS(Santiago)
Rucamanque(Temuco)
Old Newlanders(Santiago)
また、チリラグビー協会がSelkhamの試合・国内リーグTOP8の試合も一部YoutubeにUPしているので気が向いた時に視聴してみるのも良いかもしれません。
4.まとめ
チリのラグビー事情についてざっと書いてみました。
世界ランキングは23位・ティア3-1とラグビー界の中では発展途上国の様な位置づけですが、ティア2を撃破しつつありラグビーワールドカップ初出場が見えている国でもあります。
2022年7月のアメリカとのアメリカ予選の結果次第ではありますがラグビーワールドカップ2023で日本と対戦する可能性もある国です。今後の動向を見るうえで少しだけ知っておいた方が良いのではないかと思います。