2021オーストラリア代表(ワラビーズ)について-1(トップリーグ編)
G'day! 今回は10/23(土)に日本代表と試合をすることになった2021年のオーストラリア代表(ワラビーズ)についてざっと書いていきたいと思います。
2019年のラグビーワールドカップで試合を見た方も多いですが、当時と顔ぶれも主力もだいぶ入れ替わっています。
1.ワラビーズの現状
世界ランキングは以下のように変わっています。
2019年RWC終了後:7位
2020年:5~7位を推移
2021年9月22日時点:3位
このように2019以降代表メンバーを大幅に入れ替えて若手の育成に切り替えた方針が今、ようやく結果として芽を出し始めている状況でしょうか。
また現在平均年齢が25.61歳(サム・ケレビ、ショーン・マクマーン合流後。44名)と、全体的に若めの顔ぶれです。最年長がクウェイド・クーパーの33歳ですね。
参考までに9/21に発表された日本代表の合宿スコッド(NDS含む)44名の平均年齢は28.22歳です。これを比較してみてもワラビーズがいかに20歳前半でテストマッチに駆り出されていることが分かるかと思います。(ただし日本代表の方が選手生命は長い印象はあります)
2.ワラビーズのメンバー1:トップリーグ組
オーストラリアの選手はかなりの人数が国外で活躍しています。移籍先として日本を選ぶ選手も多いです。現在のメンバーでは7人がトップリーグに所属経験があります。
●Andrew Kellaway(アンドリュー・ケラウェイ):WTB 代表7caps
2021年に半年、NECグリーンロケッツに在籍していました。特に大きく取り上げられることはありませんでしたが夏に元々在籍していたレベルズに復帰するとそこから台頭を始めます。ターンオーバーを取れるフィジカル面も強いウィングという印象です。
元々2020年(前半-途中で中止になる)のスーパーラグビーの最多トライ獲得選手でしたからポテンシャルはあったという事でしょう。
これはオールブラックス戦でトライを取りに行くケラウェイの動画です。
体重が100kg超えているウィングなので簡単に吹き飛ばされることも少なく止めるのが難しそうです。
●Isi Naisarani(イシ・ナイサラニ):No8 代表8caps
2022年に静岡ブルーレヴズでプレーすることが決まっている選手です。
No8ですが、最近は若い選手の台頭により出場機会が減っています。静岡でプレーすることでステップアップするいいきっかけが見つかるかもしれません。
こちらはレベルズでのプレーですが、かなりフィジカルの高い選手であることが窺えます。静岡に加入するとの事で日本のリーグワンのスピードと丁寧さが身に付くと一段と飛躍するかもしれません。
●Marika Koroibete(マリカ・コロインベテ):WTB 代表41caps
2022年からパナソニックでプレーすることになっているコロインベテです。パナソニックからはポスト福岡として期待されている選手でもあります。
彼は元々はラグビーリーグ(13人制)の選手で2016年までメルボルンストームでプレイしていました。ラグビーリーグではフィジー代表として出場しています。
2017年に15人制に転向して以来はワラビーズの代表に定着しています。
代表ではなくレベルズでの動画ですが、ラインぎりぎりを走りギリギリの所をきっちりボールを置きに行けるのは福岡選手とも共通点がありますね。
●Michael Hooper(マイケル・フーパー):FL 代表113caps
2021年にサバティカル制度でトヨタに在籍した選手であり、ワラビーズのキャプテンでもあります。
9/15のラグビーチャンピオンシップの南アフリカ戦でジョージ・グレーガンを超えるキャプテンとしての代表出場60capsを記録しました。身長182cmと上背は高くないにもかかわらず大きな怪我もなく高い運動量を維持しているので日本のラグビー選手にとってもいいお手本になると言われています。
上の動画は前半、フーパーの初出場のプレー、後半はフーパー視点でのトップリーグの解説という感じです。シェーン・マクマーンについても言及しています。
●Samu Kerevi(サム・ケレヴィ):CTB 代表36caps
2020年からサントリーサンゴリアスに在籍しているセンターを中心にプレーする選手です。
いわゆるギタウルールで2020年は召集されませんでしたが2021年の選手層が薄い+ハンター・パイサミが子供の出産で欠場する台所事情により召集され、早くも高い突破力を持った選手として大活躍しました。
今後も継続的に召集されていくと思うのでサントリーでもプレー含め2023年まで目が離せない選手です。
南アフリカ戦では主に12番を背負い、突破口をこじ開ける役割を果たしていることが多いです。
●Quade Cooper(クウェイド・クーパー):SO 代表72caps
2019年から花園近鉄ライナーズに在籍している選手です。SOを主に担当する選手で2015年のRWCでオーストラリアが準優勝した時のメンバーでもあります。
今年、トップリーグのシーズンが終わってオーストラリアに帰っていた所を、オコナーの負傷によりワラビーズに召集され初戦で南アフリカに逆転PGを決めて劇的な勝利の立役者になりました。
近鉄ライナーズにいるときよりも代表戦という事もあり非常に動きが良かったので大舞台ににあった選手でもあると思います。
この動画は南アフリカに28-26で勝利した時の最後のPGを決めきったシーンです。ここできっちり真ん中に入るのが素晴らしいと思います。
●Sean McMahon(ショーン・マクマーン):FL,No8 代表26caps
2017年からサントリーサンゴリアスに在籍している選手です。2021年現在、サントリーとの契約を延長することが決まっています。
2021年はFL,No8としてスピード感のある選手としてワラビーズに召集されました。出場回数の少ない若手が多い中でフーパーに加えてもう一人お手本が必要だったのかもしれません。
ラグビーチャンピオンシップではいまだ出場はないものの、最終戦または日本代表との試合で出場する可能性は十分あります。日本戦以降の欧州遠征には帯同しない見込みである、と言われています。
ともすると日本代表戦で凱旋してほしいところですね。
パナソニックvsサントリーの決勝では8番を背負いました。この中で後半のサントリーに勢いづけたマクマーンのプレー動画です。
3.まとめ
トップリーグ組は今回、7人の選手が名を連ねています。フーパーやクーパーに関しては他選手にとってのメンターになるような存在になっていると思います。
また、ナイサラニやコロインベテらこれから在籍する選手については今後のプレーの変化・飛躍が楽しみなので2022年以降スコッドに呼ばれた場合2021年以前とどう変わったかも注目して観てみると良いでしょう。
次回は北半球(フランスや英国)に縁のある選手・国内若手の選手にフォーカスした記事を検討しています。
北半球組で代表的なのがジェームス・オコナー、ニック・ホワイトですね。国内ではレン・イキタウ、テイト・マクダーモットらが挙がります。
☝北半球でプレーした選手についてはこちらの記事を参照ください。(9/29追記)
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