オールブラックスの4人のキャプテン
Kia Ora! 今回は頻繁に代わる今年のオールブラックスのキャプテンについて書いてみました。
これは毎年あるわけではなくかなり珍しいケースです。また、covid-19のパンデミックとNZの厳しい隔離もこの状況を助長していると言えます。
1.過去にオールブラックスのキャプテンが同一年に複数人担当することはあったか
これはYesです。過去の例を取ってみると、
1972-1973年 2人(Ian Andrew Kirkpatrick・Alex Wyllie)
1986年 2人(Jock Hobbs・Dacid Edward Kirk)
1987年 2人(Dacid Edward Kirk・Buck Shelford)
1990年 2人(Buck Shelford・Gary William Whetton)
1997年 2人(Sean Brian Thomas Fitzpatrick・Justin Warren Marshall)
2002年 2人(Taine Cheyenne Randell・Reuben David Thorne)
2009年 2人(Richie McCaw・Mils Muliaina)
2011年 3人(Richie McCaw・Kevin Filipo Mealamu・Andrew Keith Hore)
2012-2013年 2人(Richie McCaw・Kieran James Read)
2017年 3人(Kieran James Read・Ben Smith・Sam Whitelock)
2021年 4人(Sam Whitelock・Aaron Smith・Ardie Savea・Brodie Retalick)(※Sam Caneが2021の本来のキャプテンだが怪我により離脱中)
上記のように14例あります。50年の歴史で15回ですから、3割ですね。
ニュージーランドの場合は家族を大事にする風潮があり、出産の場合は父が立ち合いに向かうので試合が重なった場合メンバーを外れることが多いです。また、連戦の疲労を考慮していったん休憩のためにメンバーを外すこともあります。
例えばリッチー・マコウ(Richie McCaw)は10年ほどキャプテンを務めましたが、この間に4人の選手にキャプテンを委任しています。これは出産による離脱や休息期間を設けたためという風に見ていいでしょう。2016-2019年にキャプテンを務めたキアラン・リード(Kieran James Read)についても2017年にベン・スミス、サム・ホワイトロックの2人に任せていることが分かります。
過去に何かしらのチームでキャプテンをになった選手は基本的に上のサムネイルのリンク先に保管されているようです。
2.2021年のキャプテン達
1.サム・ケイン(2020~:2021春のスーパーラグビーの試合後、胸筋の怪我により半年離脱。)
彼が本来のオールブラックスのキャプテンです。2012年からオールブラックスの名を連ね、出場回数は70capを数えます。
リーダーグループに入りだしたのはリッチー・マコウが引退した2016年以降でこの時から共同キャプテンを担うことがありました。
正式にキャプテンに任命されたのは2020年以降になっています。
2.サム・ホワイトロック(2021:サム・ケインの代わりにまず任命された。)
2010年からオールブラックスに名を連ねています。つまり、ラグビーワールドカップで優勝したオールブラックスを2回経験している数少ない現役選手でもあります。127capとオールブラックスで現役最多の出場回数を誇りますが、今年は子供の出産+国境間の隔離期間の影響でラグビーチャンピオンシップの後半の試合を欠場することになりました。
3.アーロン・スミス(2021:ダニーディンでのフィジー戦で任命された。)
2012年からオールブラックスに名を連ねたメンバーです。意外にも2011年の優勝は経験していません。(2011年のスクラムハーフはピリ・ウィプー)
ハイランダーズの本拠地ダニーディンでのフィジー戦でキャプテンに任命されました。これはサム・ホワイトロックがリザーブメンバーに回った影響もあります。
また、サム・ホワイトロック同様子供の出産の影響でラグビーチャンピオンシップ第3戦から欠場し、隔離期間など様々な状況から今年の代表活動を終了させています。
ただ、国内のプロリーグには参加する意向で、所属チームのマナワツでの練習風景などがインスタグラムに最近Upされました。今年のNZ国内リーグはマナワツ(※本拠地はパーマストンノース。スミスの出生地でもあり、ラグビー博物館がある都市。行くならウェリントンから電車かバスで行くか、オークランドから飛行機が良いと思う)も熱いかもしれません。
4.アーディー・サヴェア(2021:ホワイトロック・スミスの離脱によりチャンピオンシップの後半のキャプテンに任命された)
2016年からオールブラックスに名を連ねた選手です。2013年にハリケーンズと契約し力をつけてきました。なお、彼の兄ジュリアン・サヴェアは2012-2017年のあいだにウィングでプレーしています。
ホワイトロック、スミスの2人が出産で離脱したことにより、南半球のラグビーチャンピオンシップの後半のキャプテンをやることになりました。
彼の両親はサモアからの移民で、サヴェアもアイランダー系の選手になります。過去のサモア系のキャプテンだとタナ・ウマガ、ミルズ・ムリアイナ、ケヴィン・メアラムがいます。後者2人はリッチー・マコウが先発から外れるときの代理キャプテンを務めていました。
自身がプロデュースしたアパレルブランドも立ち上げており、面白い人物でもあります。
5.ブロディ・レタリック(2021:サヴェアの脳震盪テスト結果によりチャンピオンシップの後半のキャプテンに任命された)
サヴェアがアルゼンチン戦第1試合目(トータルで第3戦)で途中退場(HIA)したことで、ブロディ・レタリックが第2試合目のキャプテンを担うことになりました。
オールブラックスのデビューは2012年とアーロン・スミスと同じ年になります。サム・ケイン、ボーデン・バレットと同世代になります。
2019-2021年前半は神戸製鋼でプレーしたのでその姿を目に焼き付けている日本人ファンも多いかもしれません。
3.11月のテストマッチ
11月のテストマッチシリーズ(北半球)では誰がキャプテンをやるのか?
これについてはサム・ホワイトロックが10月以降オールブラックスの戦列に復帰する見込み(もちろん隔離・トレーニング次第ですが)なので、11月のテストマッチはホワイトロックがキャプテンになるのではないかと思います。
少なくとも10/2の南アフリカと対戦する最終節にはオーストラリアにいるでしょう。
Whitelock leaves Auckland this Saturday and is targeting a return for the second test, and final Rugby Championship fixture, against the Springboks in the Gold Coast on October 2.
He admits his departure brings mixed emotions. Whitelock won't return home until early December following the end of the All Blacks northern tour – and another two-week stint in hotel quarantine in New Zealand.
☝参考にした記事
万が一、ホワイトロックが復帰が遅れるようであればラグビーチャンピオンシップに引き続きアーディー・サヴェアがキャプテンをやる可能性が高いのではないかと思います。
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