人工内耳を装着したラグビー選手の翻訳記事 その2

ラグビーは体をぶつけあう機会の多いスポーツです。
聴覚障害者に接する機会がある方で人工内耳を装着した状態でラグビーができるのか?
と疑問を持たれる方も、もしかしたらいらっしゃるのではと思います。
個人的にも気になり、人工内耳装用者で果たしてラグビー選手としてプレーできるのか?すでに活躍されている選手がいないか探ってみました。

探ってみたところ、人工内耳を装着している選手が複数人いることがわかりました。
このうち、Jordie Ounsley選手はイングランド女子代表(U18、セブンズ)になっており、現在もエクセター・チーフスの女子チームの選手としてプレーしています。
男性では、Mordgan Mitchell選手が人工内耳装用者としてプロラグビー選手になっていました。
Morgan Mitchell選手は2021-2022年は釜石シーウェイブスでプレーしていました。実質、トップリーグ初の聴覚障害者のラグビー選手になるのではないでしょうか。
同時にNZLでもマイター10カップ(国内州別対抗リーグ、2023年時点ではBunning NPC)の試合に出場した最初の聴覚障害者のラグビー選手でもあります。現在はメジャーリーグラグビー(アメリカ)でプレーしています。

第2回ではCruz Lemming選手について取り上げた記事を翻訳していきます。オーストラリアの選手と、その家族や言語聴覚士の話が中心です。
※翻訳はDeepLを使用し、筆者が適宜文を書き直しています。そのうえで日本語が怪しい部分がありましたら指摘ください。頑張って修正します。


"クイーンズランド・ラグビーユニオンのPRクルーズ・レミングは難聴が原因で試合に出れないことはないと語る"

Nudgee Collegeのラグビーユニオン・オープンチームに所属する15歳のクルーズ・レミングは常にジムかフットボール場にいる。
明るい色のヘッドギアの下には音声の認識を助ける2つの人工内耳が装着されているが、重度の難聴がこのプロップが最高のラグビーをすることの障害になることはない。
 
2019年、わずか14歳でクルーズはクィーンズランド州の15歳以下のラグビーユニオン代表に選出され、ブリズベンの鋭いスカウトの目にとどまり、のちに私立大学への奨学金をオファーされた。
「耳が少し悪いからと言って自分を卑下したことはない。聞こえをよくする器具は持っているし、普通に聞こえている。」と彼は話しました。
 
「”難聴だからできない”といったことはないし、いつもやりたいことをやってきた。」

"母親の罪悪感"

10年前、ゴールドコーストのトレイシー・レミングとディオン・レミング夫妻は、5歳の息子クルーズに人工内耳の手術を受けさせるという”心が痛む”決断を下した。
クルーズの聴力は1年半の間に急速に悪化し、人工内耳を埋め込めば聞こえるようになり、会話もできるようになるのだが、レミング夫人はそれに対し心が引き裂かれるような思いだった。
「それに直面すると、ちょっと怖いですね。クルーズの聴力は少し残っていましたが、私も私の夫も、それを取り上げるような気がしました」と話しました。
「一度人工内耳を入れると、装着していないと聞こえないんです。」
「私たちは彼に言ったんです。『この手術はあなたを他のみんなと同じように聞こえるようにできる。でも、補聴器をつけていないと何も聞こえなくなるんだよ』と」
 
「息子は泣いて言いました、『本当に?ママ、僕はまだ聞こえるのに』もちろん私と夫は泣き崩れましたが、長い目で見てそれが最善の方法だとわかっていましたが、母としてその行為に罪悪感を感じた瞬間でもありました」

"希望を与える"

幼いクルーズにとって、Sの発音や高い音は苦手なものだったが、言語聴覚士の助けを借りてすぐに克服したとレミングさんの母親は話します。
「我が家にはクモではなく『パイダー』がいました。彼がSの発音を学んだ数ヶ月間は、大きな瞬間でした。」
「小さな子供が『あれは何?』と尋ねると、言語聴覚士はそれが何なのかを説明してくれます。彼は人々を教育するのがとても上手で、息子を抑えつけるようなこともせず、逆に特別扱いをするようなこともありませんでした。」
 
クルーズは、非営利の聴覚障害者を専門的に支援する団体「Hear and Say」で連絡を取り合っている不安を抱えた家族や幼い子どもたちに、自分の体験談をよく伝えているという。
「子どもたちは『きちんと聞こえるのか、学校では普通に過ごせるのか』といった質問をしてきます」とクルーズさんは言います。
 
「私達のような人が彼らに希望を与え、そして彼らが自分達について希望をもってくれるようになれば良いなと思います」

「私の頭をじろじろ見る人がいるけど、毎日出くわすことでもないし問題ありません。それにイライラしてしまう人もいますが、私は気にしていません」

"美しい勝利"

「Hear and Say」の言語聴覚士であるグリア・マクドナルドは長年クルーズと家族をサポートしてきた。
彼女の仕事には、聴力レベルの最適化、人工内耳のテスト(調整)、予備の機器の確保などが含まれている。
 
「インプラントはテクノロジーであり、彼はリスクの高いスポーツをしているため、気を配らなければなりません。ですので、私たちは彼を注意深く見守っていきたいと思っています。」
 
「私たちはできる限り聴覚のリハビリをしていますが、なお騒音など特定の部分については依然として懸念が残ります」
「これはクルーズと私にとって、一生の旅になるでしょう。私たちは毎年、聴力の評価を行っています」
クルーズの”美しい勝利”を両親のトレイシーとディオンと祝うことはこの仕事でやりがいを感じる所だとマクドナルドさんは話します。
「定期的に会うごとに彼らが成長していっているのを見られて私はとても楽しいです。自分のサポートがどのように役に立っているのかがわかるからです。」

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