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深夜まで100人が注目した「夜の北九州空港見学会」のプロデューサーが明かす、イベント成功のポイント
「桑野さん、空港の活性化イベントをやりたいと思っているんですが、一緒に考えてくれません?」
最初の相談はそこからでした。
もともと知り合いだったJAL(日本航空)九州支社のNさんから電話があったのが春ごろのこと。
「面白そうですね!何をやりましょうか?」
気づいたら、いつものように二つ返事で引き受けていた。
クリーク・アンド・リバー社(C&R社)デジタル・コミュニケーショングループ(通称:DCG)はオンサイト体制構築、Web・アプリ開発、エージェンシー、コンテンツプロデュース、プロモーション/プランニング等の事業を展開しているグループ・・・・ということになっているが、こういうアナログな企画提案も得意分野。
福岡のもうひとつの空港。どんな企画にするか?
さて、どういった企画をしていこうか。
九州の空港といえば、すぐに思いつくのが福岡空港。東京や大阪、海外から多くの旅客機が集まるハブ空港だ。
しかし、同じ福岡県にはもうひとつ、「北九州空港」というのがある。
福岡空港に比べるとまだまだ知名度も低く、飛行する便数も少ない。その「北九州空港」を盛り上げようというのが今回の主旨となる。
実は、北九州空港にしかない特徴も。
1, 北九州空港は24時間離発着できる!
2, 北九州は新三大夜景都市として連続ランキング!
3, 空港へ渡る橋が実はマニアックに(?)すごい!
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このようなことから、イベント企画として決まっていったのが、「夜の空港施設見学」。JALの協力を得ての「駐機している機内見学」、そしてこれまたJALでは定番となっている「紙飛行機講座」、そこに土木のプロによる「連絡橋ウォーキング解説付き」というラインナップ。こうして、2023年9月9日(土)の「夜の北九州空港見学会」の実施に向けて企画を固めていった。
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東京にいながら九州の企画がスムーズにできる理由は?
企画を進めていく私、桑野は東京での勤務。実際、北九州空港なんて行ったことも見たこともない!
正直、行ったことも見たこともないことの企画をつくるのも、”よくある”こと。資料や写真、現場の人たちの話でどれだけ具体的にイメージを固めることができるかが勝負になるのだが、私の場合、ほぼ妄想で、という話もある。
今回、過去にJALが開催したことのあるイベントを北九州空港向けにアレンジした部分もありながらも、連絡橋ウォーキングだけは全くの新規イベント。
JALのNさんと同じく、親交があった土木のプロの松永昭吾さんにガイドをお願いし、ツアー参加者と一緒に連絡橋そのものを楽しんでもらうことにした。
東京のDCGからは桑野、菅原さんが参加するが、なにせ現場を知らない。そこで、C&R社エリア推進グループの髙橋さんに相談し、九州オフィスに協力を得ることに。
岸野さん、古川さん、平井さんの3人がこの案件に巻き込まれた。いえ、関わってくれた強力な助っ人。本当に準備から本番までありがとうございました!
企画に問題発生!本番でどうやって解決する?
ただ、企画を進めていく上で問題もでてきた。
1, 夜の連絡橋を一般参加者に歩かせるのは大丈夫なのか?
2, 100人の参加者にどうやって解説を聞かせるのか?
3, そもそもウォーキングの時間が空港ビルから連絡橋までの移動を含めて1時間半しかない。足りるのか?
いろいろと協議を重ねた結果、100人の参加者を12の班に分け、それらを3台のバスに分乗させて移動。橋の下で解説を聞いてもらったあと、橋の上を班ごとに歩くという流れ作業的な時間割で進行することにした。
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解説が聞こえない人もいるかと、ZoomとYouTube、ジンバルスマホ・カメラも用意したが班分けのおかげか松永先生の解説もしっかり聞き取ってもらい、特に暗い橋の上や下だったにも関わらず無事に終了。しかも予定時間通りに!!
福岡県北九州市「夜の北九州空港見学会」
2023年9月9日(土) 19:30~24:00
19:30~ 連絡橋ウォーキング
21:00~ ヒコーキ講座
22:00~ 折り紙ヒコーキ教室
22:40~ 機内見学会
主催 日本航空株式会社
旅行企画 MHI福岡株式会社
協力 株式会社クリーク・アンド・リバー社
イベントは順調に進行!コックピットまで見学!
その後のイベント内容については、こちらのページにまとまっているので見ていただければ。目玉のひとつが駐機している飛行機を真近くで見ることができること。さらにコックピット内にも入ることができることだ。
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特別にライトを点けて迎えてくれた機長、吸い込まれそうな近さからみる大きなエンジン、コックピットも見せてくれて座ったところを写真まで撮ってくれるというサービスまで!
飛行機、そして空港という普段から多くのお客さんと接する人たちのホスピタリティはさすがだなあと思いました。
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大好評のうちにイベントは終了。面白い企画の立て方は?
このツアーチケット、定員100名分がわずか1日で完売。
大人一人1万円にもかかわらず!だ。
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実は、ウラ話なんですが、当初の予定では目的が営利ではなくPRなので、もう少し安く販売しようとしていたのですが、直前に大人1万円という強気な値段設定で販売。
ところが、瞬殺で完売したということは、やはり、普段入れないところに入れるとか、普段聞けないような話が聞けるとか、空港というインフラ設備の中でも見せ方を変えるだけで多くの人を惹きつける魅力ある企画を生み出せるということだと思う。
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全工程が終了したのが、深夜0時を過ぎたころ。眠そうな表情の子供たちもたくさんいましたが、感想を聞いてみるとキラキラした目で「とっても楽しかったです!!」と。
「普段見られない場所が見られたことがとてもよかった」「橋の知識を知ることができて面白かった」など、参加してもらった方の直接の反応を見られるっていうのがイベント運営で一番楽しいところ。
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地方での活性化イベントの話になると、つい「うちにはなにもないから人が呼べない」と言ってしまいがちになりますが、そこは工夫次第。よりマニアックな内容に掘っていくことで、面白い企画をつくることができると考えている。今後も参加してくれた方々が笑顔になれるようなイベントやツアーを全国で企画していきたい。
余談ですが・・・最後に北九州空港のかくれた名所を紹介!
あ、あと、北九州空港に行ったときにはトイレに立ち寄ってください。
たぶん、日本で一番空を感じることができると思います。
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個人的にも大好きな黒田征太郎さんのイラストが全面的に書いてある。
こういうところがひとつでもあると、その場所が忘れられないスポットになるんですよね。■CR
CREEK & RIVER 公式note 桑野和之
【この件に関するプレスリリース】