「新型コロナウィルス感染症対応医療従事者支援制度」
新型コロナウィルス感染症の再拡大に伴い、医療従事者への新たな支援制度が登場しています。
新型ウィルスに関する医療機関支援策としては、慰労金の交付や感染拡大防止にかかる支援金など、これまでにもすでにいくつか実施されていますが、それらとはまた別の支援事業です。
1.「新型コロナウィルス感染症対応医療従事者支援制度」とは
この制度を一言で表すと、「労災保険の上乗せ補償」です。
クリニックでも労災保険に加入されていると思いますが(従業員を1人でも雇用していれば労災保険の加入が必要です)、労災保険とは、従業員が業務上の事由や通勤によって負傷したり病気になったりした場合に補償される保険給付制度です。
新型コロナウィルス感染症患者に対応することで自身も感染のリスクを負う医療従事者のため、この労災保険に上乗せして追加の補償を受けられるようにしたのが今回の制度。そして、その保険金には国の補助金や医療団体からの補助金が充当され、他の医療保険等よりも少ない負担で補償が受けられます。
掛け金や保険料、補償内容につきましては、以下の図説をご覧ください。(「日本医師会 制度のご案内」より引用しています)
上記のように、従業員1人あたり最大年額1,000円で20万円(休業の場合)の補償が、現在ご加入の労災保険による給付額に追加して上乗せ支給されます。
2.募集期間や申込方法は?
保険期間1年、募集は4回にわたり行われます。各募集期間については下図をご参照下さい。(「日本医師会 制度のご案内」より引用)
申込や問合せは、「公益財団法人日本医療機能評価機構」から。また、日本医師会HPでも詳細な資料をご確認いただけます。
3.補償の対象は従業員。院長先生は特別加入が必要。
ところで、労災保険は「労働者」のための保険ですから、事業主である院長先生は対象外です。この点、「特別加入」という制度を利用すると、事業主であっても補償対象となることが可能です。