北京冬季オリンピック閉会式
オリンピック閉会式は、ランタンを持つ可愛い子供たちの演出で閉会式が始まりました。開会式と同じ、張 チャン 芸謀 イーモウ 監督の演出です。アートの視線で、閉会式を振り返ってみました。
イベントの演出に、パッチリな、起承転結のシナリオ学習となりました。
【選手入場と大会成績】
光る青い12台のソリが現れます。干支の十二支をデザインしています。ソリの動きとともに、スタジアムのフロアのスクリーンにLEDで模様が描かれて、開会式にかかげられた、組紐のオブジェの聖火が現れます。
会場に、各国の騎手をかかげた代表選手が最初に入場してきて、その後に国々の選手たちがどんどん入場してきます。
109種目、91カ国、2900人の選手が参加した冬季北京オリンピック。
日本は過去最多の18個のメダルを獲得。
中国は過去最多の15個のメダルを獲得し、ビッグエアー、ハーフパイプでも活躍し、イタリアの大会ではさらに躍進してゆくでしょう。
選手たちの行進では、ノルディックで最強だったノルウェイの選手たちなど、メダルを取った選手は、首からメダルをかけている人も多くみられました。日本人は、メダルをかけていなかったのは、メダルを逃した選手への思いやりかな。。。
【選手ユニフォームのデザインと会場の色合い】
選手のウェアでは、ドイツの黒に黄色、フランスの赤と白と青の大胆でシンプルなデザインが印象的。
柄物のデザインでは、アメリカの赤と紺の大柄のギンガムチェックや、チェコの白に赤の線模様の柄のユニフォームが可愛かった!
日本のウェアは夏に続き、赤ですね。日本はデサント&ヨネックス、アメリカはラルフ ローレン、カナダは初めてルルレモンなどがデザインしているようです。
スタジアムのフロアは青色に染められ、中国伝統の組紐のデザイン柄が、パステルカラーで変色しながら映し出されてキレイ。
そのデザインのフロアの上で、第九の音楽に合わせて、各国の選手が輪になって踊ったり、写真をとったり。。。そして、スタンドの観客席に移動してゆきます。
【大会を振り返る映像と最終日の競技の表彰式】
選手が退席した後のフロアは、青が基調で、組紐デザインの雪の結晶がランダムに映し出され、開会式と今回の大会のハイライト映像がスクリーンに映し出されます。
その後、やはり、ブルー基調のフロアで、大会最終種目のクロスカントリーのメダル表彰式ががはじまります。国旗掲揚と国家も流れて、選手にとっては実にお得な表彰式ですね。
ただ、ノルウェイのジャケットのデザインが、道路整備の作業服のようで、ROCのジャケット柄は、シャワシャワっとした線の柄で、グラデーションも微妙でした。
(ノルウェイの選手入場のコートは白・赤・紺でおしゃれでしたが、どうやら、phenixのデザインだそうです。)
また、ロシアの選手は、国家レベルの薬物疑惑でロシアとしては出れないので、ROCとして出場しており、流れる国歌もチャイコフスキーの曲でした。
【表彰台とボランティアへの表彰式】
表彰台がスノーボードの形をしていておしゃれで、表彰式をサポートする中国人の女性の赤のコートがサンタさんみたい。赤は中国ではめでたい色なので。。。
表彰式の後、今度は選手ではなく、大会の裏方のボランティアの活躍が映し出され、ボランティアの代表者が表彰台にのぼり、IOCの新たな委員、フランスのがマルタンさんがボランティアの人にランタンを手渡します。
ボランティアのウェアはブルーでした。やはり、冬季オリンピックのカラーは青が基調になるのかなと思いました。
【全ての選手の健闘を讃え!次期大会に向けて】
スタジアムの観客席にも無数のランタンがともって、マスゲームのようにハートの映像を映し出し、再び今回の大会の映像がながれます。You can get itの歌と一緒に、転倒した選手やメダルを逃した選手の涙も映され、北京オリンピックを振り返ります。
その後、しだれ柳のような光の筋が正面に大きく映し出され、うす緑色の衣装のたくさんの女性がゆっくりとした動きで現れます。中国では、遠くに旅立つ人に、柳の枝を贈る慣わしがあるそうで、次の大会を目指す選手へのメッセージです。
多くの人々が、緑の蛍光色に光る柳の枝をもって集まってきて、閉会式も終わりの時を迎え、会場の客席のランタンが、星のように無数に散りばめられ、ゆったりと動いてとてもキレイです。
フロアに緑の筋と、縦方向に反射する黄色のラインが流れて、今度は、健闘した各国の選手たちが互いにハグをする、国々の平和と友好のイメージが映し出されます。
【次回の五輪開催国への引き継ぎセレモニー】
そして、舞台は、次期冬季オリンピックの開催国である、イタリアへの引き継ぎセレモニーに移ります。
会場の4本のポールには、左から、オリンピック、中国の旗があり、次に、ギリシャの旗が挙げられています。次回2026年イタリア冬季五輪は、2都市のミラノとコルティナダンペッツォで開催さます。
ミラノの市長は、さすがにおしゃれ!マフラーも、レストランの入り口のようなカラフルさでダンディー。イタリア開催の五輪でも、デザインの斬新な展開が期待されます😋
開会式と同じように、子供たちがギリシャ語で歌います。赤の帽子とマフラ、白に水色の柄が可愛い。また、国旗掲揚の係の人の軍服もスマートでおしゃれ。中国のデザインセンスは👍いいと思います。(日本は盆踊りを披露しましたが、中国では恒例の獅子舞もなく、伝統のデザインをうまくおしゃれにアップデートしてますね。)
【次期開催国イタリアのパフォーマンス】
バイオリンの演奏と歌に合わせて国旗が掲揚され、濃紺のフロアに光の粒子が浮き出し、イタリアの地図が現れ、今度は次期イタリア大会の、ミラノ組織委員会のショーが始まります。
キレイな波紋の広がるデジタル映像に、大会のコンセプト「duality together」(二つの異なるものが一体になる)が浮かび上がり、ミラノの街並みとコルティナダンペッツォの雪景色の山脈の映像が流れます。
その後、二人のダンサーが現れ、ウェアが未来的で素敵で、女性は山、男性は都会を象徴していて、スタジアムの床も、地図の等高線の図柄と、SF調の未来都市のマップの図柄になり、その幾何学模様がまた、これまた、美しい。。。
映像が次々と変わっていって、イタリア大会では、山岳スキーなどの新種目も加わるようで、冬季オリンピック競技のシルエットが大きくうつしだされます。最後に、26の文字が雪肌に浮かび上がり、これが、ミラノ大会のロゴだそうです。とてもシンプルなフォント(字体)で、色も地味なカラーの一色!
スクリーンに、国旗を持ったスキーヤーの隊列が映し出され、飛行戦隊が緑白赤の3色の煙の帯を描き、最後を締めくくります。
【バッハ会長のスピーチとAR技術の演出】
九十一の国旗がスタジアムにはいってきて、バッハのスピーチがスタート。
夏季オリンピックでも、話しが長いので、選手は途中で帰っていったそうですが、さすが、中国、選手は席に座っているので、途中解散はできないようです🤣
くみひもでできた聖火台の周りを、さらに、AR技術(拡張現実)を使った巨大な組紐の映像が合成され、とてもキレイです。メタバース時代は俺たちのもの!といった自信が感じられます。
東京オリンピックでは、聖火台を設計時に作り忘れ、消防法を考慮したお座敷台風の聖火台になりましたが、北京の小さなトーチの演出を見て、こんなやり方もあったのだと👏
【聖火台の消灯】
子供達、青年、選手、マスコットのビンドゥンドゥン、メディア関係者、ボランティア、街ゆく人々の映像が映し出され、
雪がしたらから上に舞い上がってくるエフェクトをかけた映像で、BYE BYEの文字と一緒に、北京の人々が世界の人々と最後の別れをおしみます。
くみひもデザインの雪のけっしょうが、また全面に映し出され、子供たちの合唱のなか、聖火がゆっくりと消えてゆき、オリンピック五輪マークがゆっくりと昇ってゆきます。
国旗を掲げた人が輪になり、虹色の光の帯が反射し、輪が大きくひろがり、フロア全面に映し出され雪の結晶が空に舞い上がってゆき、鳥の巣の北京国家体育場の上空に盛大な花火が炸裂します。
鳥の巣競技場は、収容人数約8万人で、スイスの建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンがデザインし、総工費は35億元だそうです。
最後はフロア全体に、中国のスタッフが出てきて、ジャンプしながら楽しく踊り、観客席のランタンもキレイでした!
【北京冬季オリンピックを見終えて。。。】
今まで、オリンピックはスポーツ選手がメダルをとる場所だと思っていましたが、今回、東京と北京の開会式・閉会式をクリエーター目線で見て、なかなか感慨深いものがありました。
文明的鎖国を続けてきた中国が、世界の工場となることで、技術とアートを吸収し、自国の文化と融合して、スーパーサイヤ人のようにパワーアップしたのを感じます。
日本人が、中国に電気炊飯器を買いにゆく時代も、そう、遠くないのかもしれません。少なくとも、デジタル情報技術では、中国は世界トップレベルではないでしょうか。今後の中国・ロシア・アメリカの覇権争いが気になる次第です。
東京オリンピックでは、野村萬斎さんの演出が見れず、残念でしたね。北京では、張 チャン 芸謀 イーモウ 監督の素晴らしい演出、とても良かったです👏。オリンピックを通して、デザインやアートの刺激をもらい、仕事に役立ててゆきたいと思います。ミラノ大会も、楽しみです👍😋
物を作ることは楽しい!あなたも一緒に作って見ませんか?