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 2021年2月10日、実家で飼っていた猫『モカ』が亡くなりました
 ペットとの生活について日頃から考えていることがあるのでお読みいただけると幸いです

1 モカとの出会い

 モカがうちに来たのは、2009年の11月
 僕は大学4年生でした モカが来る以前の2008年2月14日に当時飼っていた先代の猫『メケ』が亡くなりました モカがうちに来たのは2009年11月
 僕は大学4年生でした

 モカが来る以前の2008年2月14日に当時飼っていた先代の猫「メケ」がなくなりました
 小学校2年生からうちにいた大好きな家族です
小学校5年生の時に祖母が亡くなってから近しい人の不幸はなく『死』というものがどのようなものかわかり始めてから初めて失ったいのちがメケでした
 メケの『死』が僕に与えた悲しみは大きく今でも夢に見るしこの先また猫を飼おうという気は起きませんでした

 そうして1年半程が過ぎたころ母から、

 「捨て猫の譲渡を行っているNPO法人から子猫を引き取ることになった」

と聞かされました。

 僕は反対でした
 メケ以外の猫に愛することが想像できないこともありましたが必ず訪れる家族の『死』に向き合うことができないと考えたからです

 でも猫を引き取ることは既に決まっていたため僕の反対が聞き入れられることはありませんでした
 うちは父も母も温厚で何かを勝手に決めて子ども(僕は妹と2人兄弟。)は従うだけということは一度もありません
 「勉強しろ」と両親から言われたこともありません
 そのため母が家族の意見も聞かずにこのような決断をした理由は今もわかりません(母は存命なので聞こうと思えば聞けるのですが。)。

 そうしてモカが兄弟の黒猫『チャコ』と共にうちに来ました

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 僕はモカとチャコを一目見て飼うのを反対していたことも忘れうちに来てくれて本当に嬉しいと思いました
 本当に幸せだと思いました
 この幸せはいつまでも続くのだと疑いませんでした
 いずれ訪れる『死』のことなど頭からなくなりました

 『モカ』という名前は白と薄茶色の配色が「カフェ・モカ」に似ていることから付けました
 ちなみに『チャコ』は幼いことに住んでいたアパートの敷地に住み着いていた黒猫の名前が「チャコ」だったことから名付けました。

2 モカと過ごした日々

 僕は大学卒業後はロースクールに進学し合格後の司法修習地も地元であったことから大学卒業後もしばらく実家にいたためモカと過ごす時間はたくさんありました

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 弁護士になった年の7月に妻(当時は結婚前)と同棲することになり家を出ることになりました
 実家に帰るのは四半期に1回(年に4回)程度になりました
 モカと過ごす時間は減りました
 それでもモカは僕のことを忘れることはありません
 嬉しくて近寄ってくる ということはありませんでしたが僕がなでると気持ちよさそうに体を伸ばしていました
 あまり会えはしないけど家に帰ればモカがいる
 それが当たり前でした
 もちろんいずれ訪れる『死』のことなど頭にありません。

3 モカの死

 今年(2021年)の1月の終わりごろ母から連絡がありました。

 「モカがご飯も食べられず水も飲めなくなった」

 獣医師さんに診てもらったところ「膵炎」にかかっておりしばらく点滴で様子を見るとのことでした

 それから僕はモカの『死』猛烈に意識するようになりました


1月27日
 一人で実家に行きました。
 モカが定位置で横になっていたので撫でてやるといつもどおりうっとおしそうにこちらを見てから立ち上がり移動をしてまた横になりました
 体調が悪いにもかかわらず飼い主を邪険にする態度に少し安心しました

 しかし、数日後、獣医師さんに診てもらったところ

 「治らない」

とのことでした

 具体的に余命がどれくらいだとかの説明を受けたわけではありませんがもう残されたいのちがほとんどないことは理解できました。


2月3日
 妻と4歳の娘と実家に行きました
 モカは横になっていました
 僕が撫でるとこの前と同じようにうっとおしそうに場所を変えました
 そのしぐさに微笑みながらも涙が溢れて止まらなくなりました
 妻も泣いていました

 僕はモカに話しかけました

 「うちに来てくれてありがとう」

「とっても幸せだったよ」

「もっと一緒に遊びたいな」

「これからもずぅーっと大好きだよ 忘れないよ」

 これがモカに会った モカと話した最後でした


2月10日
 この日は伯父の告別式があり父・母・妹・僕の4人が揃った珍しい日でした
 伯父は僕のことをかわいがってくれていたので生前を思い出し涙が止まりませんでした
 妹は前日に実家に泊まったらしくモカとも話せたようです
 前日のモカは少しも動かずずっと寝ていたそうです
 告別式が終わり僕は仕事に向かい他の3人は実家に行きました。
僕も実家に寄ることもできたのですが弱りゆくモカを見る勇気がなく逃げたのです

 17時頃、母から

 「おむかえがきた」

と連絡がありました。


2月11日
 実家に行くか迷いました
 前日と同じようにモカの『死』から逃げようとしたのです
 でも前日の伯父の告別式で火葬に立会い死者を送り出すことの大切さやそれによって残された者の心が救われる気持ちになったこともあり(少し宗教的ですが。)母に実家に行くと伝えました

 実家に着き箱に納められているモカを見ました
 涙が止まらなくなりました

「うちに来てくれてありがとう」

「とっても幸せだったよ」

「もっと一緒に遊びたいな」

「これからもずぅーっと大好きだよ 忘れないよ」

 この前と同じことをモカに伝えました

 本当にこのままずっと一緒にいれたらいいのに

 両親も妻も働いていますがその日は建国記念日で休日だったので僕の家族と両親が実家に揃いみんなでモカを送り出すことができました
 食事もできずに辛かっただろうによくがんばったね

 おつかれさま

4 『いのち』をあずかるということ

 ペットを飼うことについては否定的な意見もありますが外敵や食べ物の心配をする必要がない環境で過ごせるという点では動物にとって幸せな事だと思います

 ただし『いのち』をあずかることの意味をしっかりと考えなければなりません

 ペットは写真をSNSに投稿して反響をもらうためだけの道具ではありません
 虐待や利益重視のペットビジネスは絶対に許せません

 『いのち』をあずかる以上は大切にそして幸せにしてあげなければなりません
 一生かけて『いのち』のために尽くさなければなりません

 そのような義務を果たしてはじめて『いのち』を預かることから得られる優しい気持ちや幸せな気持ちを受け取る権利があります

 社会に存在する動物に対する闇について少しでも皆さんにも考えてもらうきっかけになってくれたらうれしいです

5 モカへ

モカとあってから僕はずっと幸せだった

モカも幸せだったらいいな

とってもさみしいよ

モカがいたから勉強もがんばれて弁護士にもなれました

モカの飼い主が世界一の飼い主だって天国で自慢できるように

これからも挑戦をやめないよ

いままでありがとう

おつかれさま

ずっと大好きだよ

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