動画編集者の本当にあった怖い話
動画編集の仕事は、クリエイティブで楽しい一方、トラブルや思わぬ困難に直面することもあります。特にフリーランスや個人事業主として活動している場合、そのリスクはさらに高まります。この記事では、実際に周囲の動画編集者や一緒に仕事をしている仲間たちから聞いた“本当にあった怖い話”をご紹介します。
これらの体験談は、一見自分には無関係に思えるかもしれませんが、注意を怠ると誰にでも起こり得る話ばかりです。この記事を通じて、事前に備え、同じ過ちを繰り返さないための参考にしてください。
1. 納期直前での大失敗
ある編集者は、いつものようにクライアントから依頼されたYouTube動画の編集を行っていました。納期が迫る中、10時間にも及んだ編集作業を完了し、最終チェックをしようとしたところ、突然PCがクラッシュ。すぐに再起動しましたが、編集ファイルが壊れてしまっており開けない状態に、、、
バックアップが取られていなかったため、10時間の作業内容が完全に消えてしまいました。最悪のタイミングでのトラブルに、焦りとともに冷や汗が止まりませんでした。最終的に、クライアントにその旨の連絡して納期変更をしてもらったため、無事編集を終わらせることができました。その経験からバックアップの重要性を改めて痛感したとのことです。
2. 超低予算の「無理難題」案件
ある編集者は、最初に「15分動画のエンタメ系YouTube編集で予算5,000円」という条件で契約がスタートしました。金額は低いながらも内容は明確だったため、それならば対応可能だと判断して作業を開始。しかし、編集作業が進むにつれてクライアントから次々と追加編集の要求が飛び出しました。「ここにエフェクトを入れてほしい」「SE(効果音)を入れてほしい」「この動画素材(数分程)も入れられる箇所に入れてほしい」等々、もちろん最初に聞いていた編集内容とは全く異なる追加要求でした。編集者が追加費用がかかることを説明しても、最初に追加作業や費用に関する取り決めをしていなかったため「予算内でやってもらわないと困る」と一蹴されてしまいました。泣く泣く最初の低予算内で全ての作業を完了させるしかなかったのです。結果として、時間的・精神的な負担が大きくなり、大きな教訓を得る結果となりました。どのような案件でも必ず仕事を受ける前に「どこまでの編集をいくらで行うのか」といった内容を盛り込んだ契約書を交わしておく必要があります。もし契約書が難しい場合でも必ずメールやメッセージなどに文字でその旨の証拠を残しておきましょう。
3. 商用利用不可素材で発覚した恐怖と代償
ある編集者は、フリー素材サイトからダウンロードした素材を使って動画を制作しました。動画は無事に納品され、クライアントもそれを広告動画として公開。しかし、素材の利用規約を十分に確認していなかったため見落としてしまっていたのですが、その素材は商用利用が禁止されているものでした。フリー素材サイトにある商用利用禁止の素材を誤って使ってしまっていたのです。後日、クライアントが素材の利用規約を確認した際に問題が発覚しました。
クライアントは直ちに動画を使用停止し、編集者に抗議しました。当初は損害賠償を請求する構えを見せましたが、編集者が誠実に謝罪し、事態収拾に向けた対応を迅速に行ったことでなんとかその場はおさまりました。編集者は代替素材を使用して動画を修正し、無償で再納品することでクライアントの信頼を部分的に取り戻しました。結果として賠償金の支払いは免れたものの、編集者にとっては自らの信用を傷つける結果となり、大きな教訓を得る出来事でした。
このようなトラブルは、利用規約をしっかり確認しないまま素材を使用することで容易に発生します。編集者にとって、素材のライセンス条件を正確に把握し、それに準拠して使用することは基本的な責任です。利用規約の確認は手間ではなく、リスクを避けるための重要なプロセスであると改めて認識する必要があります。
4. 連絡が取れないクライアントとのトラブル
ある編集者はYouTube動画の編集を行い納品すると、クライアントから「弊社のクオリティに達していない」といったフィードバックを受けました。動画編集をはじめたばかりの初心者だったため、「やはり自分にはまだ早かったか」と落胆していましたが、そのクライアントのチャンネルを確認してみるとなんと自分の編集した動画が公開されているのです。すぐにクライアントに連絡をしましたが、全く返信は来ません。待てど暮らせど返信が来ず、時間だけが過ぎ、編集者は支払いを受けることもできませんでした。編集者はどうして良いのかも分からずに、結局その案件で損失を被りました。このように動画編集者を食いものにする悪質なクライアントも少なくありません。クラウドソーシングサイトにはクライアントの評価欄にこれまでの編集者からの評価が記載されています。依頼を受ける前には必ずその評価欄を確認し、クライアントに問題がなさそうかをしっかりと確認しておきましょう。
5. 膨大なフィードバック地獄
動画編集の納品後、クライアントからフィードバックを受け取るのは当たり前のことです。しかし、ある編集者は、予想を超える量の修正要求を受けてしまいました。最初は「少しここを変えてほしい」という軽微な修正から始まりましたが、編集を進めるにつれてその要求は過激になっていき、最終的にはほぼ全てをやり直すような指示にエスカレートしていきました。
何度修正しても再修正のフィードバックを受け、作業が終わる気配がありませんでした。最終的には、予定していた作業時間をはるかに超過し、時給換算ではほぼボランティアに近い状況に。編集者は、最初に明確な修正回数や範囲を取り決めておくべきだったと痛感しました。
6.支払いをしないクライアント
ある編集者がクライアントからの依頼で短いプロモーション動画を制作しました。動画は無事納品され、クライアントも満足している様子でした。しかし、約束された支払日を過ぎても入金がありません。不審に思った編集者が問い合わせると、クライアントは「忙しくて忘れていた」と謝罪の言葉を口にしました。編集者はそれを信じ、再度支払いのリマインダーを送りましたが、またも期日を過ぎても振り込みはなし。
最終的にクライアントは「今月は予算が厳しい」「来月には必ず支払う」と言い訳を繰り返し、何ヶ月も支払いが遅延する事態に。編集者が支払いを強く求めると、とうとうクライアントは連絡を無視し始めました。幸い、メールや契約書の記録が残っていたため、最終的に法的措置の可能性を示唆することで支払いを受けることができましたが、精神的にも時間的にも大きな負担がかかる経験となりました。
こうしたトラブルを防ぐため、契約書を作成し、納品前に支払いを一部でも確保することが重要であると、編集者は痛感しました。
まとめ
動画編集者が直面するトラブルは様々で、予想外の問題がつきものです。これらの経験から学べるのは、事前の契約や修正回数の取り決め、支払い条件の明確化がどれほど重要かということです。どのような小さな案件でも、自分を守る上でも契約書を作成しておく必要があります。編集の技術だけでなく、クライアントとのやり取りやリスク管理のスキルも、成功する動画編集者にとって欠かせません。今回紹介した実例を参考に、今後のトラブルを防ぎながら、プロフェッショナルとしての姿勢を築いていきましょう。
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