もしゲームの中に閉じ込められたら 5
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オレはトオル。
部屋でゲームをやっていたらいつの間にか眠ってしまったらしい・・・。
妙に、リアルな夢だ。夢だと認識できるほどに、リアルな夢だ。。。
ここはどこだろう?
見たことのある景色だ。どこで見たっけ???
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オレは一瞬固まってしまった・・・。
全身の血の気が引くような感覚、そして、身体から冷や汗が出た。
そして、恐怖すら覚えた。
この部屋は見たことがある。どこで見たのか・・・
テレビで見たのである。
自分の部屋で、ゲームをやっていた時に見たあの景色だ。。。
なんだ、このリアルな感覚は。
オレは念のため、頬をつねってみた。
「イテッ」
えっ、痛いの?なんで?これ、夢じゃないの?
マジで!
嘘だろ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
やめてくれよ〜〜〜〜〜!
このゲームは人間農場だぞ〜〜〜〜〜!
オレは家畜じゃな〜〜〜い!
オレは奴隷じゃな〜〜〜〜い!!!
心底ヒヤッとしている。
怒りがこみ上げてきた。
「マジ、ふざけンな!どうやって戻るんだよ!!
なんなんだよ、これ!!!ふざけんなよ!!!」
一人でキレてみた。壁を殴ってみた。殴った手が痛い・・・。泣
ひとしきりキレた後に、ようやく少し落ち着いた。
「よし、まず、深呼吸をしよう、スーハースーハースーハー。」
鏡を見てみる。オレの顔は、トオルではなく、ハヤテの顔になっていた。
体も細マッチョの185センチ・・・
オレが設定した通りじゃねーか!
年齢は確か今、24歳のはずだ。25歳に覚醒すると設定した。
まだ、覚醒には時間がある。
とにかく、状況確認をしよう。
トオルのハヤテは、部屋の外に出てみることにした。
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©️2020/1 ひかり