もしゲームの中に閉じ込められたら 9
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月曜日
今日は仕事だ。場所は確か、虎ノ門だったな・・・。
スーツ・・・確かにスーツはみんな同じような服だな。誰も疑問に思わんのかね〜。しかし、今の俺様は身長185センチの細マッチョ・・・似合うじゃねーかこのやろう!ちょっとかっこいいと思ってしまう自分がいた。
会社は、まあまあ楽しかった。プログラミングの知識は少し持っていた。趣味でプログラム組んでいたから・・・助かった!
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オレがハヤテになってから、数週間が過ぎていた。
会社はまあまあ楽しかったが、意識を保っていないと自分がハヤテなのかトオルなのか時々あやふやになる時があった。
これは気をつけていないと、自分が誰か分からなくなってしまうぞ。。。
そして、おそらくこれが試練だろうというものがやってきた。
恐ろしく暇なのだ。そして、何か新しいことをやりたいと思っているのに、何をやったらいいのか自分でもよく分からない。仕事に行って、帰ってきて、時々遊ぶ。テレビを見て、仕事して、遊んでの繰り返し・・・。
こんなんでいいのか?
どうすればいい・・・。
そう思っているときに、前の会社の先輩「島崎さん」から、声がかかった。
「面白いセミナーがあるぞ。ちょっと話だけでも聞いてみないか?」
何かをしたいと思っていたオレにベストのタイミングで声がかかった。
これは行ってみるしかなさそうだ。
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会場についてみると、入り口に男性が立っていた。受付を済ませ、中に入ると島崎先輩がいた。
「よお、よくきたな。すごく面白いから期待しててくれよ。」
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セミナーの内容は・・・自己啓発だった。
しかし、合宿とやらがあり、3泊4日で8万円。
5泊6日で12万円・・・・やられた!
大体、仕事しているのに、そんなに休みが取れるか!それにそんなことにお金を使うなんてもったいない。
帰ろうと思ったら、周りにいた数人が囲み出し、どれだけこのセミナーが素晴らしいかと熱心に説き始めた。つまり、ほとんどがサクラだったのだ。
こんな時のオレは、べらぼうに頑固だ。
絶対に首を縦に振ることをせず、「とにかく帰る」と振り切った。
なんだ、この流れは・・・。
その後も島崎先輩から何度か連絡があったが、全て無視した。
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©️2020/1 ひかり