まさに官能を刺激
忘れられない香りがありますか?
それは官能に働きかける香り?
ていうか、そもそも【官能】ってなに。
【官能】
1.感覚器官の働き。
2.感覚。特に、性的感覚。
ふーむ。
有機化学では【官能基】という日常では耳慣れない言葉が使用されその意味は、
【官能基】 (functional group) 官能基とは、有機化合物の中にある特定の構造を持つ基で、その化合物の特徴的な反応性の原因となる原子や原子団のことである。
私の前職がまさにライフサイエンス系だったため【官能基】という言葉は日常的にとても重要なキーワードだった。
そのため【官能】という言葉を聞くとつい、分子の物性が思い浮かぶ。
香りの世界が有機化学と密接な関係である事は言うまでもない。
しかしながら匂いの表現のひとつとして、【官能】と聞くと…。
ふーむ…?となる。
しかしながら官能的な香りと聞いてその香りを試すと、なんとなく納得できる。
なんとも説明し難いが、なんとなく動物的な本能を刺激してくるような香りだ。
そしてその香調を調べるとそこには《ムスク》が含まれている場合が多い。
私は個人的に《ムスク》が含まれている香りを好む傾向にある。
即ち私にとって忘れられない香りとは《ムスク》が少しでも含まれているか否かにある。
《ムスク》単体で嗅いでも全くいい匂いじゃない。
むしろ、ほとんどの人が「クサっっ!!!」って思うかもしれない。
例えばチョコレートの香り、
これには”バニリン(バニラの香り)”と”イソ吉草酸(足の裏とか納豆の香り)”が含まれている。足の裏と納豆の匂い!?絶対「クサっっ!!!」じゃん。
そう、”イソ吉草酸”単体はとても臭いのだ。
それなのに、あの甘くて茶色い物体を一口含めば口中に幸福をもたらすのだ。
分子はそもそも様々なファクターによって予想もしない変化をきたす。
嗅ぐ側の状態でも香りは変化する。香りの変化というよりもむしろ感じ方だ。
環境、気候や温度でも。
その機構が解明されていないために起こる、あらゆる化学変化によってこのチョコレートのような事が起きているのだろうと思う。
だから面白いのだ。
そして最近私はこの【官能的】な香りに出会って衝撃を受けた。
LIQUIDES IMAGINAIRES : DESERT SUAVE (砂漠の幻影)
灼熱の太陽を浴びた時に飛ばしたい香り。(この背景は全く不似合いなのだけど)
最初にかすめるのはスパイシー。カルダモンだ。
そのあとキリッとした柑橘。
最後にいやらしくない優しい甘さが残り香となる。デーツとバニラのような。
【Top note】
Cardamom, Tangerine, Clove
【Heart note】
Orange Blossom, Rose, Date
【Base note】
Labdanum (Rockrose), Sesame, Atlas Cedarwood
Description
Les Liquides Imaginaires - Desert Suave - Eau Imaginaire
This new perfume created by Quentin Bisch & Nisrine Grillie is the third opus in the Eaux Imaginaires Trilogy, after Île Pourpre and Fleuve Tendre: an Oasis of imaginary lands. It is fertile land in the midst of the desert, with precious water fostering luxuriant vegetation. It is an invitation to stop, relax and delight in pleasures of the ve senses. This perfume is reminiscent of palm fruit – dates and baskets brimming with the spices and avours of travelling pilgrims and caravans. As they pass by, they leave behind delicious perfume mingling with the hot wind.
これを身に纏うと初めてハイヒールを履いて出かけた時を思い出す。
少し背伸びして大人な女性を印象付けたい時に纏いたい香水だ。