O型人間の話
ワタシの血液型は O 型 で、ワタシ以外家族は全員 A 型、っていう環境で育ちました。
血液型で性格なんか分析できるのか?と昔から思っているし、『大規模な統計的研究により、血液型と性格の間に相関はみられないことが示されている』とあるので、血液型と性格はやっぱり関係ないらしいんですけど、 TikTok で『 O 型の人の特徴』というのが流れてきてなんとなく見てみたら、思わず笑っちゃいましてね。
O 型の人は、エンジンがかかるまでに時間がかかる
O 型の人は、思い通りにいかないと「まぁいいや」で諦めがち
O 型の人は、ハマっていることに関する知識は専門家並み
O 型の人は、本当に怒ると黙り込む
O 型の人は、根拠のない自信があり、己の勘を信じて分量を計らずに料理する
O 型の人は、閉まっているはずの窓から部屋に侵入してくるカメムシが謎すぎて尊敬している
その通り。
知らない人がほとんどの集まりには行きたくないとか、寝てしまえば大体のことはどうでもよくなるとか、当てはまることばかりで、血液型で性格をざっくり読み取るのもありかな?と思ってしまいました。
子どもの頃を思い返してみると、「なるほど」と納得することばかりでしたしね。
ワタシより5歳上の A 型の姉は、呑気な性格でマイペース過ぎるワタシがどうしても気になるのか、よく口を出してきては憤慨していました。
こうしないとダメとか、あ〜しなかったからこうなったんだとか。
そこでちゃんと「うんそうだね」とか可愛く返事をしとけばいいのに、「は?」だの「い〜じゃん別に」だの、子生意気な返しをするもんだから、そりゃ〜姉はシャクにさわるわけです。
姉が何を言ってきてもどこ吹く風でちっとも気にしないので、それが心底面白くなかったようで、「お母さん、ちょっと聞いてよ〜」とチクられるのはいつもワタシの方でしたから。
A 型は、「協調性やルールを大切にする、真面目で几帳面、社会的使命感が強い」という特性があるそうです。
ウチの姉は、まさにそのタイプ。
学校の宿題はしっかりやるし、生徒会にも入っていてルールを守り守らせる人でした。
一方、O 型のワタシは、宿題は "出さないとまずいものはやる" っていう感じで、夏休みの宿題なんかは最終日までやらないのが普通なので、平気な顔をしているワタシに姉は毎度イライラしていましたね。
とはいえ、スイッチが入ると早いんです。
結果がどうであれ、気にしないので全て仕上げます。
計算なんて合ってなくてもいいし、絵日記なんて全ページ「今日は晴れて暑かった」でいいし、読書感想文は一文づつ改行してあらすじを書き、最低枚数分かせいだら最後に「面白かったです」で十分です。
後々面倒にならないレベルに仕上げる、適度に適当が出来る天才でした。
これが、姉には我慢ならないんでしょう、きっと。
同じく A 型の母は、ワタシが小学生の頃、夏休みがはじまると決まってワタシにこう言いました。
「早く宿題やっちゃいなさい」
それがそのうち「やったの?」「やってるの?」に変わり、「いつやるの?」とイライラモード全開。それでもやらないワタシに「困るのは自分なんだから、お母さんは知らないよ」と言い放ちます。
この言葉が最終警告なので、これ以上怒らせないよう仕方なく宿題に手をつける、という流れがいつものパターン。
親からこんなことを言われると見放された気持ちになるのか、姉は「そんなこと言わないで」と焦って頑張る人なんですけど、ワタシは「別に、困らないな〜」「放っておいてもらってダイジョブっす」って思っちゃうタイプだったので。
夏休みの宿題は、中学生になるとルールが厳しくなり提出期限を守るのが当たり前となったので、面倒な数学のプリントなんかはお金を払って姉にやってもらいました。
「バイトと思って」と五百円玉をそっと渡すと、「まったくも〜」と呆れて大きくため息をつきながらもしっかり受け取ってましたから、共犯契約成立です。
高校の時は、英語の課題を全くやらないまま登校初日を迎えようとしているワタシを見かねた姉が、登校日の前日〜早朝にかけて徹夜でやってくれたらしく、朝起きると「自分でノートに書き写しなさい」という手紙と共に、英文の訳がびっしり書かれたレポート用紙数枚がワタシの机の上に置いてありましてね。
素晴らしい姉でしょ。
ありがとう、お姉ちゃん。
最初の授業までに出せばいいや、って思ってたけど。
これで、とりあえず怒られずに済みます。
本当に、ありがとう。
と、心から感謝して学校に行き、そのレポート用紙をそのまんまノートに貼り付けて提出しました。
そう、これが O 型。
高校の期末試験の数日前、勉強せずにテレビを見て大爆笑しているワタシに、母が激怒したことがあります。
「いい加減、勉強したらどうだ!」と。
怒ってる。
え〜?
怒るんだ。
ここはひとまず、退却するか。
と、この時はテレビを消して風呂に入って寝ました。
で、次の日。
"ものすごくやる気が出ないし、ちっとも勉強したくない"と思ったワタシは、母にこう尋ねます。
「勉強しなくてもいい?」
すると、こう返ってきました。
「したくないならしなきゃいい。どうなっても知らないよ!」
しなくていい。
今、そう言ったよね。
お許しが出たので、なんの迷いもなくくる日もくる日もゆるりとテレビを見て過ごし、期末試験は終了。
結果はもちろん、とんでもない点数です。
許しをもらっての結果なので、ワタシは堂々と全てのテストを母に見せました。
「本当にやらないなんて…」
愕然とする母。
へっちゃらな顔をしてテストを一緒に眺めるワタシを見て、「好きにしてくれ」と諦めがついたようです。
これを機に、母はワタシには何にも言わなくなりました。
O 型は、その特性からいって、経営者や冒険家や軍人やギャンブラーに向いているそうです。
ワタシはどれにも、これっぽっちも向いているとは思いませんけどね。
過去に、自分自身を「私は、繊細なブルドーザー」と例えた人に、こう言ったことがあります。
「じゃ〜ワタシは、大雑把なミシンですかね」と。
更年期ババアは、この先もこんな感じで生きていきたいと思います。