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消えたカボチャ

ボスとスーパーへ行くと、ワタシがレジで支払いしている間にボスがサッカー台 ( 会計後の商品を袋に詰める台 ) で袋に入れてくれるので、ササッと効率よく店を出ることが出来るため、週末は大抵一緒に買い物に行きます。

先日の連休中もそうで、スーパーの他にもドラッグストアやら、重たい荷物が多い時には手伝ってもらっていて、袋詰めもだいぶ上手くなりましたが、汁物をビニール袋に入れる等はやったりやらなかったり適当なことが多く、たまにエコバッグがえらいことになっていることがあります。
家に帰って買った物を袋から出すのはワタシなので、汁を拭いたり袋を洗ったりするのはワタシがやることになるんですね。
だから一時期、袋から出す作業もやってもらったことがあるんですけど、冷蔵庫への入れ方が輪をかけて適当すぎて、こっちの方がめんどくさいことになり、これについてはやってもらうのは諦めました。


先週の日曜日にも、いつものように買い物に行ったんですけど、次の日、とある異変に気付きましてね。

あれ?
カボチャがない。

国産のカボチャがとても美味しく食べられる今の時期は『チンして冷蔵庫にストック。それらを食べ終わる前に次のカボチャを買う』というのがワタシのルーティーンになっていて、その "次のカボチャ" を買ったはずなんです。

なぜだ?
野菜室に入っていない。

間違えて冷蔵室に入れてしまったか?と、一応探してみるも、やっぱりありません。

そこで、ボスに尋ねます。

「ねぇ、カボチャ、どうした?」
「オレ知らないよ」
即答すぎるので、"ちゃんと聞いていないのにとりあえず返事したパターン" と理解し、もう一度尋ねます。

「カボチャ、袋に入れて持って帰って来た?」
「カボチャ? 袋? 何だっけ、それ」

怪しい。

「カボチャを買ったはずなのに、袋から出した記憶がないことに今気づいたんだけどさ」
「え?カボチャなんか買った??」

二人して記憶が曖昧で疑問しか浮かばないので、それぞれ確認してみます。

ワタシは、ゴミ箱に入れたレシートを引っ張り出して内容をチェックし、ボスは車の中に置き去りにしていないかを見に行きました。

レシートには『国産 南瓜カット 193』とあります。

確かに買っている。

「車の中にはなかった」と、ボス。

カボチャのヤツ、一体どこへ?

ボスは「レジの人がカゴに入れ忘れたんじゃないの?」って言うんですけど、存在感ハンパないヤツを忘れるわけなかろうと、さすがにそれはないだろうと踏みました。

だとすると、答えはひとつ。
"ボスが袋に入れ忘れた" としか思えません。
とはいえ、カボチャ1/2個をサッカー台に置き忘れるものなのでしょうか?
誰かしら気づくはずですしね。
「カボチャ、忘れてますよ」って。
人も多かったし、あんなデカイヤツ、目に入らないはずがないですから。

ボスがカゴを戻す際、カゴの中は空っぽだったことはワタシが確認してるんです。
だから、袋に全部入れてくれたと認識したわけなんですが、どういうことなんでしょうか。

カボチャは何処いずこ


カボチャがないことに気づくのが翌日の夕方って、ワタシもアホなんですけど、今更電話して聞くのもどうかと思いますし、忘れ物としてカボチャが保管されていたとてわざわざ取りに行くのか?って話ですしね。

結局、ボスは「レジの人がカゴに入れ忘れた」と思っています。
でもワタシは、ボスがカボチャを無意識にカゴから出し、視界の入らないところに何となしに置いてしまった故に袋に入れ忘れた、と推察しています。


なぜなら、前科があるからです。


ボスが、歯医者に行った時のことです。
帰宅して「はい、お釣り」と、ワタシの元に持って来たお金が5000円足りませんでした。
診察代は1990円。
ボスには10000円札を渡したので、お釣りは8010円のはずなのに、渡されたのは3010円です。

「5000円、足りないけど?」
「え? オレ、受け取ってそのまま財布に入れたし」
「お金、確認しなかったの?5000円札、もらってないんじゃない?」
「ん〜。わからない」

お金のやり取りについては、その場で確認しないと厄介です。
「とにかく電話して」と、歯医者に連絡を入れさせたところ、「こちらでは金額に間違いはございません」と返されてしまいました。
そんなはずはないとボスが食い下がると、お金を数えて確認してくれる ( 現金残高とレジペーパー上の残高を合わせる ) というので、折り返しの電話を待つことになりました。

数分後、「やはり、金額は合っています」との連絡に、ワタシも愕然。

どこ行った、5000円。
ご、せ、ん、え、ん!
ちょっと、シャレにならない金額です。
我が家にとっては、デカすぎる痛手。

仕方なく電話を切ったボスも、この時ばかりは肩を落としていましたが、程なくしてまた電話が鳴ります。

「駐車場に落ちていました」

1000円札5枚が二つに折られた状態で落ちていた、という連絡が入り、後日取りに伺うと返事をして電話を切ったボスは、「絶対、オレじゃない」と言い張ります。

お札5枚?
釣りは8000円なのに、それだけが落ちるわけがない。
受け取ってすぐ全部財布に入れたんだから、落とすなら室内のはず。
渡し忘れをオレのせいにしてる。
絶対、そうだ。
オレの財布は三つ折りだ!

自分に非はないことをいつになく熱くぶつけてくるので言ってやりましたよ。

「お釣りの確認をしないアンタが悪い」と。


結局、数日後に、ワタシが5000円を取りに行きました。
真実は今でもわかりませんが、こういうことが起きるのは大抵ボスの確認不足なんですね。
今回のカボチャ事件で、今までのやらかし具合にいい加減喝を入れたいところですが、本人に全く自覚がないのでどうしたものやら、って感じです。

ちなみに、我が家でのボスのあだ名は『適当マン』です。




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アユミ@絵描き
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