着物の虫干し
8月中にやろうと思っていたけど出来なかったことのひとつ、免許証の更新が終わったので
その次に移っています。
それは、着物の虫干し。
一般的に虫干しは、年に3回 ( 8月 / 11月 / 2月 ) のペースで行うのが良いとされていて、特に8月は梅雨明け後なので、タンスの中に溜まった湿気をしっかりと取り除くのに最適の時期といわれています。
昨年の秋から着物を普段から着るようになったので、しまいっぱなしにしてはいないし、夏物と入れ替える前にしっかり干してからしまっているので虫干しの必要はないんですが、今回は、母が持っている着物 ( 秋冬物 ) の虫干しをするために予定を立てていたわけです。
昨年いくつか譲り受けて
つい3ヶ月前にも夏物をもらったんですけど
まだだいぶ数があるので、残り全ては虫干ししてから受け入れようと思いましてね。
そう簡単に取れるレベルではない樟脳の強烈なニオイが厄介なので、数日は干さないといけないため虫干しには時間がかかります。
室内では一度に3枚しか干せず、何日かに分けて行わないといけませんから早めに取りかかりたかったんですけど、コロナになってしまったので出来ませんでした。
虫干しは、雨の日の前後を避けて晴れの日が続いているときに行う必要があるため8月にやってしまいたかったんですけど、やっと先週から干しはじめられましてね。
夏物の絽があったので、まずはこれと
大島紬2着を干しましたが
ニオイが取れるまで丸3日かかりました。
他にも山ほどあるのでそれらを順番に干していくんですけど、1日干せば大丈夫そうなものもいくつかあって、具合を見ながら作業を進めていきます。
日中は風通しの良い脱衣所 → 夕方にリビングに移動、っていうのを繰り返して
やっと正絹の着物が全て干し終わりましたよ。
ちなみにこれら ↓ は全部、しつけ糸がついたまんまの未着用状態で保管されていました。
素人のワタシが見てもわかる、とても質の良い素敵なものばかりです。
呉服屋だった祖母は、店を畳んでからも母に着物を誂え続け、母が結婚した後も出来上がった着物を母の所に持って来ては、箪笥にしまっていったそうです。
母は、ワタシや姉の入学式や卒業式などの行事の際に着物は着ていましたが、それ以外は「仕事や子育てで忙しく着る暇がなかった」と言っていました。
着る回数より着物の数の方が上回ってしまった、ってことなんですけど、にしてもたくさんあって驚きます。
着ていないなんて、実にもったいない。
『お誂』とは、洋服でいうところのオーダーメイドにあたり、希望通りに着物を作ることです。 着る人に合わせて反物を裁断するところからオーダーで行うので自由度が高く、袖丈や裄丈など自分サイズで思い通りの仕上がりになります。
母の着物は全て、お誂。
ワタシは背丈と体型が母と全く同じなので、母が着ていた着物は全部快適に着られますから、本当にラッキーです。
着物に興味を持ちはじめた30代の時に、着物販売店ではじめて自分で着物を買いました。採寸して誂えるわけですが、出来上がってきた着物が何となく大きく感じたんですね。
まだ着物初心者ですから何が正解かもよくわかっていないですし、「お店でちゃんと採寸したんだから自分のサイズに仕上がっているはず」と、そのまま数回着たんですけど、そのうち全く着なくなり衣装ケースにしまったままになっていました。
それを、昨年、着物生活を機に久しぶりに引っ張り出して虫干ししたんですけど
他の着物と比べて、やっぱりなんか大きいんです。
で、これと同じサイズで誂えた大島紬がまだ未着用だったのでそっちを着て確認してみたところ
なんだか、生地が多い?
「多い」という表現が適切かは分かりませんが、とにかくそんな気がしたので、取っておいた当時の採寸表を調べてみましたよ。
鯨尺じゃ分かりにくいのでセンチに直してみると
着物の標準寸法そのままのようです。
今更知ったんですけど、着物って、よっぽど痩せている (太っている) とかじゃない限り、標準寸法 ( 決まっている数字 ) で作られるんですね。
その人の体型に合わせて微調整して作られるものと思っていました。
着物は洋服と違って纏うものなので、ある程度許容範囲をもって寸法を出すものなんだそうです。洋服のように、程良くフィットするサイズで作られるものではない、ってことですね。
着慣れると自分の好みがわかってくるので、それによって正確な寸法を決めていくと良いらしいのですが、そんなの知りませんからね。
「身丈」とは、着物の出来上がりの長さで、一般的に背からの寸法のことをいいます。基本的には『身長=身丈』となっていますが、ワタシはこれだと長すぎて着付けしにくいので、身丈はもう少し短い方が好みです。
母の着物の身丈の寸法は150cm 前後ですし、袖丈も45cm 以下がほとんどで、それに着慣れてしまったから標準のサイズが大きく感じてしまうのかもしれません。
だから、着心地もイマイチ、となってしまうんだと思います。
" 高価な着物を誂えるのは着慣れてから " っていうのを、もっと早く知りたかったですね。
虫干しはというと、まだまだ終わりませんよ。
お次は、引き出しに目一杯入っているウールの番です。
台風の季節がやってきちゃいますね。
これ、9月中に全部干し終わるんでしょうか?
着ようと思っていた夏着物も酷暑で着きれていないので、順番に着ていきながら虫干しを終わらせたいと思います。
みなさまのご支援に感謝します。