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「世界中のインターフェースを獲りに行く」。第二創業期を迎えるクリエイティブサーベイの挑戦

クリエイティブサーベイは、「顧客の声を機会に変える」をミッションに掲げ、あらゆる顧客接点で使える次世代データ入力インターフェイスを担うマルチチャネルフォームを提供しています。

創業者である田口亮からバトンを受け継ぎ、2023年11月にクリエイティブサーベイの代表取締役に就任した石野。就任から2年目を迎える今、この1年間の振り返りと、クリエイティブサーベイの挑むインターフェース市場について聞きました。

クリエイティブサーベイ株式会社
代表取締役 石野真吾

2013年にSansanへ入社しセールス&マーケティングの仕組み作りなどを行った後、2017年よりMarketo/Adobeにてソリューション開発や新製品のSalesTechの国内展開を牽引。2019年よりSmartDriveにてCEO補佐兼CMOとしてマーケティング領域及び事業開発領域を統括する。2023年5月よりあらゆる顧客接点で営業機会を逃さない「Ask One」とブランドと顧客がつながるアンケート「CREATIVE SURVEY」を提供する クリエイティブサーベイ株式会社の取締役副社長、10月より代表取締役に就任。


違和感を覚えた導入企業

── そもそも、クリエイティブサーベイへの参画にはどのような経緯があったのでしょうか。

クリエイティブサーベイの株主であり私の古巣でもあるSansanから、クリエイティブサーベイで経営に携わらないかという誘いを受けたのが最初のきっかけです。

これは他のインタビューでもすでに話していることですが、「アンケートツールの会社」と聞いた時は、失礼な話ですが、これから大きく成長する分野ではなさそうだという印象を持ちました。グローバルで成功している競合がすでにいますし、簡単には売れないのではと思ったのが正直なところです。

当時在籍していたスマートドライブではCMOという責任ある立場を任されていたこともあり、一度はお断りしようと考えていたんです。ただ、代表の寺田さんをはじめSansan時代にお世話になった方から声をかけていただいたからにはきちんと調べてから結論を出すべきだと思い、クリエイティブサーベイの企業研究を始めました。

すると、CREATIVE SURVEYの導入企業の4社に1社がプライム上場企業であり、BtoB、BtoCともに偏りのない属性で利用されていることが分かりました。まだまだ成長余地のあるスタートアップという風に聞いていた事業規模などからすると、名だたる企業が並んでいることに非常に違和感を覚えたんです。

そこで、公開されているすべての顧客事例を読み込み、エクセルでキーワードの出現回数などを集計してどのように活用されているかを分析したり、知人の導入顧客にも何気なく聞いてみたりして、深く調べていきました。

そこで分かったのは、「CREATIVE SURVEY」には大規模なキャンペーンのLP、博物館の展示物、自動車ディーラーのヒアリングシート、CRMの入力インターフェースなど幅広い業種業界で多種多様なユースケースがあるということです。

「アンケートではあるが、アンケートではない」。顧客事例からこの事実を発見した時に心に火がついてしまったんです。「このプロダクトはもっと売れるはず」だと。

顧客が使い続けている、すなわち価値を感じているプロダクトがあり、一方でその価値が世の中に伝わりきっていない。ここからさらにプロダクトとマーケティングを磨くことで、誰も気が付いていない市場を切り開くことができるのではないかと直感したことが、この会社でやると決めた理由ですね。

顧客のユースケースから生まれた「Ask One」

── 就任からちょうど1年が経ちますが、当時の直感に対して手応えはありますか。

目指す場所をエベレストの頂上とするとようやく富士山の3合目に着いたくらいの感覚ですが、着実に土台が固まってきました。社外的な取り組みとしては大きく2つあり、1つ目は「あらゆる顧客接点で営業機会を逃さないマルチチャネルフォーム『Ask One』」のプロダクトリリースです。

従来から提供している「CREATIVE SURVEY」は、上述の通り顧客ごとに多様なユースケースがあるプロダクトです。当社では「サーベイ」では一括りにできないユースケースに対して、「当社が提供しているプロダクトは、マルチチャネルフォームである」と再定義しました。

その上で、市場セグメントごとにブランドを分けて、顧客とのコミュニケーション、マーケティング、ブランドに沿ったユースケースを深堀りしたマルチブランドで展開しており、Ask Oneはその第1弾としてリリースしました。

Ask Oneは、BtoBのレベニュープロセスにおける課題解決にスコープを当て、インタラクティブなフォームの構築やMA・SFA間でのデータ連携をシームレスに実現するプロダクトです。Sansanの協力によって、名刺に特化したAI-OCRなどのテクノロジーを組み合わせることで、唯一無二の価値を提供できています。リリース以降、急速に顧客数が伸びており特にこれまでは多くはなかったSaaS企業やグローバル企業、エンタープライズ企業の方にもご利用いただいています。

──Sansanの技術協力があることは心強いですね。2つ目の取り組みは。

2024年11月に開催した「THE REVENUE」という2,000人以上の方にお申し込みいただいたカンファレンスです。これは、Ask Oneのターゲットテーマを持続的でスケーラブルなレベニュー成長と定め、レベニュー組織の生産性向上や人材育成をサポートするレベニューオペレーション(RevOps)支援を提供するエンハンプ株式会社と共同開催したものです。

錚々たる登壇者の方々、スポンサー企業様にご支援いただき、当日は多くの方にご来場いただきました。社員数はまだ50名程度、リリースから2年目のプロダクトでこの規模のカンファレンスを実施することは大きなチャレンジの一つでしたが、やればできるものだなと。今後のさらなる拡大に向けて良いスタートを切れたと思います。

「THE REVENUE」での集合写真

「あの時、あの仲間と一緒に出来て良かった」と思える会社に

──社内的に行った取り組みはありますか。

ちょうど1年半前の入社したタイミングで、顧客の声を集めて活用するプロダクトを提供しているのだから「自分たちが一番顧客の声を聞く組織であるべきだ」と考えて、全社員を10チームに分けて顧客訪問を行いました。

当時は完全フルリモートの会社だったのですが、全国にいる社員に集まってもらい、顧客訪問でヒアリングした内容を全員で議論したことによって、顧客が何に価値を感じて使い続けていただいているのかを自分も含めて腹落ちさせる機会を作ることができたと思います。

その他に、私の就任前から在籍していた社員一人ひとりと1on1を行い、変えたいこと/変えたくないこと/課題と思っていることを直接聞いて、クリエイティブサーベイという会社とそれを支えてきた社員の皆さんに対して理解を深められたのは良かったですね。

──すでに創業から10年経つ会社でバトンを継ぐことに対して、不安になることはなかったのでしょうか。

経営として悲観的に考えることは意図的にやりますし、人間なので不安になる時ももちろんありますが、後ろ向きになったことは一度もないですね。会社の変化をポジティブに受け入れてくれたことで、当初からスピード感を持って進めていくことができました。

これは私の性格かもしれませんが、一度心に火がつくとそこしか見えないので、「チャンスの女神は前髪しかない」と信じて、どうやって事業を成長させていくか、今はその一点に集中しています。

──「チャンスの女神は前髪しかない」、日頃から石野さんがよく言っている言葉ですね。今、組織づくりで意識していることは。

どのスタートアップも同じだと思いますが、やりたいこと、やるべきことがたくさんあります。私がSansanに入社したのは2013年ですが、それはSansanがテレビCMを始めたのと同じ年です。そこから4年間、急激に会社が成長していく環境があったからこそ短時間で圧倒的な経験を積むことができました。

あの時の経験、あの時の仲間がいるから今のキャリアにつながっている実感があります。クリエイティブサーベイも、後に振り返った時に「あそこであの仲間と一緒にできて良かった」と思える会社にしていきたいと思いながらやっています。

あとは細かいことは言わず、年齢関係なく事業と顧客に向き合っていただき、成果で評価するというスタンスです。

世界中のあらゆるインターフェースを取りに行く

──最後に、クリエイティブサーベイの面白さ、そして今後のビジョンについて教えてください。

面白いのは、可能性に溢れていることですね。足元では新しいブランドのリリースを控え、来年はカンファレンスのワールドツアーも企画しています。

私たちが提供するプロダクトは、顧客がそれぞれのニーズに合わせて設計するインターフェースから流入したデータを柔軟にシステム連携させることができます。構造化データを取得するインターフェースとしてだけではなく、音声などの非構造化データを取得するインターフェースとして捉えると、未来では世界中のあらゆるインターフェースを置き換えることもできるはずです。

世の中にSaaSが普及してしばらく経ちますが、データベースに重きをおいているサービスが多い中、このインターフェース領域は未開の市場であり、かつ無限の広がりがある。最高に面白いタイミングだと思っています

長期的には、SansanとFOURDIGITという二大株主のサポートによってやるべきことに集中できる環境を生かしながら、事業と顧客にシンプルに向き合い、未開拓の市場を広げ世界中のあらゆるインターフェースを獲りに行く。これが今描いているビジョンです。


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