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教えて!ファシリテーターvol.13「トラブルへ備えておく会議」


はじめに

この連載ではファシリテーターとして、企業や行政の会議や議論の場をまとめ成果に結びつけてきた渋谷健さんに、会議初心者でも取り入れやすい「ファシリテーション」のテクニックや、「会議における疑問・質問」をお聞きする「初心者向けファシリテーション」をお届けしています。


会議の4象限

今回からは会議の4象限「動的×守り」の「トラブル会議編です」。トラブルは、いつどんなふうに起こるか、わからないですよね。トラブルを防ぐ努力はもちろんのこと、想定していないトラブルを迅速に解決できる仕組みを整えることが大切です。


ルールを決める

教えて!さん:渋谷さん、今回からはトラブル対応編を教えて頂けるんですね。「想定していないトラブルを迅速に解決できる仕組みを整えること」が大事とのことですが、どんなことから考えたらいいでしょうか。

渋谷さん:はい、トラブルが発生した時には慌てています。冷静に事に当たるためには手順、ルールが決まっていることが重要です。

教えて!さん:具体的にはどんなルールを決めればいいんですか?

渋谷さん:例えば、会議の開催条件です。これは「どんな時に会議を開催するか」です。緊急度が低ければ定例会時に話し合い、緊急度が高ければすぐに招集するといった基準を作っておきます。

教えて!さん:たとえば、システムがダウンするような障害が起きた場合にはすぐ対応会議が必要だが、○○レベルまでの障害なら、定例会で対策を考えるといった感じですね?

渋谷さん:そうですね、そんな感じでいいと思います。次に、責任者を決めておくことです。たとえば、WEB対応はAさん、顧客対応はBさん、それ以外はCさん、というように各担当を明確にしておきます。また、責任者が不在の場合の対応者も決めておくことが重要です。トラブルの種類によって誰に確認すればよいかが分かっていれば、初動がスムーズになりますよね。また責任者が不在時に代りになる担当者まで決めておきましょう。

教えて!さん:確かに、不在時の対応者を決めておくのは大切ですね。そこは漏れやすそうです。

渋谷さん:会議への出席者も事前に決めておきましょう。最優先で参加すべきメンバーをあらかじめ決めておくと良いでしょう。各ポジションの責任者が一人ずつ参加するのか、もっと少ないメンバーでもいいのかなど、組織によって変わってきますよ。

教えて!さん:参加メンバーを決めておけば、すぐに対応できますね。会議の進め方についてはどうですか?

渋谷さん:会議の進行方法も事前に決めておきます。基本的には状況確認とアクションの判断が主な内容です。手順を明確にしておくことで、判断に悩み議事が進まないという事態を避けやすくなります。

教えて!さん:会議の記録や共有方法についても教えてください。

渋谷さん:記録は簡単に、すぐに共有できるようにします。オンラインツールを活用したり、録画してアーカイブするのも有効です。誰がどのような発言をしたのか、が重要になることは多いです。簡単に記録をとれる仕組みを用意しておきましょう。

教えて!さん:具体的には、どのようなツールが便利ですか?

渋谷さん:例えば、GoogleドキュメントやSlackなどが便利です。ZOOMを文字起こしをしながら録画しておくのも便利です。リアルタイムでの共有が可能ですし、後で見返すこともできます。


見直し

教えて!さん:ルールを決めるだけでも、かなりの準備が必要なんですね。他に注意すべきことはありますか?

渋谷さん:はい、体制の変更や実際にトラブル対応を行った後など、状況に応じてルールを随時見直すことも大切です。組織が変わっているのにマニュアルは同じ、では必要な時に役に立たなくなっていることがあります。状況に応じて調整が必要です。

教えて!さん:見直しのタイミングとしては、人事が大きく変わった、システムが大きく変わった時などでしょうか?

渋谷さん:そうですね。大きな変化があった時には特に見直しておくといいですよね。状況に併せてアップデートをするものだと思っておいてください。どんなマニュアルも同じですけどね。
教えて!さん:トラブル対応では、限られた時間で効果的に対処することが必要なので、余計な判断をしなくて済むように会議の準備をきちんと決めておくことが非常に重要なんですね。

渋谷さん:その通りです。予め決めた内容で会議を進め、時間や議論はトラブルそのものに集中させましょう。

教えて!さん:ありがとうございました、渋谷さん。次回もよろしくお願いします


まとめ

  • 会議の開催条件:緊急度に応じて柔軟に対応。

  • 責任者の設定:各担当を明確にし、不在時の対応者も決める。

  • 出席者の決定:優先メンバーを事前に決めておく。

  • 会議の進行方法:状況確認とアクションの判断を中心に。

  • 記録・共有方法:簡潔で即時に共有できるように工夫。




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