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教えて!ファシリテーターvol.11「勉強会当日の進め方」


はじめに

この連載ではファシリテーターとして、企業や行政の会議や議論の場をまとめ成果に結びつけてきた渋谷健さんに、会議初心者でも取り入れやすい「ファシリテーション」のテクニックや、「会議における疑問・質問」をお聞きする「初心者向けファシリテーション」をお届けしています。

会議を4象限で分類し解説している会議の基本編。「勉強会(攻め×静的)」のについて、解説をお届けしています。

勉強会の種類と進め方


教えて:渋谷さん前回は勉強会の3つの種類について教えて頂きました。今回は、勉強会当日の進め方について教えていただますか?

渋谷:はい、まず最初はチェックインから始めましょう。「チェックイン」といってもホテルや飛行機の「利用前の手続き」ではなくて、本題に入る前の加者の緊張をほぐす場のことを言います。参加者に所属や気分、勉強会で期待することなどを自由に共有して、緊張を和らげるのが目的です。
教えて:緊張をほぐすんですね。それって具体的にどうやるんですか?

渋谷:フランクな雰囲気を作ることがポイントです。課題をやってこなかったんです!すみません!みたいな人がいても、そこは責めずに「了解でーす!じゃ次の方!」くらいにして、逆に人やってきた人は「わ!すごいですね!」としっかり褒める。これでみんなリラックスできますよ。

教えて:なるほど、その後はどう進めますか?
渋谷:次に、参加者を3~4人の小グループに分けて対話を行います。ここでは、各自が分かったことや感想をシェアします。勉強会の内容によってアプローチは変わりますが、基本的には自由に話してもらうことが大事です。
教えて:なんで小グループなんですか?
渋谷:それくらいの人数だとちょうどよくしゃべれるからです。1対1より大きの気づきが得られますが、多すぎると話し手聞き手のバランスが悪くなるの塩梅でしょうかね。
対話の後は、理解したことを発表してもらいます。ただし、発表は任意です。挙手してもらって、自分のペースで話してもらうのがいいですね。全員が順番に発表する必要はありません。無理に発表させると緊張が高まってしまうので、話したい人が挙手してぐらいがちょうどいいですよ。

教えて:話したい人が話す、でいいんですね。よかった。

渋谷:全員でわからなかったことを付箋に書き出し、整理します。そして、次回の勉強会で何を学習するかを決めます。共通の課題がない場合はここで勉強会を終了し、各自で学習を進めますが、共通の課題がある場合は次回までに何をどう学ぶかを具体的に決めるんです。
教えて:みんながどんなふう感じたことを集めて、次を考えるんですね。〆にやったほうがいいことありますか?
渋谷:最後にチェックアウトです。感想や学びを発表し、次にどのような行動を取るかを宣言してもらいます。例えば「職場でシェアします!」といった感じですね。

教えて:勉強会の成功のために大切なことは何ですか?
渋谷:参加者全員が積極的に関わることです。もしA(本や動画で学習)やB(研究)の課題を行ってこない人が多いと、C(講師に話してもらう)に頼ることが増え、講師の負担が大きくなります。他力本願の姿勢は勉強会をつぶす原因になります。覚えておきましょう、「他力本願は勉強会をつぶす」ということを。
教えて:ありがとうございます、渋谷さん。次回も楽しみにしています!


まとめ

1.チェックイン:

緊張を解き、参加者が所属や目的を共有
課題未提出者もフランクに受け入れ、提出者をほめる。

2.対話

小グループで感想や学びを共有。

3.発表(任意)

理解したことを任意で発表。

4.わからなかったこと

全員でわからなかったことを整理。
次回の学習内容を決定。共通課題がなければ終了。

5.チェックアウト

感想を発表し、次の行動を宣言。

※注意事項:課題未実施が続くと講師の負担増。勉強会は他力本願では成り立たない。



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