小鹿田焼「小袋窯」探訪記(前編)陶土が出来上がるまで
大分県日田市の伝統工芸品である小鹿田焼は、開窯以来300有余年にわたって当時の技法を受け継ぎ窯の火を守ってきました。平成7年には国の重要無形文化財保持団体の指定を受け、現在も山間にある集落で歴史と伝統を守りながらじっくりと手仕事に取り組んでいます。
今回、9軒ある小鹿田焼の窯元のうち、小袋窯の9代目である小袋道明さんにお話を聞きました。道明さんは20歳から小鹿田焼の道を歩み始め、今年で24年目を迎えました。ちなみに、CREATIVE BASE FABの地場産セレクトショップでは、小袋窯の陶器を販売しています。
小鹿田の製作は原土の採取から始まります。陶土の原料となる土は集落の近くにある山から採取しています。採取した原土は乾燥させて、こぶし大に砕きます。
こぶし大に砕いた陶土は、川の流れを動力とした唐臼によって約3週間かけて粒子状にします。現在、集落には全部で50の唐臼があるそうです。
粒子状になった陶土は水を加えてカワボウで撹拌します。この作業を水簸(すいひ)と呼びます。できた泥水はふるいで何回も濾します。凝縮した泥水は“オロ”と呼ばれるろ過槽で水抜きします。さらに、天日や窯の上で乾燥させて陶土にします。
陶土が出来上がるまでに要する時間は約1カ月半。一連の作業は道明さんの奥さんが担当しているそうです。
小鹿田焼「小袋窯」探訪記(後編)成形そして登り窯での焼成、に続く。
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