動画生成の主力ツールはKLING AI v1.6になりました(RunwayとSoraは脱落)/特定の動画生成AIに依存した強固な映像制作ワークフローは大変危険 - Blog 2025/01/24
明日の第22回 GenAI 報告会、よろしくお願いいたします。
2025年、最初の報告会になります。
※Zoomの上限に近づいています。上限に達すると自動的に参加受付が終了してしまいますのでお早めに!(以下のページに申し込みのURLがあります)
映画制作の動画生成AIについて
映画制作ではRunway Gen-3 Alphaが主力でしたが、12月19日にリリースされたKLING AIのバージョン1.6が最も高性能な動画生成AIとなり、比較検証を続けてきました。
今回、様々なシーンでKLING v1.6がRunway Gen-3 AlphaやOpenAI Soraを上回っていることが確認できましたので、メインツールをKLINGに変更しました。
プロンプト応答性の向上:
プロンプト入力に対するモデルの理解力が強化され、複雑なシーンや動作の指示にも正確に対応できるようになりました。視覚的美観の強化:
生成される動画の色彩やディテールがより美しく、現実的な光と影の表現が可能となり、全体的な映像品質が向上しています。物理的動作のリアリズム向上:
キャラクターの動きや物体の相互作用がより自然で現実的になり、例えばお茶を注ぐ動作やトマトを切るシーンなど、細かな物理表現が向上しています。
Runway Gen-3 AlphaやOpenAI Soraより優れている点:
動画内のオブジェクトの動きや相互作用をより効果的に捉えることができる(意図した映像に近いものが生成される)
10秒の動画生成でも映像が安定している
KLING AI バージョン1.6は、中国の動画生成AI技術の進化を象徴するモデルといえるかもしれません。3D空間時間アテンションや高度な自然言語処理技術の導入により、プロンプトへの応答性、視覚的美観、物理的動作のリアリズムが大幅に向上しました。
Runway Gen-3 Alphaはサブツールとして併用するか、使用停止する可能性が出てきました。OpenAI Soraも使用頻度が低下しますが、ChatGPT Proが必須な理由は「o1 Pro Mode」なので、一応サブツールとして継続します。
ただ、映画制作中にRunway Gen-3 Alphaの性能がアップデートされ、KLING v1.6を超えた場合は復活します。
Runway Gen-3の最新モデルが出てくる可能性もありますので、いつでも柔軟に乗り換えられる体制で進めます。
このような過渡期の技術は変化が激しいので、特定の動画生成AIに依存した強固な映像制作ワークフローは大変危険です。
いつでも乗り換え可能なモジュール型のワークフローが安全。
可能な限り早く、有望な複数のAIモデルを比較検証して、素早く判断していかないとコンテンツ制作に大きな影響が出てしまいます。
常に、最も優秀なAIモデルを組み込むべきです。
Adobeが昨年4月に公開したコンセプトムービーでは、Premiere Pro内で(Firefly Videoだけでなく)RunwayやOpenAI Soraなど他社のAIモデルも使用可能にするという方針を打ち出しています。これは、とても理にかなった仕組みだといえるでしょう。
続報が出てこないので、ちょっと心配していますが….
KLING v1.6が優れている点については、明日の報告会で取り上げます。
更新日:2025年1月24日(金)/公開日:2025年1月24日(金)