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イラレの生成AIが凄いので Live - 2023/10/11 Adobe MAX 2023

Adobe Illustraor 28.0に搭載された生成AI(ベクターグラフィックの生成)が衝撃的だったので、このページにまとめていきます。

イラレの生成AIの探求は以下の新しいページに掲載しています

新しいイラレ生成AI関連ページ

イラレの生成AIでイラストを描く



イラレで生成したベクターグラフィック

本日からロスアンゼルスでAdobe MAX 2023がスタートしましたが、遂にAdobe Illustrator(バージョン28.0)に「テキストからベクター生成 (Beta)」が実装されました。Adobe Fireflyのベータ版が登場した時から待機リストに掲載されていたので、いつ搭載されるのか注目していました。

ベクターデータの生成は、デザイン業界に与える影響が大きいので3月から報告会や勉強会等で意見交換を続けていきましたが、今日実際に触ってみて、想像以上の衝撃を受けました。

テキストからベクター生成 (Beta)


プロパティパネルに「テキストからベクター生成 (Beta)」が表示されています。「テキストからベクター生成 (Beta)」パネルもあります。

「テキストからベクター生成 (Beta)」パネル

生成できるベクターグラフィックの種類は「被写体」「シーン」「アイコン」「パターン」の4つです。

ベクター生成の種類

プロンプト:

ポップな超かわいいアニメスタイルの女の子, 大胆な色使いのインスパイアされた肖像画, ドットベクター, 着色, フラットな背景

プロンプトを入力して「生成」をクリックするだけで、ベクターグラフィックが生成されます。

生成されたベクターグラフィック

生成パネルのオプション:

  • A:スタイルピッカー(スタイルを抽出できる)

  • B:サンプルプロンプトを表示(現在は6種類だが今後増えていく)

  • C:ディテールの設定(0〜5の数値)

生成パネルのオプション

ベクターデータの生成は、イラレの36年の歴史で最も革新的なことだと思います。テキストを入力するだけでベクター形式のグラフィックが無限に生成できるようになったので、非デザイナーのユーザーがかなり増えるのではないでしょうか。

有料ユーザーも11月から生成AIの使用にクレジット制限が適用されます。
生成クレジットが無くなると生成速度は低下しますが、生成できなくなるわけではありません(※無料ユーザーはクレジットを使い切ると次月まで使用できなくなります)。
コンプリートプランのユーザーは毎月1000クレジット提供されますので十分だと思いますが、ヘビーユーザーの方は追加購入を覚悟した方がよいかもしれませんね。

無限に生成できる(クレジットを使い切ると生成速度は低下する)

1ファイルに生成できる数ですが、Photoshopの場合は60個目で生成ボタンがグレーアウト。イラレは制限されていない?のか、以下のファイルは126個が生成されています。
保存したAIファイルのサイズは、10.8MBでした。このファイルに生成したすべてのベクターグラフィック(およびプロンプト)が含まれています。

AIファイルのダウンロード:

  • text-to-vector-sample.zip(15.1MB)
    138個の生成データ(+プロンプト)が含まれています
    ベータ版は制限なし?? 延々と生成ボタンをクリックできる….

126個の生成グラフィック(まだ生成できる)

このイメージは、キャラクターを「被写体」、背景を「シーン」で生成しています。
「シーン」はプロンプトの内容によってクオリティがかなり変わります。すごい雑に表現することがあるので、傾向を検証した方がよさそう。

「被写体」と「シーン」の組み合わせ
背景のイメージは「シーン」で生成

プロンプト:

Magical Girl in Anime Style, Japanese Manga, Anime, Animated character sheets

Fireflyで使用したプロンプトを流用

イラレの生成AIを使ったアートワークの動画(58秒):


まだベータ機能なので、今後の調整で3次ベジェの精度はさらに向上していくと思います。
現時点で詳細な評価は控えておきます。Fireflyもベータ版から正式版になって大幅に表現力が向上しましたので。

まだベータ機能なので積極的にフィードバックしてほしい

デザインの現場では、Photoshopの生成AIよりインパクトありますね。
生成される3次ベジェはまだ荒削りなところがありますが、ユーザーのフィードバックやAIの追加トレーニング等で精度は向上して行きますので、期待して良いと思います。

パンドラの箱を開けてしまったか

画像生成AIの中で最もデザイン業界に影響を与えると言われていたのが「Text to Vector Graphic(ベクターデータの生成)」です。

関連記事:

AdobeやMicrosoftは生成AIを「Copilot(副操縦士)」と定義し、人間の代替ではないことを強調しています。
以下の記事のとおり、既存ツールに取って代わるものでもないと記されています。

よくある質問と回答
(Adobe Illustrator 公式ページ「シンプルなテキストプロンプトを使用してすばやくベクターグラフィックを生成」)
https://helpx.adobe.com/jp/illustrator/using/text-to-vector-graphic.html

テキストからベクター生成 (Beta) は、Illustrator の既存のツールに取って代わりますか?

テキストからベクター生成 (Beta) は、Illustrator の既存のツールを補完するための生成 AI 機能です。

よくある質問と回答

一方で、この機能が今後、さらに進化していくことも予告されています。

よくある質問
(テキストからベクター生成 - ベクター生成AI - Adobe Illustrator)
https://www.adobe.com/jp/products/illustrator/text-to-vector-graphic.html

Illustratorのテキストからベクター生成とはどのようなものですか?

テキストからベクター生成は、Adobe Fireflyの生成AIの技術を利用した画期的な新機能であり、Illustratorユーザーは、簡単なテキストプロンプトを使用してすべて編集可能なベクターグラフィックを作成できます。これは、テキストからベクター生成の最初のバージョンです。今後、コミュニティからのフィードバックを反映して進化し続けます。

よくある質問

この機能は、Adobe Illustratorを使ったことがない非デザイナーの方々にとって魅力的なツールであることは間違いないでしょう。
難易度の高い3次ベジェ曲線の制御を習得していない人でも、ベクターグラフィックを描画(生成)できるようになってしまったので、まずコンシューマーレベルの案件で活用されるはずです。
まだ、プロの要求を満たしたデータにはなっていませんが、生成AIの技術進化は速いのでラフイメージやプロトタイプ制作では十分使える機能になっていくでしょう。

今後、Adobe以外の企業も同等のツールをリリースすると思います。
時代の趨勢なのか…. それとも…


モックアップ (ベータ) 機能

こちらもまだベータ機能ですが、Photoshopの「消点(旧バニシングポイント)」と同等の効果を得られます。

モックアップ (ベータ) 機能

モックアップ (ベータ) 機能の動画(52秒):

  1. Adobe Fireflyで白いボックスを生成してダウンロード

  2. イラレの新規ドキュメントに配置

  3. イラレの生成AIでネコのアイコン(ベクターグラフィック)を生成

  4. ボックスの画像とネコのベクターを選択して、モックアップ (ベータ)のパネルで「モックアップ」をクリック

  5. ボックスにネコのベクターグラフィックが貼り付くので、マウスで位置やサイズを変更する

ボックスの画像はFireflyで生成した

モックアップ (ベータ) 機能の動画(38秒):
面を認識しているので、こんな無茶なことをやっても貼りつきます。
Photoshopの「消点 (旧Vanishing Point)」でも、これは無理ですね。


モックアップ (ベータ) を使用するには、データをダウンロードする必要があります。400MBあります。

ダウンロード後にパネルが表示される

参考:


Adobe Fireflyの新しいAIモデル

ここはイラレの検証ページなので、Fireflyは別のページを作成しますが、新しいAIモデルが使えるようになったので、少しだけ掲載しておきます。

Firefly Image 2 (Beta) が使用可能になりました。
以下の生成画像をご覧ください。表現力が大幅に向上しています。まだベータなので、今後さらに向上する可能性があります。

Firefly Image 2 (Beta)による生成画像

AIモデルの切り替えは、右上の「モデルバージョン」をクリックします。
以下は、今までのAIモデル「Firefly Image 1」で生成された画像です。

「Firefly Image 1」の生成画像

モデルバージョンを「Firefly Image 2 (Beta)」に切り替えます。
まだベータ版です。

モデルバージョンを切り替えられる
「Firefly Image 2 (Beta)」の生成画像

スタイル参照および視覚的な適用量を調整して、スタイルに一貫性を持たせることが可能です。

スタイル参照による生成結果

Fireflyの標準スタイルもアップデートされ、「アニメ」などが追加されましたので、アニメスタイルのイラストも生成できるようになりました。今まで日本のマンガ・アニメスタイルの画像は生成できなかったのですが、新モデルで表現可能になりました。

アニメスタイルも表現可能になった
マンガスタイルも表現できる

リファレンス設定のUIが変更され、右側のパネルに統合されています。出来ることが増えて、初心者にはちょっと難しくなったかも。

参照設定は右のパネルに統合された



更新日:2023年10月11日(水)/公開日:2023年10月11日(水)

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