宇野維正先生考察第五十段　三原勇希 × 田中宗一郎 POP LIFE: The Podcast　「DUNE/デューン 砂の惑星」回でドゥニ・ヴィルヌーヴへの愛を語る宇野先生編

今回の宇野先生考察でついに第五十段にもなりました。

お馴染みの三原勇希 × 田中宗一郎 POP LIFE: The Podcast　のドゥニ・ヴィルヌーヴ及び「DUNE/デューン 砂の惑星」を語るエピソードの宇野先生の発言をピックアップしていきます。話の中でも出て来ますが宇野先生はかなりドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が好きなようで愛を語る宇野先生でした。

では始めます

『はい、映画音楽ジャーナリストの宇野維正です。告知をして良い？』

『アイドル全然興味ないし、BTSは俺の中で全然違うから。日本の芸能アイドルに全く興味ない』
タナソー「SMAP好きじゃん？」
三原さん「キムタク好きじゃないですか」
『ああ…』
『ジャニーさんとメリーさんが亡くなってから興味がなくなった。俺メリーさんが好きだったのかな？』

『あと大坂なおみへの興味もなくなった』
タナソー「俺とかゆうきちゃんへの興味は？」
『まだある』
『大坂なおみはオリンピックの件で興味がなくなった』

『6年前に比べたらボカロとかにも興味が出てるけどそれは僕が変わったんじゃなくてボカロが変わった』

『僕はアンダーグラウンドにあんま興味ないじゃん』
『11/4木曜日に新宿のピカデリーでフィルマークスとイベントやります。ドゥニヴィルヌーヴについて僕が語るんです』
『今後も定期的にやる予定です。』
『あと11/20に大阪の梅田のラテラルで半年ぶりにタナソーさんとトークイベントやります。配信もあります』
『ディズニープラス10/27から凄い事になります。スターがようやく日本に上陸します』
『ヴィルヌーヴは食えないやつですよ。なかなか本音喋らないしね』
『世界的にヒットしてるならお金的には続編は出来ると思うがあのキャストを半年拘束できるのか？は心配ではある』
『ホドルフスキーは過大評価されてると思っている。エルトポを観た時もあんまり…と思った』
『ホドルフスキーは内田裕也的なんですよ。往年の』

『僕は今年のナンバーワンですよ。でも、リアルサウンドの過去の年間ベスト観れば分かると思うけど、フィンチャーとヴィルヌーヴが撮れば年間一位ですよ。』

『二人が本人が満足するちゃんとした作品を撮ればそれはその年のナンバーワンに決まってるので。と言うぐらいのヴィルヌーヴ好きなので、ただ違う映画観たいから一本でやめて欲しかったけど今回観てパート2観たいやってそこまで思えるとは思わなかった』
『確かヴィルヌーヴが言ってたと思うけど「俺はマーベルの映画のオファーが来ても断る。子供の頃マーベルの漫画を読んでないから」と。それは凄く正しいと思う。俺もオファー来ても断るもん。観客としては楽しめるけど』
『それより三原さんの感想を。俺はずっと言ってるのに』
『映画はデザインだからね』
『予告の映像の使うところが良くなかった』
『俺はテレ東の浮き輪ってドラマが好きだったけど、予告に妄想のシーンを入れるのはどうかと思った』
『ティモシーシャラメはメンタリティはラッパー寄りの人だからね。ローティーンの頃、テレビ番組でラップとかやってたから。インディーロックじゃなくてラップの人だから』
『ティモシーシャラメの真似をしてラコステのポロシャツを買った俺でも流石に今回は真似しようとは思わないからね』
『余りにも綺麗だからさ』
『007とかもそうだけど映画ジャーナリストとかファンがこれはIMAXで観ないといけない！とか言うじゃないですか。俺も初期の頃は言ってたけど、現実問題、IMAXを観るのに高速で三時間ぐらい走らないと観れない人もいる。そういう人が疎外感を感じないように最近は言わないようにしてたけど、この映画はヴィルヌーヴも言ってるけど IMAXで観るための映画なんですよね。史上最高にIMAXじゃないとダメな映画。俺は両方で観たけどIMAXを最初に観た人じゃないとこの衝撃は分からない。俺はマジで呆然としてたからね。恍惚と』
『明確に縦長の造形を描いている』
『HBO MAXでも同時に配信されたけど先にHBO MAXで観た人があとでIMAXで観た時に全然違う！映画館ってやっぱりすごい！と思わせるための映画。クロエジャオとの対談でそれに近いことを言ってる。配信の流れの中で映画館はやっぱり凄いと思われる。ある意味、プロパガンダフィルムなんですよ。テネットよりもそれを意識している』
『IMAXのサイズが7割。007でも3割程度』
『ハンスジマーはこれと007の音楽をやってたからテネットをやる時間がなかった。音響もIMAX仕様』
『続編は説明や解説をしなくて良いから。最初からフルスロットルでストーリーテリング出来る』
『この映画を観せられるとエターナルズしんどくない？って思う』
『この映画を否定してる奴をまだ観たことない』
『映画は結局プラネタリウムであることをこの時代に証明したのはデカいよ』
『ここでしか言わないけど絶対IMAXで観てください』

【寸評】

フィンチャーとヴィルヌーヴが映画を撮れば年間ベストというぐらいのヴィルヌーヴへの愛を語る宇野先生です。

ティモシーシャラメに憧れて同じファッションをしてた話は以前もしてましたね。宇野先生の良い所は年下でも素直にあこがれを公言できる所ですね。俺が変わったんじゃなくてボカロが変わった。前の星野源が俺に寄せてきた発言に近い宇野先生の新名言が出ました。

『はい、映画音楽ジャーナリストの宇野維正です』
『父親との対比で母親が浮かび上がるのはヴィルヌーヴっぽいなと思うし、この時代この作品を撮りたかった理由だろうなとは思う』
『ヴィルヌーヴはわかりやすい作家性の人ではないんだよね。隠し味的にやる人がこの作品を撮るのが適任だったんだろうなと思うよ。彼の作家性が生かされている。』
『複製された男はミソジニックな作品ではある』
『アラビアのロレンスが作品のリファレンスだとヴィルヌーヴは言っている』
『アラビアのロレンスは名作じゃん』
『ヴィルヌーヴはディズニーのボンクラどもとはレベルが違う』
『ボーダーラインを作った監督の映画だなと思った』
『エリックロスのアドバイスで話が万民向けになった』
『ヴィルヌーヴがカナダ人でロシアやフランスなどヨーロッパで当たってるのは凄くリアル』
『イスラムメタファーはむしろ商業的なパワーだと思うよ』
『魔女はゲースロ以降の魔女感があって楽しかったけどね』
『タナソーさんのSIGN Podcastの魔女回楽しかったけど』
『イスラムの世界では中と外では違うって話は聞くよね』
『あっ、ゲースロって略し方ダメなんだよね』
『ゼンデイヤはめちゃくちゃ効率の良い仕事してるよね』
『ヴィルヌーヴは活劇撮ったことないからね。次やるとしたら明確なチャレンジになるよね』
『ジョージルーカスやピータージャクソンみたいに同じシリーズに掛かりきりになるのはあんまり良くないと思う』
『ヴィルヌーヴは基本、陰鬱で本音は言わない人なのよ』
『ライフワークの覚悟はあったんだなと。ヴィルヌーヴは三作続けてSFを撮っている。現代劇を撮ってくれよとは思うけど、これは集作だったんだなと』
『いろんな意味で賢い。僕は好きなんですよ。何故なら全ての作品が良いからね』

『灼熱の魂は当時俺はmixiでディスってだけどね。レディオヘッドの使い方がダサすぎるて。ヴィルヌーヴも今なら直したいと思ってると思うよ。使い方が田舎者っぽい。それ以外は良い映画だと思うけど』

『我の強い映画監督が好きじゃない』

『ホドルフスキーは技術がない。俺の中では園子温とか内田裕也と変わらない』

『風呂敷広げるのが上手いタイプ』
『客観性がない奴が嫌い』
『テネットはエンターテイメントとして最低限のことはやってるじゃん。穴は多いけど』
『ノーランは技術があんじゃん。』
『ノーランの45倍ぐらいヴィルヌーヴが好きだから』
『ヴィルヌーヴのフィルモグラファーで言うなら初めて引き受けた作品。劇場で観る作品をわしが支える的な』
『ヴィルヌーヴは、「マーベル映画はカットアンドペーストだ」と言ったことを切り取られて炎上した。』
『MCUだと父親は信頼出来ない存在として出てくる事が多くない？』
『押井守も言ってたけどアートってフレームなんで』
『キャストに興味がなかったらきついかもね』
『これは母と子のラブストーリーでしょ』
『10年後今よりIMAX映画が5倍になる。そのきっかけの映画』
『寄りでもIMAXが多くてそれも観たことない映画だなと思った』

『007の新作は最初の20分ぐらいは良いけど、酷いよ。脚本は酷い。キャリージョージフクナガは脚本ないのに撮ってたって言う。脚本家ストライキの時に撮った慰めの報酬再びですよ。もう何撮ってるか監督が分からないまま撮ってる』

【寸評】

宇野先生がmixiでかつてはヴィルヌーヴのレディオヘッドの使い方をディスっていたという良い話が出ました。

アレハンドロ・ホドロフスキー、園子温、内田裕也を流れるようにディスる宇野先生。相変わらずその辺りの徹底は凄いですね。

そして結構、良い評判も多い007の新作もまだ公開してそんなに経ってないのにディスる宇野先生。相変わらず俺の感性が全て正しいキャラは健在です。忖度しない姿勢は流石の宇野先生節でした。