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宇野維正先生考察第七十三段 the sign podcast初出演にて佐野元春への愛を語る宇野先生編

今回の宇野先生考察は実は初出演のthe sign podcastからの宇野先生の発言をピックアップしていきます。佐野元春回。宇野先生は良く佐野元春愛を語りますがこれだけしっかり話したのは珍しく貴重ですね。

では、ピックアップしていきます。




『お馴染みというか僕the sign podcast初出演ですよ。初めて呼ばれる回が佐野元春さん回と言う』

『僕もYouTubeとかPodcastやっててジングル選んだりしてて、sign Podcastはジングルが一番良いね。世の中面白いPodcastも往々にしてジングルダサいじゃん。YouTubeとかはわざとダサくしてる部分もあるけどPodcastはかっこいいにこしたことないじゃん』

『ありがたい事に佐野元春さんと仕事させて貰ってるんですけど』
僕の音楽の原体験は佐野元春なんで』

一緒にライブに行った時に横でタナソーさんがボロ泣きしてて、この人にも人の心があったんだなって。あの日は良い日でしたよ。』

『僕は佐野元春が全ての音楽の目覚め。リアルタイムで本当に心酔した最初の人』

『僕は常に誰かに心酔して生きてきた。最初は佐野元春、次がプリンス、その次がモリッシー。その3人が昔のピンナップはみんな壁から外して捨ててしまったと言う話ならずっと貼ってあるピンナップ。その3人だけは常に壁から剥がさなかったままここまできた。』

『僕は昔を振り返るような仕事は全て断っている。今も重要じゃないとはなしたくない』

『佐野元春さんを話すのは懐かしい話ではない』

『ここ20年で一番良い作品、一番良いライブをなってる。佐野元春さん66歳だよ。信じられない。そしては12歳の自分に君は正しかったと言いたい』

『こう言うレベルの活動をしてるのはボブディランとかデビットボウイとかルーリードぐらいしか浮かばない』

『中一の時にプレイガイドで徹夜して佐野元春さんのチケット取るって親に言ったら危ないからって親が代わりに徹夜して並んで取ってくれた。僕も中一の子いるけど子供が徹夜して並ぶって言ったら確かに危ないから自分が徹夜して並ぶよなと思った』



『僕が初めて就職したのはロッキングオンじゃないんですよ。スイッチパブリッシングだった。そこが佐野元春さんが編集長のディスを出してた。だから入りたかった。けど、一週間で辞めて、佐野元春さんのメインインタビュアーの渋谷陽一さんの会社に入った。佐野元春二択ですよ。スイッチパブリッシングorロッキングオン』




『そのぐらい僕は、まがいなりにも言葉の仕事をしてるのは多分、全部、佐野さんの影響。言葉の感覚が優れた人しか特に日本語のアーティストには全然好きになれない。佐野元春と同じぐらいの驚きをもたらせてくれたのを小沢健二だったし、宇多田ヒカルだったし。僕が好きなミュージシャンって言語感覚の研ぎ澄まされた人以外好きじゃないよね。全然。それも佐野さんが最初のイニシエーションだったから』

『3回目か4回目の佐野元春さんの全盛期が60代半ばにして来てて本当に新作は過去の作品で5本の指に入るぐらい良い』

佐野元春さんにインタビューした時に「人生に必要なものは二つある。ユーモアと官能だ」って言われてから常に自分にそれがあるか問いかけている』

【寸評】

ここでの重要な証言は宇野先生はスイッチパブリッシングに一週間勤めていたという話でしょう。お恥ずかしながら初めて知りました。





『sign Podcast初めて呼ばれました宇野維正です。2人がニヒリスティックだったりアイロニカルだったりする部分がこんなにない会話をするのって佐野元春さん以外ありえないよね』

『去年の春かな?何故か佐野さんの中ではタナソーさんと僕が何故かコンビになっているみたいで、連名で佐野さんからメールが来て、アニバーサリーの作品が出るのでいっしょに何かやれませんか?ってメールを貰ったんですよ。それが去年の大阪のトークショーの直前で、今年も秋にやりますけど』

タナソー「佐野さんがとある媒体に俺とこれまさちゃんの対談でページが取れないか?と説得までしてくれたのにそれがうまくいかなかったので」
『僕ら音楽メディアから嫌われてますから。佐野さんがわざわざ提案してくれた物を編集部が宇野とか田中とは仕事したくないって。こっちもこっちでお断りだ。お前らの出すギャラなんかで仕事しねえぞー!って言うのがあるんですけど』

タナソー「これまさちゃんって基本的に正義の味方じゃないですか」
『はい、正義の味方です』

『僕とか不信の塊なので。人間、みんな、悪だと思ってるので』

タナソー「もう大人なのにナイーブな君だから  間違えて傷付けないように 言葉を選ばなくちゃって佐野さんの歌詞。これは恐らく宇野維正のTwitterに対して言ってる。」
『ははは…(苦笑い)』

『俺、小沢健二の6月のライブに3回行ったの。それで佐野元春さんと同じ「歌ってください。心の中で」って言ってたけど小沢健二のファンは歌わないの。でも、佐野元春さんのファンは歌うね』
『俺も途中から歌ってたけど』

【寸評】

音楽メディアから嫌われていると自称する宇野先生とタナソー。いつもの話ですね。

秋の大阪のトークショウの開催が正式には発表されていませんが今回もやるようですね。

宇野先生と私が共通して好きなものに小沢健二があるのですが私も今回のツアーに行きましたが歌ってはいなかったですね。声にならない声が出てるときは結構ありましたが。





『佐野元春さんの新譜の横に置くのは宇多田ヒカルのBADモードとTohjit-mix。』

『ポップミュージックは出た時の時代の空気、匂い全て込みだと思う』

『例えば当時を知らない若い方が90年代後半の椎名林檎について書いてるものとか、まあ、えっ、うん、と思う。一読者としてはなんの関心も抱けない。この見方が正しいとは言えないけどそれが俺の考え方。』

『TONIGHT、WILD HEARTS、レインガール、君が気高い孤独なら、優しい闇。佐野元春さんで5曲選ぶならこれ。全て発売日にリアルタイムで買って聴いた物から選んでる』

『2007年に長くいた会社を辞めて、長くって言っても10年だけど、別の会社に移って、そこでやっていたサッカー雑誌が終わって、俺は別にフリーになりたかった訳ではないけどもうフリーで、1人でやらないといけないんだろうなと思った時に出た曲が君が気高い孤独なら』

『俺の大嫌いな言葉で言うなら背中を押してくれた曲。背中を押すって怖いよね。駅のホームで背中を押されて電車に轢かれて死んじゃうこともあるからね』

『褒める時なら良いけど貶す時に○○に似てるって言うやつはほぼほぼ馬鹿なんじゃないの?って思ってます』



『子供の時にたまたま佐野元春さんのフィルムコンサートを観てそれで俺は数十年続く勘違いをしてしまった。ロック好きだと思ってしまった。実は俺全然ロック好きじゃないのに。ロッキングオン出社まで続く勘違いをしてしまった。俺が好きなのはロックではなくて佐野元春だった』



『僕はロックンロールも大して好きじゃないね』
『佐野元春さんの新譜はケンドリックラマーと並べても良いぐらい素晴らしい。』
『俺が好きなのはロックじゃなくて佐野元春だって言えただけで思いが成就した気持ちですよ』

『ありがとうございました。』

【寸評】

小沢健二ファンはみんなそうだと思うんですけど、宇野先生が言う通りで〇〇に似てるから貶すのはどうなんだ?とは思いますし、宇野先生に同意です。あえて似せてるというか映画で言う同じようなシーンをオマージュで入れてるような遊び心なんですよね。小沢健二は。佐野元春もそうなんだと思います。

宇野先生の「俺が好きだったのはロックじゃなくて佐野元春だった」はなかなかの名言だと思いました。

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