宇野維正先生考察第八十一段 FM 802 THE OVERSEAS 後編 宇野先生NewJeansおじさん炎上に対する必死の弁護編

今回はFM 802 THE OVERSEASの後編です。やっぱりポイントはみんな大好きNewJeansおじさんとしての宇野先生の炎上に対する弁護ですね。
では、ピックアップしていきます。




『はい、この曲を選んだのはコーチェラの一週目だけでしたけどロザリアのライブにラウアレハンドロが出て来て』
深町さん「熱烈なキッスが」
『そう、ベソってスペイン語でキッスって意味なんですけど、カリスマなきいまのポップシーンにおいてね、ちゃんとそれをカップルで引き受けてる。かつてのビヨンセとJAY-Zのカップルを凌駕する。しかも二人はスペイン人とプエルトリコ人の国際カップルでもあるんですけど、スペイン語圏のカップルなんですけど、本当のカップルがこんなかっこいい曲を出すなんて、だいたいカップルの曲ってちょっと失敗するんですよ』
『マーヴィンゲイみたいに恋愛関係のない二人だと成功する事もあるけど、恋愛関係のある二人でこれは奇跡的だなと』
『みんながこういう二人に憧れるってそう言うの大事だよーって思うんだよね』






深町さん「先日、とある海外アーティストにインタビューした際に、オフレコで日本のレコードショップに行ったけど、ドメスティックな作品しか
売ってなくて、日本人は海外の音楽を聴いていないではないか?と言われたがどう思われますか?」

『少なくとも洋楽のフィジカルを買ってる人はいないよね』

タナソー「今のレコードショップはかつてのレコードショップとは違って今は記念グッズを買う所でストリーミングではちゃんと聴かれてると教えてあげてください。これはCD屋さんじゃなくてお土産屋さんですよと教えてあげる必要がありましたね」



『美術館の横にあるスーベニアショップみたいなもんですよね』


タナソー「単純に観客、オーディエンスの方が洋楽離れをしたと言うよりは産業側がそれを促したと言う方が正しいので。そして市場としてグローバルから見捨てられる。それは音楽だけではないと思いますけど。」

『バッドバニーはソニーだけど、そのオーキッドってレーベルなんだけど、海外の対応する日本の部署がないようなプエルトリコ時からの契約でやってて、それは代わろうとしているはず』

『日本では写真一枚取り寄せるのも大変』

『音楽は色んなカルチャーの中でも一番早く変化が現れる。僕もタナソーさんも普段洋楽って言葉をあんまり使わないけど、まあまあ海外のポップミュージックって今に始まった事ではないけど、数十年言われてるけど、映画の世界でも海外の映画を観る若い子が減ってる。』

『一方で日本発のIPが海外に進出してることもあって今の日本のポップカルチャーの状況はすごい不思議ですよね。世界的な影響力は確実に増えてるけど需要という面では。例えばラップとかでも本当に、演者側はUSのヒップホップから影響を受けててもリスナーは本当に日本の物しか聴かないみたいなそういうのが本当。ストリーミングの会社の関係者に聞くと日本のラップ聴いてる事は国内のラップしか聴いてない。今っぽいサウンドを聴いてる人でもと聞くと深刻だよね』

深町さん「日本の若いバンドにも日本のロックしか聴いてこなかったみたいなバンドが沢山いる。それってどうなんですかね?」
『どうなんですかっていうか、まあそれでユニークな物が生まれるんなら良いんじゃないですかね』

この間、ウィークエンドとBTSのシュガが曲出した時のジーニアスチャートの一位がYOASOBIでしたからね。世界中の人がYOASOBIが何を歌ってるかが気になっている。それはヤバいですよ』

『サマソニとか行くとめちゃくちゃアジアのお客さんが多いんですよ。そういう時代だと思うんですよね。観たいアーティストがいれば他のアジアの国に行く。アジア全体の洋楽マーケットみたいな物が活性されたらアジアツアーも回りやすくなるみたいな。今のところフェスは圧倒的に日本がアドバンテージがあるから。アジアの子達がアジアに来るけどそれがいつ取られるか分からないと思うよりは一緒に盛り上げていってじゃあ俺たちはタイにローリングラウドを観に行こうとかで良いと思うんだよね』

『一番辛いのはアジアに来てるのに日本ではライブがないこと。それがないようにアジア圏で欧米ポップカルチャーのファンベースみたいな物を育てていこうよって感じの時代なんじゃないですかね』

『今年の台風の目は大阪には残念ながら出ませんけどサマソニの前に出るNewJeansのアルバムじゃないんですかね。現実にBTSやBLACKPINKよりもグローバルで早いペースで売れてる。どこまで行くのか?って言う現象みたいな物を目撃すると言うのか贔屓目と言うかファンだからって言うんじゃなくて目玉の一つでしょ。どう考えても』


深町さん「でも、宇野さん3年後に観たくないって言ってましたよね?」
タナソー「ナイスナイス」
『それやめてください。ツイートで炎上するような話。それはそうじゃなくてあれはプロデューサーのミンヒジンさんの10代の語り直しである以上あのコンセプトは3年後ぐらいには全く違う物になるからいまはそれを想像出来ないし、想像したくないというか、ああいうアイドルグループって日本でもそうだけど成長を見て行くみたいな物があったじゃないですか。それはそうなんだけど、年齢が上がっていって寿命が長くてなって刹那な物ではなくなっている。NJって非常にフィクショナルか感じがする。あんなにコンセプトガチガチで、彼女たちの人格を否定している訳でなくて刹那なものとしてのアイドルの価値みたいな物がコンセプトに入ってる訳、僕が勝手に解釈してる訳ではなく。そのコンセプトを解説してるだけ』

『そういうコンセプトを楽しもうぜって言ってるだけで実際は3年後もっと大きくなってみんか仲良かったら続けるし、より全然違う物になっていく可能性はあるしそれを全然否定するつもりはないんだけど、こういう楽しみ方を出来るのってある種保守反動ではあるけど、最近なかったしそれをフェスの現場で観れるって凄く良いじゃないですか。NJはアメリカではロラパルーザに出て日本ではサマソニに出るって決断は凄く僕は良いと思う。目撃できるって話』


タナソー「WET LEGはフラジャイルで一回生」
『NJと一緒じゃんフラジャイルで一回生で刹那的で』
タナソー「WET LEGは刹那ではないですよ」
『そっかあ』

『私、宇野はですね、6/17に集英社からハリウッド映画の終焉って言う新書を。単著は結構久しぶりでこの本は映画の本なんですけど、日本における海外のポップミュージックのある種の終焉じゃないけど、そういうのに近い話。産業構造としてハリウッド映画のそもそもの足場自体が崩れかけているというような事を2020年代に入ってから公開されたプロミシングヤングウーマンから5月公開されるTARまでの16作品をピックアップしてこの16作品を論じながら今のハリウッド映画がどうなっているか?っていうことを書いた本で力作なので読んでください。この番組は音楽番組ですが、日本における海外文化需要とも非常にリンクしてる話なのでぜひ読んでください。』

『俺もタナソーさんのTwitterフォローしてないからね』
『ありがとうございました』

【寸評】
今回はほぼNewJeansの話しかしてない宇野先生ですが深町さんのナイスな突っ込みで例の『NewJeansおじさんの3年後のNewJeansは見たくない』発言の真意を引き出してましたね。本当に音声で聴くとこんなに必死な宇野先生記憶ないぐらい大好きなNewJeansを批判したと思われてる事を弁護してます。本当に宇野先生はNewJeansおじさん(本人も事実だからそう言われても何も思わないとトークショーで語っていましたが)なんだなあと思いました。NewJeansおじさんとしての宇野先生やたら叩かれてますが好きなのは本当みたいだしそれゆえにデビュー曲発表一時間後には俺は騒いでいたとも言いたいみたいですし悪意もないようなので許してあげて欲しい所ですね。


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