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宇野維正先生考察第七十六段 FM 802 AWESOME FRIDAYS 11/25出演回の宇野先生編
今回の宇野先生考察は11/25に大阪のFM 802のAWESOME FRIDAYSにタナソーと共に出演した回の宇野先生と発言をピックアップしていきます。
と、その前にかなり久しぶりの更新になってしまいました。更新してなかったのは宇野先生の音声媒体の出演がこの間なかったからです。POP LIFE THE PODCASTにも出演していませんでした。何故、出演してなかったかは先日の大阪でのトークショウで明らかになりましたが、ネットに書けないのでここでは控えますが・・・
という事でそのトークショウに合わせてFM 802のAWESOME FRIDAYSに出演した際のトークの中からピックアップしていきます。
『映画音楽ジャーナリストの宇野維正です』
『前に来た時に中国でこんなウイルスが流行ってるらしいってニュースが出始めた時だったから』
『映画に関して言うとアニメーションって言うコンテンツがコロナの間で本当に世界で勝負できるようになった。当たり前のようなはアメリカのボックスオフィスのトップテンに鬼滅の刃とかワンピースとかのアニメーション作品が入るようになった。実は同じようにインドの映画とかも入ったりしている。実は結構この2020年代の映画に関してはアニメーションなんですけど、着実に世界進出を果たしている。ハリウッド自体の映画の生産量が落ちている事もあるが実はチャンスみたいな物もあるんですよね。』
『本当に日本まだ過渡期でライブも世界中どこでも声出しとか、まあ声出しって言うのも変な話なんですけど、当たり前のようにマスクとかもしないでライブを観てる状況の中、日本はまだライブに行っても楽しみきれないとかに大きなライブは。あと、個人的には僕は日本に来日しないアーティストだと気軽に海外に観に行ってたけど、流石にこの円安恐ろしくてまだ海外に観に行けてない。腰は重くなり、財布は軽くなりで。でも、来年には色々変わってそれが可視化にしていく』
『日本のライブエンターテイメントも復活して来ているけど、ネガティブな話をするとコロナ前にはチケットがめちゃくちゃ売れてたアーティストのチケットが売れなくなってる人が増えてるって言う状況が実はあって、過渡期ではあるんだけど、日本の中のアーティストでも世代交代と言うか。今までしなさすぎたって言うのもあるんですけど、ただそういう色んなきっかけになってるかな?って言うのが色んな話を聞くと思う所です。』
タナソー「藤井風さんの死ぬのがいいわがグローバルヒットになっている。坂本九さんのスキヤキソング以来かも知れない。坂本九さんはアメリカだけだったが藤井風さんは世界中で流行ってる。そこまでの規模ではないが米津くんのチェンソーマンのテーマソング。やっぱりアニメ。一番のグローバルコンテンツなので。」
『ニューヨークのタイムスクエアの広告、看板が米津玄師だったりする訳ですよ。Spotifyのね。ついにこういう時代が来たなと』
『鍵はアニメーションとTikTokなんですけどね』
『TikTokは狙えないと言うか偶発性が強いけど、アニメーションはかなり周到な海外の配給とかのプロモーションとかで物凄く重要になってくるし、世界中の人たちの、特にユースカルチャーの日本への関心は間違いなくアニメーションなので、我々の世代だと実感が少ないんだけど本当に変わったんだなと言う感じがしますよね』
『TikTokでの流行は海外でも同じ。そこからしかスターを生まれないみたいな状況が来てる』
藤井風 / 死ぬのがいいわ
『これ2年前のファーストアルバムの客ですからね。本当にそのなんだろう。今までってレコード会社が新作が出るとプロモーションを考えて、こういうラジオ局とかにプロモーションをかけてそうやって広がっていくって言うのが、こうやって2年前の曲が突然グローバルヒットするとかなると。もちろん日本の藤井風チームがこの状況を受けて色々考えてるとは思うんですけど、例えば今年アメリカだとクリスブラウンがニューアルバムを出したんですけど、出したばっかりのタイミングで3年前のunder the influenceって曲がTikTokでバズって。新作が聴かれないで3年前の曲ばかりが聴かれて、結局どうしたかと言うと新作からじゃなくて3年前の曲のMVを新たに作ってました。そういうおかしなことも起きてる。もはやレコード会社主導のプロモーションプランも変わらざるえなくなっている』
『とにかく米津玄師のkick backも凄い勢いで世界中で駆け上がってますけども。これはみなさん沢山聴いてると思うので、あのチェンソーマンってご存知のようにエンディングが毎回変わるじゃないですか。これ日本のテレビドラマだと大豆田とわ子と三人の元夫だったりとか今だとエルピスとかもこういうやり方をしてるんですけど。これは僕がファンだと言うのもあるんですけど、ずっと真夜中で良い。の残機を聴いてください』
ずっと真夜中でいいのに。/ 残機
『今日はTikTokとアニメーションがヒットのきっかけ。特に世界に向けてって言うのはあるんですけど、ずっと真夜中でいいのにはこのコロナの間も割と規制のある中でもずっとライブをやってたんですよ。なんせコロナになった時はデビューしたばっかりだったんで。元々、人気のあるバンドは休止しても何とかなる。でも、実際、何とかなってないケースも散見されるんですが。でも、あの時点でデビューしたばかりのバンドって止まるのって本当にこれからだって時じゃないですか。彼女たちは止めなかったんですね。例えば今年のフジロックでホワイトステージの夜のステージで、パンパンに観客を集めてとてつもなく素晴らしいライブをしていた。彼女たちはボカロ以降存在だと思われていたのが圧縮された身体性が伴っていて、それが段々伝わってきてライブパフォーマンスでもファン層を広げる事が出来た数少ないバンドの一つだと思います』
『今年の紅白のラインナップを見れば分かるけど音楽を能動的に聴いている人たちにはどんどん新しい世界になっていくけどそうではない人たちはずっと取り残されたままみたいな二極化が凄く進んでいくと思う』
『僕らは能動的に聴く人たちに何が出来るかを考えていくなくてあんまりそうじゃない人たち所には言及しようがない感じになっていくしかないんだよね』
『僕が思うのは海外だとフェスも細分化してジャンルフェスも増えてるんですよ。特にラップフェスも増えてます。例えば、かつてだとコーチェラみたいなところにラップアーティストだと何をやるか?みたいな感じだったのが、ローリングラウドみたいなラップフェスで自分たちの晴れ舞台は完結してるみたいな所がある。日本でも今年ラップフェスの二つぐらい大きな物が始まったんですけど、いまはポップスが生音感が無くなったことによって結構みんな似通って来ている中である種ジャンルの強みみたいな物が出て来るかな?と。例えばラップとかだとラップフェスみたいな一応目指す場所もはっきりあるし、そしてのそのジャンルが世界とも繋がってることもありえるから、みたいな方向もありえるかな?と思って僕は見てますけどね。むしろ普通に良い曲を作ってそれで世に出ようとか砂の中から何かを探すみたいな物になってる』
『漠然と音楽をやってたらどうにもならないと思う』
『反省も込めて言うんですけど、我々が3年前にだした2010sと言う本はある種日本のガラパゴス化を嘆くと言うか憂うみたいな内容だったけど、そのベースは気持ちにはあるんですけど、ただもうはっきり分かってるのはアニメーションの話とかまさにそうですけど、もはやガラパゴスである事を武器にするしかないし、それしか武器にならない』
『今日聴いて頂いた藤井風さんはかなりコード展開とかもグローバルなポップミュージックのマナーに乗った物ですけど、ずっと真夜中でいいのにとかあれ世界中どこにない音楽ですよ。YouTubeでも海外の人が聴いてるリアクション動画とか観てもそれで興奮してるんです。もう意識的にやっていく段階なんじゃないかと』
『BTSが世界中でブレイクしたのはあれは王道を行きましたけど、欧米のポップミュージックと良いところの彼らの独自性をブレンドして。でも、その正攻法ではもはや難しいんじゃないかと思いますね』
『これをきっかけ聴いてビックリして頂けたらなと思います。なかなかハードな。そういえば深町さん来て頂きましたよね?』
『気になった方は聴いて頂けたらと思います』
『トークイベントはゴールデンウィークと年末に大阪でやりますのでまた来年のゴールデンウィークに。出来たらその前に久々の本のイベントで大阪に来たいと思ってます』
【総評】
大阪のトークショウの翌日の収録だと思いますがあの時とは打って変わり和やかでFM RADIOモードの宇野先生とタナソーでした。内容もかなり一般的なFMラジオリスナーに向けて分かりやすい内容だと思いました。その中で、流石の宇野先生。自身の好きなずとまよをしれっと紹介してます。
ここ数ヶ月、宇野先生の音声番組が全くなかったのに急に洪水のように週に何本も上がっていて全てを紹介できないかも知れませんが、あの数本。特に、アーカイブされないものは記事にする予定です。