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宇野維正先生考察第五十八段 三原勇希 × 田中宗一郎 POP LIFE: The Podcast 2021年ポップミュージック総括回前編で荒れる宇野先生編

今回の宇野先生考察はお馴染みのPOP LIFE: The Podcastからです。2021年の音楽総括回の前編の2エピソードの宇野先生の発言をピックアップしていきます。今回も相変わらず荒れ模様の宇野先生でした。

ではピックアップしていきます。




『はい、映画音楽ジャーナリストの宇野維正です。』
『俺と柴は渋谷で一緒にクリスマス。』
『もうこのタイミングでは聴けないから聴き逃した人は本当に残念』
『三原さん去年はご両親よりタナソーさんと話してるの?つらっ!お悔やみ申し上げます。』
『ポップライフは無冠の帝王のが良くないですか?』
『前のサードクォーターの時にみんなが薦めた物をろくに聴いて来なくて、一応反省したフリをしたんだけど、改めて聴いてみたけどあの時言ったことは全部正しかったなと思ってて。謝る事なかったとな。あの時俺はラウ・アレハンドロとLEXを勧めたんだけど、タナソーさんが「こんなの昔のtofubeatsみたいじゃん」って言ってたけどtofubeatsにもラウ・アレハンドロにも俺にも失礼』
『いやネガティブなニュアンスだったね。聞いた人が判断して欲しい』

『俺はラウアレハンドロが、ローリングストーンの3位になった事もどうでも良いからね』
『あの時に言った事と大きな変化はない。あそこで話した事で自己批判の対象となっていることは何一つない』
『TikTokってトラフィックでGoogle超えちゃったんでしょ?凄い話だよね。もはや支配されて最大のインフラになってしまった』
『日本はTikTokは未だにドライフラワーとかが流行るコンテンツだと思われてるよね』
『映画とかもっと露骨だと思うけど、世の中に良い物と悪い物が仮にあるとしてそれプラス正しい物と正しくない物があってさあ。その四つの座標軸でみんな物が勝たられる事に対してさあ。良いけど正しくないものとか、悪いけど正しいものとか、良くて正しいものが一番良いみたいなさあ。10年ぐらいかけて特にこの5、6年大きかったと思うんですよ。その中でTikTokはそれを無意味化していくプラットフォームとして面白いってその通りだと思うし、僕なんか今年だとカニエのドンダとかアデルとかみたいなその座標とは関係ない所にいるのがほっとするんだよね。カニエとかめちゃくちゃ間違ってるからさあ。ドゥニヴィルヌーヴのDUNEを観て、カニエのドンダを聴いて他に何もいらないじゃんみたいになった。その対立項としてTikTokでバズるみたいなものをおいてたけど、今の話だとTikTokでバズるって言うのもある意味そういう超越した物の一つのあり方だって言う考え方が出来るって事だよね。対立項として置くのが俺がもしかしたら間違ってたって事だよね』
『TikTokのポテンシャルを我々を知らないと言う自制は必要なのかも知れないよね』
『俺のTikTokが若い女の子が踊ってるのしか出てこないのはアルゴリズムのせいなのか。そこから一生抜け出せないじゃん』
『世の中紹介屋と批評屋は違うって事でそこが整理されないで語られる気持ち悪さはあるよね。どっちが上とかじゃなくてさあ』
『紹介屋は嫌われないけど、批評屋は嫌われるんだ観たいなそういう理不尽な気持ちはあるよね。少なからずね。』
『初めてガーディアンのチャート見たけどザ正しさみたいなチャートですね。一ミリも触れないわ』
ピッチフォークが25周年で過去の点数の書き換えをするとか勝手にやってくれよって感じ。そもそもお前らの権威なんて認めてない上に、あたかも自分が権威があったかのように書き換えるとか不快極まりない企画。ガーディアンもニューヨークタイムズもNMEも本当にどうでも良い。メディアの年間ベストを批評するとか地獄のようにつまらない
『ここまで上げたメディアは全部白人だよ。白人が作ったチャート。ホワイトメディアの話してもしょうがないわ。それはゴールデングローブ賞が全く権威がなくなった訳。審査員が外国人の記者が選ぶ賞なのに黒人が一人か二人しかいない。そんな賞は価値がないと言う事でゴールデングローブ賞はテレビの放送も無くなって誰も扱わなくなった。一年前まではアカデミー賞と並ぶ権威だったのに賞の存続も怪しいぐらいになった。俺の基準で言うとその通りだし本当にどうでも良い』
『海外の白人が作ってるチャートについて語ることに何の意味があるのか分からない』

タナソー「白人が2010年代半ばから自分たちの歴史観を見直さないといけないと言う思いは各所に生まれてる」
『それの一番醜い形がピッチフォークの過去のブラックミュージック後に評価された作品を点数上げたりしている事』

『それをする事の言いたい事は分かるけどそれを我々が取り上げる意味が分からない』

『ハイパーポップは日本の音楽シーンにとっても一つの突破口になり得る非常に大きなものだよ』

『日本でもインターネットミュージックとラップビートメイカーが近付いてるのは分かるよね』
『ハイパーポップシーン全体に対して応援ムードは俺はあるよ』
『ポップパンクリバイバルはビートがエディットされてるかどうかが聴けるかどうかだと思ってる』


【寸評】

相変わらずの黒人マインドの宇野先生は白人社会、白人カルチャーに今回も噛みつきます。恒例行事的なところもあります。その通りだなと思う反面タナソーが言うように若い世代の白人たちが過去の白人主義的な過ちを正していこうとする姿勢まで牙をむく宇野先生の志向には疑問もあります。


『映画音楽ジャーナリストの宇野維正です』

『俺が常々ここで話してるヒップホップって言う物の磁力と言うか磁場が強すぎるが故になかなか日本でのヒップホップのオーバーグラウンド化しなかった若い世代のラップミュージックというのも今ハイパーポップと非常に。kmのトラックとかもそこを参照してるじゃないですか。』
『いよいよそれが多くの人に聴かれつつあることが国内外問わずシーンの話で一番興奮したポイント。だから、そう言うところからするとハイパーポップやポップパンクはこれまでとちょっと違った見方で肩入れしたくなる』
『シックボーイのワンマン行ったけど客層はラップでも、ヒップホップでもなくビジュアル系でもない。それほど若くもなく普通の20代ぐらいの音楽ファンって感じ』
『それはLEXとは違う感じ。同じビートメイカーでも客層が違う』
『ワンオクがアメリカで作ったアルバムもビートに手を入れまくってるんだけどじゃあ聴けるのか?と言われると違うんだよね。それはそれを踏まえてないんだよね。彼らの音楽はあくまでもかつてのロックに対する憧れを今広げるために現地のプロデューサーとかに音を作って貰ってるからそこには音のフォームは似てるけどグッと来ないんだよね』
Spotifyの2021年のグローバルチャートの一位はアルバムも出てないのにバッドバニー。それでもドレイクより上に。それを筆頭にラップとスペイン語のポップミュージックがほぼ。ドライフラワーとYOASOBIが一応入ってる。YOASOBIは外国でも多少聴かれてるけどドライフラワーは100%日本人だよね。外人(宇野先生の発言のまま)がドライフラワー聴いてる訳ないもんね。それぐらい日本のSpotifyユーザーも増えて、しかも一つの曲しか聴いてない。それはグロテスクな話なんだけどそれも含めて状況ってそれじゃん。それを踏まえて全然リトルシムズの話をしても良いし、アーロパークスの話もしても良いし、クレオソルの話をしても良い。インフロはアデルで良い仕事しましたよ。けど、あのチャートを見て日本の音楽評論家とかが話してるの英国のポップミュージックの比率の高さはやっぱり気持ち悪いなと言うのは実感はあるよね』
『サウスロンドンシーンとか、サウスロンドン行ってちっさっ!って感じだった』
『この間もOctavian。Octavianキャンセルされちゃったからさあ。彼のマネージャーから、前にライブ入れて貰った事があるからメールのやりとりしててさあ。今度、復活するんでなんかバックアップしてくれって言われたけど、いやー、日本でこれからOctavianバックアップするの難しいなぁとか頭抱えちゃうんだけど、そういう実感込みなんですよ』
『単純に英国のポップミュージックシーンに言葉や時間が費やされてしまっている事との乖離。それを言ってる人がいないからそれは言わざるえないよね』
『四時間バッドバニーの話してても良い訳だよ。俺はあえて… まあ良いんだけどさあ』
『バッドバニーがやってる音楽は正しくないからね、正しくない音楽が一番聴かれてる。話したいのはそこの視点よ。今日はセックス したいとか訳わかんねえじゃん。ビデオなんて訳わかんないよ。未だに女はべらかしてさあ。けど、それが圧倒的に世界に一番聴かれてる事実を前にどう立場を取るか?って話なんじゃないの?テイスト的に好きとどうかじゃなくて』
『バッドバニーは日本以外の人は全員聴いてるって事だよね』


俺の視点を言うとね。レコード会社の人と話してる時にグローバルポップって言葉を戦略的に使った方が良いよって話をよくしてるんですよ。それはね、タナソーさんがさっき言ったプロモーションの意味のない批評は価値がないって言ってたけどそれはそれが正しいのかは手探りなんだけど俺は本当にそういう人なんです。個人的にはそれ以外やるつもりはない。趣味の話とか音楽ヲタク達がこれが良いあれが良いとかって自分の年間ベストとか作ってるの本当に何の興味もなくて反感もない。みなさんが出してくれる奴見てて、あっ、音楽ヲタクのベストテンだ…みたいな気持ちになったりもしながらね。ごめんごめん』


一番はバッドバニーみんなどうやったら聴くのかな?と常に考えてるんだけど、今日、ここまで話が出なかったのが不思議でしょうがないんだけど、日本で洋楽をこんなに聴いてる時代ないんですよ。みんなBTS聴いてるじゃん。俺の友達の奥さんは俺の奥さんも含めてみんなBTSにハマってる。ハマり方が半端じゃない。そっから話を聞いてくとBTS以外に同じ事務所のENHYPENを応援しようとか他のK-POPにハマる人もいるけど、ほかに結構リアルなのは韓国のポップチャートを気にするようになる。で、例えば韓国のインターネットラジオを聴くと韓国のチャートは普通にドレイクとかカニエとBTSとかTWICEとかが並んでるチャートなんですよ。当たり前なんだけどさあ。そうじゃないのは世界で日本だけなんだけど』
柴「でも、もうそうなってるのは韓国とオーストラリアぐらいでみんな今は自国の音楽を聴いてますよ」


『ワールドツアーとかしなくなるとそうなるのか。日本はどうでもいいオミクロンとかで止めてるし』

『俺はこんなチャンスはないと。何百万人がBTSのbutterやdynamiteを聴いてる中でそれと同じ質感の音楽がなければ、その流れの中でミーガンとも一緒にやるし、ジュースワールドとも一緒って、ジュースワールドの預かり知らないところでやってるけど。けど、そんな感じでどんどん広がっていく訳じゃないですか。今更ゴールドプレイに広がってもしょうがないと思いますけど。これをきっかけにBTSを聴いてる人たちがドレイクとかを聴くようになった感じを身近なところであってそこを。そもそもBTSやBLACKPINKはK-POPと呼ばれたくないわけよ。グローバルポップと呼ばれたいわけよ。BLACKPINKとかaespaとかをK-POPって書くとレコード会社から赤字が入るわけよ。K-POPじゃないですって。で、グローバルポップ。洋楽なんて言葉は終わってるって事はタナソーさんとの本でも書いたけど。それでグローバルポップと言う新しい打ち出しの中でK-POPと普通に世界的売れてる音楽を並べる事。その中にはスペイン語の音楽も入ってくる事みたいな構造をちゃんと作ったほうが。あそこからのお客さんを拾わずに事を拾うのと。もはや俺はフジロックとかサマーソニックとか行ってた人たちが変わることをあんまり望んでない。彼らはクラシックロックファンとしてお疲れ様でしたって感じ。ずっとナイトレンジャーとかフォリナーを観に行くお客さんっているじゃないですか。そういうのの一種だからキングクリムゾンを観に行くようなさあ。キングクリムゾンは良いバンドだけどね。そうじゃなくて新しいところを耕すとしたらそこなの。そして、俺はそこに関与していきたい。』
『結果までは求めなくても少なくとも土俵には立っていたい』
『映画が洋画っていう過去のスキームに結局足を絡め取られて沈んでいってるのを間近に感じているので、日本はストリーミングが中心になったことで一旦リセットされて、レコード会社の所謂、洋楽部門はかつての一番元気なかった頃と比べるとちょっと元気を取り戻してる』
『アーティストの権利の形が色々変わってるってことなんだよね』
『かつてのポップミュージックの歴史で言うとかつての音楽出版社が担ってた役割がレコード会社に戻ってきた感じはあるの。ユニバーサルとソニーがちょっと活気が出てきてるプラスあえて言うけど日本の既存の洋楽フェスのブッキングはしょうもないと思ってるので頑張った年のサマソニとかあったけど、ああいうのが今のが来日記念盤とか振り回されずにやれる。いまはチャンスだと思うから洋画みたいにならないように、今の洋楽のかつてのスキーム、常識を取り払ってK-POPからの恩恵をいかに受けられるか?を考えた方が良いんじゃない?』
『アワード全般は音楽に限らず地盤沈下ですよ。』
『誰が売れなかったとか考えると面白い。ロードとかエドシーランとか全く話題にならなかったじゃん』
『メディアって何を見てる?見るべきメディアなんてあるの?』
『日本はもちろんだけど世界的にメディアがキャプチャーしきれてない』
『ヲタク連中がニコ動で右に取り込まれてたみたいな事になるかも知れないじゃん。小池百合子がアニメの格好して喜ぶみたいなさあ』
『ロザリアの今度のアルバムは凄いと思うよ』

【寸評】

今後は日本のUK偏重文化にも牙をむく宇野先生です。これは以前から言ってますよね。J HUSとかDAVEとかが話題の時も言ってましたね。

年間ベスト出す音楽ヲタクへの宇野先生からのディスが来ました。私も出してますので宇野先生のディスの対象ですが、ほぼ売れてる音楽なので音楽ヲタクとは言えないレベルだと思います。

海外の音楽と自国の音楽がチャートに並ばないのは日本だけと言って柴氏に否定されてましたが、その通りで各国のチャートとか見ると綺麗に混在してる国のが少ないと思います。以前は混在してる国が多かったですが今はどこも自国の他の国の人は知らないアーティストばかりですね。

サマソニとフジロックのラインナップにもディスをいれてますが宇野先生も他のトークショウでは致し方ない面がある事も理解してるとも言ってました。私はフジロックもサマソニもその色があるので、宇野先生が期待するようなラインナップは他のイベントに期待した方が良いと思います。








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