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【協業ロボット活躍】工場はクリエイティブな現場に変わる過渡期

先日、東大阪市で行われた、普段は中に入れない町工場を一般解放するイベント「こーばへ行こう!」にて、㈱協立化工業を訪問し、岸本佳朗社長の案内による工場見学ツアーに参加しました。

岸本社長

今年で2回目の参加となった同社は2022年1月、複数の拠点を現在の東大阪市新家の新社屋に集約しています。

粉末状のフッ素樹脂を圧縮成形し、焼成炉で焼き固めた製品を販売、また、その製品を顧客の要望に沿って加工して販売していて、製品は半導体製造装置部品、自動車部品などに使われているそうです。

フッ素樹脂は、電気を通しにくい、摩擦が少ない、薬品がかかっても溶けにくい、太陽が当たっても劣化しにくい、などの特性を持つことから、配管のシール材として重宝されると聞きました。


見学中、4つの四角い箱型の機械に囲まれ、動いているアーム型の白いロボットが特に印象に残りました。

4台それぞれ別の製品をつくっていて、加工の始まりと終わりのタイミングが違い、白いロボットは、材料を箱型の機械へ運び、加工が完了すると新しい材料を補充します。

箱の上の緑のランプが4つ点灯し、フル稼働しているのが分かりました。
4台をスタッフ一人で管理しているそうです。

白いロボットは、人と協力して作業できるよう設計されていて、協働ロボットと呼ばれます。搭載されたセンサーが人を検知し、人が近づくと停止したり動作が遅くなったりするので、従来のロボットには必ず必要だった安全を確保するためのカバーがなくても大丈夫です。これにより、4台のロボットを自由なタイミングで作業させることができます。

「人が行わなくてもよい作業は機械に任せ、人には人にしかできないことを担当してもらいます。ロボットの導入は人員削減が目的ではなく、人を作業から解放して考える時間をつくり出すためです」

特に人手不足が深刻な現在、貴重な人材にクリエイティブな仕事をしてもらえるよう積極的に設備投資を行って省力化を進めているそうで、ロボット導入から今まで3年ほどで、生産性が1.6倍から1.7倍に上がっているそうです。

「大企業の完全自動化と比べるとまだまだですが、この一台を導入して、どんな使い方ができるか様子を見ています。今は製造業がクリエイティブな場に移り変わっていっている過渡期で、今後、本格的に進んでいくと考えています」と岸本社長は将来の展望を話しました。


P.S
見学ツアーで一緒になった吉田英音さんを紹介します。


吉田さんは、東大阪にある近畿大学の学生で、20人ほどが在籍する地域経済研究会の副代表。修学旅行生が㈱協立化工業などモノづくり企業を訪問する際にガイドをしていて、ガイド先企業を増やすべく挨拶まわりをしているそうです。

修学旅行生工場見学するサポートとは興味深いですね。






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